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チームラボでのインターンについて

タイトル画像 : teamlab.artより引用

はじめに

最近、就活シーズンなのか、インターンに関する情報を見る機会が増えてきました。自分もインターンに向けて奔走していた時期があったなぁとしみじみしておりましたが、せっかくの機会ですので、自分がチームラボのインターンに応募するまでの動機や過程について、僭越ながら執筆してみようと思います。

実は、私がインターンにエントリーした時も、このような記事が少なく困っていました。特に、インタラクティブチームに関する記事はゼロです。
そこで、このチームにエントリーするにあたって自分が知りたかったことや、どう考えて行動していたのかを自分の体験を交えて、現実的にお伝えしたい所存です。

また、参考資料にも大変有益な情報が詰まっていますので、併せてお読みいただけると、より理解が深まると思います。


※ 追記(2019/07/01)

内容がだいぶ古いので、現状とは異なるかもしれません


目次

1. 自己紹介
2. インタラクティブチームについて
3. 生い立ち
4. 大学時代にやったこと
5. インターンに応募するにあたって
6. インターンの内容
7. おわりに
8. Special Thanks
9. 参考資料


1. 自己紹介

法政大学情報科学部にてコンピュータサイエンスの学位取得後、現在はデジタルハリウッド東京本校本科CGヴィジュアルアーティスト専攻にてCG映画製作の勉強をしていま(したが、フリーで仕事を受けすぎて卒業できませんでした)。

また、2016年夏のインターンから2018年末まで、インタラクティブチームでアルバイトとして働いていました。

ポートフォリオはこちらです。


2. インタラクティブチームについて

インタラクティブチームは、チームラボを代表する、アート作品のヴィジュアル・ロジック開発を担当する部署になります。以下動画は今夏からお台場に常設されるteamLab Borderlessというデジタルアートミュージアムのダイジェスト映像です。

現在は20名弱ほど在籍しており、1/4が外国籍の方で、2人がアルバイトになります。チームは非常に仲が良く、ランチ等はほとんど毎日一緒に食べに行きます。チーム内に上司はおりませんので、変に気を遣うこともありません。また、シーズンによっては飲み会も多いですが、本当に有益な話題が五月雨式に降ってくるので大変勉強になります。

業務に関してはUnityでの開発がメインです。場合によってはTouchDesigner、openFrameworks、プログラム単体での開発も行います。
個人的にはシェーダー開発や物理シミュレーションを実装している時間が長いです。

ここで、チームラボのアート作品の取り組みを一番よく表していただいている特集を紹介します。インタラクティブチームの方も多数出演していますので、一度ご覧いただけると良いと思います。

インターンに関しては、同業他社と比較すると、広く受け入れられている印象です。ただし、私がアルバイト配属されてから、10人以上インターン生を見てきましたが、年々ハードルが高くなっているように思えます。最近では日本人をあまり見かけなくなりました(寂しい)。今年もサマーインターンを実施するようですので、気になる方は是非エントリーしてみてください。


3. 生い立ち

チームラボのインターンに来る方々は、本当に皆さん輝かしい実績をお持ちです。自分がインターンを受ける際、このような方々を見ては自信を無くしていたのを思い出します。
そこで、本章では、自分の生い立ちを語ることで、
自分は特別な人間ではない
という事実を示すと同時に、何かの勇気づけにつながればと思います。
興味がない方は、この章はスルーでお願いします!

私は山口県に生まれ、小学生から福岡県で育ちました。
小学生時代は6年間学級代表、中学生時代は学級代表+テニス部キャプテンと、なにかと人を引っ張りたがるわりにやんちゃする困った野郎でした。

また、高校時代は、明善高校という全国的にはあまり有名ではない学校に通い、進学のためだけの勉強をしていました。
プログラムとは一切関わりはありませんでしたが、当時ギターを弾いていたこともあり、作曲ツールとしてPCを使い倒していました。
DAWソフトに追加音色を入れるためのVSTプラグインなるものがあり、それをインストールするのに内部システムの知識が必要で、少し勉強した程度です。

丁度高校時代のアホさ加減を知るいい例がありましたので、掲載しておきます。実はこの発表会、バンド出演禁止だったんですが、ボーカルの人間の熱意が並ではなかったたためにオーディションに通ってしまいました。

そんな高校3年生の頃、ふとテレビをつけたときに映ったのが、チームラボの映像作品「憑依する滝」の特集でした。

ナレーションでは、「数学者、プログラマ、...、がお互いの知識を生かしアート作品をつくる」とのこと。
当時物理が得意で、PIXARのCGアニメーションが好きだった自分は、これだ!と思いましたね。

