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「静かなる革命」で想うこと

「静かなる革命」と聞いてすぐに思い当たるのこの本です。

学生時代のゼミのテーマにもなっていたための良く読んだものです。

今では絶版になっているそうです。この本は、副題にもあるように「政治意識と行動様式の変化」とあるように当時政治学を学ぶ者にとっては必読書であったと思います。

当時は、ダニエルベルの「脱工業社会の到来」という本と合わせて読んでおりましたので、記憶としては、どちらで述べていたのかは少し曖昧なところがあります。

前工業化の社会、工業化の社会、工業化以降の社会に分けており、工業化の社会では、物質主義的なところがあるが、工業化以降の社会では、脱物質主義的になるというものです。

衣食住に対する要求の優先順位が高かったところから、社会のインフラも整備され、生活水準も上がり、生活が豊かになって来ると、生活に対する要求よりは、言論の自由、美しい自然とかの要求の優先順位が上がってくるというものです。

このように脱物質主義的価値が増してくるというものです。ここで大切なのは、精神的な成長から変化が起こるのではなく、社会の構造の変化が、人々の価値観を変え、それが、政治意識や行動様式に変化をきたすということです。

また、もうひとつ言っておきますと、脱工業化社会というのは、ポスト・インダストリー・ソサエティです。

つまりポストは、その後という意味ですから、工業化社会を脱してしまうということではありません。工業化社会以降の社会のことです。

為念。上記の解釈は私の記憶を頼りにしているのと、学生時代の未熟な解釈がもととなっておりますので、これをお読みになっている方は、図書館等で現物を参照して正しく把握してください。

当時これを読んだ時は、淡々とした調査結果に基づき結論付けており恐ろしさすら感じました。

社会の構造変化が人間の欲望やこの欲望が政治を決定するものである、と。
只今思うに、新たな要望は、新たな不満も生むものであり、政治的な営みには終わりのない旅のようである。

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