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「宇宙の音を探る」おおたかしずる

だれもわからない言葉~宇宙の音を探る~

 子どもと舞台芸術大博覧会キックオフイベント3/13(木)は、彼女の歌声によって幕が開いた。
 ボイスアーティスト おおたかしずる。七色の声を操るノンジャンルのシンガー&ボイスアーティストだ。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」に楽曲提供をしその自在な歌声で現在もレギュラー出演中だ。そして、子どもと舞台芸術大博覧会には、広報アンバサダーとして、お力を貸していただく!
 舞台上で歌うしずるさんの歌、それは、日本語とも外国語とも言えない不思議な言葉だった。それもそのはず、彼女はだれにも、そう彼女さえもわからない言葉で歌っていたのだ。しずるさんはだれにもわからない言葉だからこそ世界中の誰が聞いても心を動かす歌になるという。だれにもわからないからこそ平等なのだ、と。
 外国の歌を聞いたときに意味がわからなくても何か感動する。その感動体験を追いかけていると語ってくれた。しずるさんの歌は単語ではなくまるで波動。思いをのせて歌う歌に、子ども達も自然と見入ってくれる。
 宇宙の音を探るのが、しずるさんの思いだ。心の奥底だけではなく、身体にDNAに訴えかける歌を作りたい。もしも地球に宇宙人がやってきたら、きっとしずるさんの歌う歌に、宇宙人も思わず魅了されるだろう!

生のよさ!細胞に響くエネルギー!!

 生の舞台に出会える。それが子どもと舞台芸術大博覧会の魅力だと答えてくれた。テレビやゲームといった疑似体験が増え、目の前にある舞台からエネルギーをあたえられることが減った現代。例えばお祭りがあってもスピーカーから流れる太鼓や笛の音では、子ども達に本当の波動がいかない。彼女は言ってくれた、生のものこそ強烈なんだと!!
 ビリビリと太鼓を鳴らしたときに感じる手のシビレ。それはまさに全身の細胞が喜んでいる証拠。この博覧会では、太鼓はもちろん、楽器や影絵、忍者に狂言とたくさんの体験がある。その生のエネルギーをいただけて、しかも体験できる。自分で体感する経験はなにものにも変えられない財産。細胞に響く感動が大博覧会にはあるのだ。

舞台という夢の宝箱~そこから選ぶ夢~

 子どもによって、見るものは違う。きらびやかな衣装に目をとめる子もいれば。美しい音色に心を奪われる子もいる。大きな装置に憧れをいだいたり、人形に愛しさを感じたり、役者の演じるヒーローに魅了される子もいる。
 それを、選ぶという行為自体が大切だと、しずるさんは語る。体に染み込んでいく体験と感動。それが一生の宝物になる。最初、子どもは面白いや珍しいという好奇心に動かされ、色んなものを吸収する。そして自分はこれが好きだという心を見つける。それこそが大切なんだ!その心はいつの日か、つくりたい、生み出したいという心になる。その経験こそが人生を豊かにしてくれるのだ。
 舞台芸術は、たくさんの芸術の集合体である。子どもの心に響くことがたくさんある。そう子どもにとっての夢や将来がそこにはたくさんあるのだ。
衣装をみてデザイナーに、音色にひかれ歌手に、装置をみて建築家に、人形を愛して素敵な親に、時にはかっこいいヒーローになりたい!と将来の自分を子どもは舞台にみる。
 舞台は様々な人生のステージを見せてくれる。楽しいことや嬉しいこと、悲しいことに辛いことも、そこから子ども達は自然と学ぶ。学んで、自分がなりたい夢をみる。
 舞台芸術とは、まるで子ども達の夢の宝箱のようだ。しずるさんから、そんなことを教わった。

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