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小説『ベラゴアルドクロニクル』を読もう

ワシがNoteで「ベラゴアルドの世界に飛び込め」と書いてから、二ヵ月が過ぎた。超絶面白ハイファンタジー小説だ。

読みましたか?
・・・読みましたね?
・・・・・・まだ読んでいない?

まだの人はマジで・・・マジソニアンで・・・マジップで読んでみてほしい。だからワシはもう一度、紹介する。

二ヵ月前はまだ、壮大な年代記の初編『小鬼と駆ける者』が完結したばかりだった。その後もベラゴアルドの物語は語られ、計五編が完結した。ワシはどの話もコーフンしっぱなしで読みまくり、その度に(ああ・・・こんな物語を考えられる人がいるのか・・・これは普通じゃない・・・ちょっとファンタジー物語考えてみましたとかそういうレベルじゃない・・・時間をかけてじっくりコトコト・・・超丁寧かつ超緻密に練り上げられた・・・独創性が溢れまくってダダ漏れビショビショの・・・純度1000%ハイファンタジー・・・・・・独特で魅力的な語り口調で紡がれ・・・読み手の心を刺激しまくる・・・これこそ・・・FANTASY・・・・・・)と、ため息を漏らしまくった。何度(ハァー)となったか数えきれない。

ワシもいま、ファンタジーな物語を書いているのだが、ワシの場合は ”これまで喰らってきたファンタジー”、例えば指輪物語やウィザードリィなどの要素をふんだんに盛り込みつつ己の理想や妄想をブチ込むやり方だ。言ってしまえば美味しいトコ取り・・・パk・・INSPIRE・・・そういうやつだ。

しかし『ベラゴアルドクロニクル』はそうじゃない。いや、もちろん古典的なファンタジーの要素を踏襲しているのだけれども、この世界を創造したのは間違いなく作者だ。隅から隅まで。「ああ、あの作品から持ってきたのかな」なんて要素はまず見当たらない(ワシが知る限り)。作者の超独創的な超妄想が物語のORIGINであり、その世界を広げ、深めたのも作者のIMAGINATIONであることがBIN-BINに伝わってくるのだ。ちなみに、毎話のカバーイラストもORIGINALだ。これまた世界観を存分に伝えてくれる魅力的なものばかりで、大好きだ。ワシは毎回楽しみにしている。
念のためもう一度繰り返す。これはトシちゃんよりもBIN-BINな物語だ。真っ向勝負の、悪ふざけなしの、心が揺さぶられまくりの、ガチンコ・ハイファンタジーだ。

ワシは大いに刺激を受けた。・・・と同時に、嫉妬した。こんなバケモノじみた長編ファンタジー、どうやったら頭の中に湧いてくるんだよ、と。
だが・・・作者の投稿記事を読んだワシは猛省した。この『ベラゴアルドクロニクル』、九年間にわたる妄想によって紡がれたというのだ。そうなのだ。これほどまでに綿密壮大な世界がパッと、スラスラと頭に浮かんで「ハイ物語できあがりました」となるわけがないのだ。たまにウンウン唸ってるワシが易々と肩を並べられるはずがないのだ。そもそものセンスとかサイノーとかそういう問題もあるっちゃあるのだが、ファンタジー大好きっ子の作者がひとつの世界を、そしてその世界で起きるいくつもの物語を、丁寧に丁寧に、何年もかけて、ひとつひとつ創造したのだ。それらを、ギーと名乗る語り部が教えてくれる。読者に。ワシに。作者じゃないぞ? ギーが語ってくれるのだ。その語り口がこれまた独創性にミッチミチ満ち溢れ、(クソ! よくそんな表現思いつくな・・・ゾクリ)のオンパレードだ。もう・・・何もかも・・・妄想レベルがケタ違いなのだ。いやこれは妄想の域を超えてもはや真実だ。面白いに決まってるじゃないか。読む者を楽しませてくれるのはモチロン、ファンタジーに限らず小説を書く人間なら(よしワシだってもっと)と刺激されまくる。それが『ベラゴアルドクロニクル』という作品だ。

先日からギーは、六編目となる『竜の子の物語 序章・第一章』を語り始めている。五編目『紫砦と石の竜 竜の仔の物語−序夜異譚−』でも既にその予兆はあったが、これまで語られた断片的な話がいよいよ大きなひとつのうねりとなってワシにドッパーンと浴びせられる気がしている。

「ファンタジーの ”ファ” くらいなら興味あるかな」
それくらいの興味があれば、間違いなくガッツリ楽しめる。今からでも遅くない。ぜひこのコーフンを味わってみて欲しい。

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第一編。ある王国領の辺鄙な村で、小鬼による人攫いが問題になっている。単体ではそれほど恐ろしくない小鬼だが、今回は様子が・・・。地味で、小さな物語だが、恐ろしい。ラームのストライダ・・・灰色の戦士ソレルが登場する。


ベラゴアルド四の希望が一つ、アリア・アルア・リア・ルーアン・・・妖精王・・・今はナント人形・・・と従者のおてんば妖精が、旅芸人たちと出逢い、ひとつの物語が生まれる。ここでもラームのストライダが登場するが、ソレルではない(何人もいるんだ! とワシは驚いた)。


前二編は、小村と街・・・小さな場所で紡がれる小さな物語だった。この調子でいくのかな? そう思っていたワシは完全に(いい意味で)予想を裏切られた。ガンガァクスの魔窟で起きる壮絶な集団戦。魅力的なキャラがどんどん出てきて話が加速しまくる。(似た設定の話を温めていたワシは心底焦ったが、こっちの方がスケールがデカイしヤバイので気にしないことにした)


三話だけの短い物語だが、クロニクルの中でも一番心を揺さぶられた。塔の魔法使い。忌々しい研究。犠牲になる子供たち。短いながらも、今後の話に繋がる重要な話だ。これにより、語り部ギーが読者をハラハラ・モヤモヤ・ヤキモキさせるPROであると・・・ワシは確信した。


巨大な砦。その砦に襲来する竜。タイムラインは三編『ガンガァクスの戦士たち』より前に位置する。白鳳隊、ドワーフ、大魔法使い、ストライダのソレルとその師らが総力で竜に立ち向かう。大弓使いのレザッドがクソカッコイイ。


先日始まったのがコレだ。大きな話に繋がることを予感させる静かな始まりという印象。ベラゴアルドクロニクルの重要なピースである竜の仔の話がいよいよ語られる。


それぞれの物語は、「3~10」話でバチィっと完結するボリューム。
今からでもじゅうぶん最新話に追いつける。
いや、追いつけるかなどという心配も要らないのかもしれない。
「よ、読むぞ!」などと気合を入れたり、身構えたりする必要は無い。コツコツと読み始めれば・・・止まらなくなる中毒性の高い語り口だもんで・・・気づいたら最新話まで進んで「ねえ、続きは・・・?」と言っているだろう。

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