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男らしいって分かるかい

思えば「男らしさ」「オンナらしさ」について考えるのだが、しかしながら

『女性らしさ』

はフォーマットがあるので分かる。

然し、『男らしさ』と言うのはフォーマットがない為、理解が難しい。そもそも『男らしさ』とはなんだ?。

私の故郷:福岡県北九州市の名産品は『焼きウドン』でも『明太子』でもなく、すわ

『男らしさ』

である。『北九州空港』や『JR小倉駅』に来た人達は土産物として

『日本刀』
『鉄球』
『南部十四年式拳銃』
『覚醒剤』
『ロケットランチャー』
『馬』
『水牛』
『日本刀』
『鉄の塊』
『白い着物(死に装束)』

が売られている事を不思議に思うだろう。だが、北九州市民は常に『男らしさ』を追求するので、当たり前の商品なのである。

そして、井筒屋と言う北九州市の『高島屋』や『イオン・モール』にはフードコートではなく

『切腹をする場所』
『介錯専門店』

があった。

私は高校生の頃にピアノを習っていたが、そもそも北九州市と言う『漢らしさ』の街で『洋琴』なんぞ、女々しくて、子供騙しであり、生温いモノである。

北九州市にとって『楽器』と言うのは

『和太鼓』
『銅鐸』
『銅鑼』

だけである。弥生時代には絶滅した『銅鐸』だが、北九州市では立派に稼働中である。少学校~中学校の授業開始や下校時に鳴らされるモノは『鐘』ではなく

『銅鐸』

だった。

私が進学した『私立豊国学園高等学校』は明治時代に開校した事もあり、

『漢を磨く』

と言う事に特化した高校だった。
漢を磨くために、公立や私立の進学校を断って入学する漢が多く、合格率は7%と言う狭き門だった。

制服は現在では少子高齢化って事もあり、ブレザーだが私が在校していた頃の制服は

①ねじり鉢巻
②六尺ふんどし
③鉄下駄

の3点だけの着用が許されていた。

インフルエンザが流行しても、ワクチンなんて言う、女々しくて、子供騙しであり、生温いモノは打たない。

インフルエンザやノロ・ウィルスになっても、焼肉と日本酒、そしてイノシシ肉を食って治していたモノである。

因みにインフルエンザで40度以上の高熱だとしても、イノシシを捕獲し、解体するのは本人である。

明治時代には、まだ九州にはヒグマがいたらしいので、ヒグマを捕獲して食べていたらしいのだが、明治の半ばには九州地方のヒグマは絶滅してしまったので、イノシシらしい。

夏は

①ねじり鉢巻
②六尺ふんどし
③鉄下駄

だが、一応、冬服もある。それは

①ねじり鉢巻
②六尺ふんどし
③鉄下駄
④身体に鯨油を塗る

である。何故、『鯨油』か?と言えば捕鯨調査船って門司港や下関港から出ているんだよな。

で、数百匹も捕獲するので、九州では『鯨肉』は普通だったし、他の地区では聴かないのだが、私が通っていた

『市立若園少学校』

では給食が『鯨肉』だった。ホンっと不味かったのを覚えている。

北九州市は九州地方だが、日本海側なので冬は雪が降るし、寒い。
最も寒い日ではマイナス50度にもなる。

その為、身体にオイル(鯨油)を塗るのである。ユニクロのダウン・ジャケットなんて言う女々しくて、子供騙しであり、生温いモノは着用しない。

身体に鯨油で十分・・・漢ならば、それで十分なのである。

そして、『漢らしさ』と言えば

『無口』
『寡黙』

である。だから、私が通っていた高校では、誰も喋らない。静かな高校だった。

「1+1=2。じゃあ、1+2=・・・この答えは?鈴木、答えろ」

と教師が言っても

「・・・」

「おい!」

「1+2は?」

「・・・」

であり、国語でも

「じゃあ、最初の何行目から何行目まで、高橋、読め」

「・・・」

「おい!」

「だから、『トンネルを抜けると雪国だった』から読めって言っているだろ!」

「・・・」

と授業は埒があかない。

授業が此の有様なので、病院も困る。例えば虫歯が痛いとする。まぁ、虫歯じゃなくても良いのだが。医者が聴く。

「何処が痛いのかね?」

「・・・」

「具合が悪いんだろ?」

「・・・」

「熱は測ったのかね?」

「・・・」

「一体、何をしにきたのだね?」

「・・・」

である。此れが虫歯だと最悪である。そもそも、北九州市で『麻酔』なんて言う女々しくて、子供騙しであり、生温いモノは使わない。

虫歯に限らず、どんな治療でも『麻酔なし』と言う南方戦線の軍医のような状態である。虫歯も『親不知』だとしてもペンチで抜くだけである。

全身麻酔が必要な手術だとしても、無麻酔。

私の同級生の『向山とん平』君は幼い頃から心臓が弱く、高校生なって漸く、心臓移植手術を受けた。

ドナーは東日本の人だったのだが、向山とん平君は漢らしく、心臓移植だと言うのに無麻酔で手術を乗り切った。

勿論、悲鳴などは上げない。

そんな向山とん平君は手術後、1時間後で死んでしまったが、全く漢らしい漢だった

漢らしい向山とん平君の葬儀は壮大なモノだった。

喪服なんて言う女々しくて、子供騙しであり、生温いモノは着用しない。その際は、漢達は

『全裸』
『身体に石油を塗る』

である。そして、手には『松明』である。油と火は危ないのではないか?と思うかも知れないが、其れが北九州市なのだから仕方がない。

男らしい、と言うのは結構、大変なのである。

と此処まで書いてみたが、書くことに飽きたので、此れで終わる。

BGMは『男らしいって分かるかい』である。いやー、クソみたいな曲だな。


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