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「映像化不可能」のはずの傑作ミステリ、実写化しても傑作だった。〜Huluオリジナル「十角館の殺人」感想文(ネタバレなし)〜

仕事が忙しくて疲れていても、
「ずっとこれが見たかったんだ!」
と思える作品を、朝からゆっくり楽しめる。
そんな休日はいいものです。

さて、人気ミステリランキングでは1位常連にして、「映像化不可能」としか思えないトリックを擁する、綾辻行人先生の「十角館の殺人」。
これがなんと実写化しました・・・。
実写化のニュースが出た時にはミステリファンがどよめきました。
それぐらいの作品です。
例えるなら、これぞ日本版「そして誰もいなくなった」であり、これを読まずして日本の本格ミステリは語れません。

Huluでの配信開始は3月22日午前10時。
仕事を終えてからその日の夜、はやる気持ちを抑えて見始めました・・・

・・・控えめに言って凄く良かったです!
小細工なしの王道スタイルでの実写化で、オープニングから震えました。
原作好きで、内容をよく知っているにも関わらず、第一話から文字通り食い入るように見てしまいました。
そして、映像化不可能と言われた「あの1行」の興奮は、実写化しても健在でした。これが実写化作品において本当に嬉しかったポイントです。

映像化したものを見て、「おっ」と思った点もちらほら。
あのキャラクターの濃さが原作の2倍増になっていたり、オリジナルキャラクターがいい味を出していたり。
主人公の「コナン」くんの部屋の様子に何度もツッコミたくなる衝動にかられます(一体あれは何なんだい、「コナン」くん!)。
青木崇高さん演じる島田潔は、原作の癖はそのままに、人懐っこさのある新しい「島田潔」になっていました。
そして、実写版ならではの感極まる最後には、思わず心が揺さぶられたのでした・・・。

映像化不能のオールタイムベスト、これは間違いなく実写化成功と言っていいでしょう。
ミステリファンはもちろん、「十角館の殺人」を読んで驚いたことのある方(否、読んで驚くは全員に等しいはず)には必見の作品だと思います。
原作未読でも、原作に準拠しての映像化なので、「十角館の殺人」の魅力を存分に味わえるはずです。
筆者はこのためだけにHulu再加入したのですが、それだけの価値は十分にありました。

お陰様で、素敵な休日の始まりです。

<「十角館の殺人」に初めて触れる方への補足>
このドラマの舞台は、原作と同じく【1986年】です。そのためスマホなどはもちろんありません。服装も年代的ですし、喫煙シーンも多く登場しています。

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