それ以来どうしても東京に出たいという気持ちが強くなり、東京の大学を受験するに至りました。

4. 大学時代にやったこと

先述のように、比較的明確な目標をもって大学に入学したため、やるべきことはわかっていました。就活で自分の学歴は不利になるだろうと考え、かなり戦略的に学習を進めていたので、参考になればと思います。

まずはじめに、大学に入って半年間は、Blender、AviUtl、CINEMA4D、AfterEffectsなど、DCCツールを使い倒しました。かなり恥ずかしいですが、以下動画が当時作成した作品です。後半になるにつれ慣れてきてクオリティが上がります。

ここでいきなりポイントですが、
企業に自分の力をアピールするには、Webを活用するのが最善策だ
と自分は考えています。
というのも、先ほどの高校生時代のバンド映像や映像作品の視聴回数を見ていただければわかるのですが、ネットの影響力は強いということを身をもって知っていたからです。
実際、企業の方はTwitterをよく見ています。
いつどのタイミングでも貴重な機会を逃さないように、どんな人物か一目でわかるBio欄、アクセスしやすいWebポートフォリオを作成しておくことをお勧めします。


次に、Webが大切だということを踏まえて、とりあえず自分のWebサイトを作ってみようと思い、半年間かけてフルスクラッチで構築しました。現在は使用していませんが、当時のまま残しておいたので掲載しておきます。(スマホでアクセスするとスマホ版にリダイレクトされるため、PCで閲覧していただけると助かります)

このときに、PHP, JavaScript, MySQL, HTML, CSS, Linuxコマンド, サーバの使い方を覚えました。 友人ともほとんど遊ばず、完全にひきこもりでした。


次に、自分はCGの道に進みたいわけですから、Webの知識とCGを絡めようと考えました。当時WebGLが最盛期だったこともあり、HTMLのCanvasを用いてひたすらjsdo.itというサービスにプログラムを投稿しまくりました。
今では遠い存在になってしまいましたが、かつては@jagarikinさんとランキングを競い合っていました。

その後、ディープラーニングが急速に流行しだしたため、ディープラーニング、Web、CGを絡めたサービスもリリースしました。


そして、次は現場に出てみよう!ということで、学部2年生の夏に
N-DESIGN株式会社というVFXプロダクションにテクニカルアーティストとして入社しました。
ここでは、リグを構築するツールや、分散レンダリングをDCCツールから直接走らせる社内システムを開発していました。映画「真田十勇士」の製作に関わることができた嬉しさは今でも忘れません。

この直後、チームラボのインターンへエントリーしました。エントリー時に提出したポートフォリオに記載した内容も、本章に記載したものと全く同じです。


さらに、ただ勉強しただけでは自分のレベルが見えづらいため、ハッカソンへ出場するようになりました。
Yahoo! JapanCAPCOMDerivative(敬称略)のハッカソンに出場し、結果すべて受賞することができました。ハッカソンに関してはチームプレイですから私個人の力ではありませんが、すべてリーダー的な立ち位置でしたのでチームをまとめる力はついたと思います。人とのつながりもできますから、本当におすすめです。

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本も毎日欠かさずに読みました。本棚が歪んでますね...
今思えば、読んだ本をアピールするのも一つの手かもしれません。

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大学での卒業研究では、MPM法とLBM法を使って、風の影響を受けた雪のアニメーションを生成する手法を提案しました。
学部生でしたが、修士レベルのことをやったと思います(本当に死ぬかと思いました)。修士で完成させる予定でしたが、先の理由もありまだ温めています。引き継いでくれる方募集中です。


このように、大学を卒業するころには、おのずとたくさんの言語やフレームワーク、ソフトウェアを利用できるようになっていました。
お気づきかもしれませんが、WebやCGに関してはすべて独学でした


5. インターンに応募するにあたって

はじめに述べた通り、現在のインタラクティブチームの選考に通過するのは極めて難しい気がしています。当時の自分が今エントリーしようものなら即お祈りされてしまうと思います。
そんなインタラクティブチームインターンの現在の内情を少しばかり紹介してみます。推測も入っているので、あまり鵜呑みにしないでいただけると助かります。

まず、チームラボの採用に年齢制限・国籍制限・学歴フィルターはありません。以前高校生の方も2人ほどいらっしゃいました。遠方からいらっしゃる方に対しては、宿泊先も提供されます。学歴に関しては、優秀な人のふたを開けてみたら学歴も高かった、みたいなイメージなので気にしなくて大丈夫です。

次に、選考に通過している方の共通項として、以下の項目が挙げられます。
・コンピュータサイエンスのバックグラウンドがある
・数学に強い
・協調性が高い
・英語を難なく読める
・検索力が高い
・なにかしら平凡ならざるスキルがある

このほかに、過去のインターン生をざっと見たイメージでは、
・必ずしもUnityやCGに精通しているわけではない
ように感じます。
実際私がエントリーした際には、Unityの経験は一切ありませんでした。
おそらく採用担当者は、アルゴリズムの構築の仕方や知識、作品に対する熱意、どういうビジョンで学習してきたか、等を見ているのだと思います。(正確にはわかりませんが)

よくある例で、
・Processingで作品をたくさん作った
・プログラム言語を多く書ける
・ハッカソンにたくさん出場した
・プリレンダー作品を作った
・作品数が少ない (渾身の1作ではない)
ではまず書類選考で通過しないと思います。

同時に、エンジニアリング一本でも通りにくいです。映像表現を扱う以上、ある程度の表現力・デザイン力やアートに関する知見が求められます。これが他のIT業界と異なる難しさですね。

要は、「どのような情報技術を使用して、どのように可視化するか」を見られています。
俗に言うアートとサイエンスの両立?でしょうか。
可視化方法は必ずしもアートである必要はなく、UIデザインやシミュレーションなどでも良いと思います。
論文と同じように、自分の用いた技術と作品の意味・関係を理論的に説明できなければ、採用の壁は高いです。

また、インタラクティブチームの場合(に限らずですが)、現場では多種多様な知識が必要な場面が多いため、自分の技術が一つのプラットフォームに依存してしまうのはかなり危険だと考えています。
実際にチームの方々も、必ずUnity以外に何かしら得意なプラットフォームをお持ちです。
可能であれば、多方面なIT知識を身につけておくことをおすすめします。

最後に、エントリー時の注意です。
チームラボは多くのエンジニアインターン枠を用意しているがゆえに、どの枠に応募すればよいのかわからないという事態が発生します
実際に自分はインタラクティブを想定して応募したところWebチームだったという事故を起こしましたが、Webチームの方に助けていただくことができ事なきを得ました...
自分以外にも結構やらかす方は多いみたいですので、エントリーの際は十分に気を付けていただきたいところです。


6. インターンの内容

私が参加したのは、2016年のサマーインターンでした。
サマーインターンは、7月から9月にかけて2週間ずつ交代で実施されます。自分が参加した際は、1ターム全体で5人ほどで、内インタラクティブチームは@mrdkosyと私の2人です。
インターン生には1人につき1人以上メンターがつきます。

オフィスの様子やインターンの1日のスケジュールなどは大体同じなので、詳しい内容はlightnet328さんの記事を参考にしていただけると良いと思います。

インターンの内容は人によってまちまちですが、
サマーインターン等、短いスパンの場合は課題ベースで作品を作り、
通年インターン等、数カ月スパンの場合は実案件に入ります。
そして最終日に、社員の前で成果発表を行います。

私のメンターは@mattatzさんと、@fuqunagaさんでした。
当時インタラクティブチームでは、VR作品の模索をしていたようで、まずVRを使うことを前提に話が進みました。そこで、当時展示されていた以下の作品をVR内で再現しようと考え、制作に着手しました。

先述のとおり、当時Unityを入門した程度のレベルでしたので、HMDのセットアップだけで2日消費してしまいました。
その後1日でFlockingを実装し、後は表現とディテールを増し....という感じで、とにかく完成させることを目指していたため、特に難しいことはしませんでした。

完成した作品はこちらです。

発表スライドも公開しておきます。

と、作品は公開しましたが、

チームラボでインターンをするにあたって最も大事なことは、チームの方とたくさん話すことだと思っています。
正直なところ、作品作りは家でもできますし、Googleで検索すれば解決策もすぐヒットします。
インタラクティブチームでは、インターン生がいる間はランチにみんなで行くように心がけてくれます。そのタイミングで根掘り葉掘り質問攻めするのが良いです。(実際、私はインターン中に@mattatzさんにアルバイトをしたいと訴えていたおかげで、今のポジションがあります。言葉通り恩人です。)

さらに、メンターに頼めば、作品のソースコードを読むこともできますし、むしろ作品の制作者がその場にいらっしゃいますので、自分の知らない知識を大量にインプットするために時間を割いたほうが良いと思います。

今年からはteamLab Borderlessも近場で開催されますので、チームの方と一緒に作品を見て回るなんてこともできるかもしれませんね!


7. おわりに

内容が簡潔にはまとまりませんでしたが、知っている情報をすべて共有したかったため、お許しください。
もし質問等があった場合や何か思い出したときは、適宜本記事をアップデートしていこうと思います。

今回の内容が皆様のお役に立てれば幸いです。

最後に、自分の活躍を支えていただいているチームの皆様、本当に日々感謝しております。今後ともよろしくお願いします!


8. Special Thanks


@inoko21@mattatz, @sugi_cho@sakope, @kaiware007, @ksd6700@taishoh@wansi14@komietty, @fuqunaga, @_irishoak, @a3geek, @XJINE, @WongWild, @kenttto@ghani_jp


9. 参考資料


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