ホルン五重奏曲 ー 4人のホルン奏者
深夜の2時間DTM:お題「ホルンを用いた曲」の参加曲。
ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」、STAR WARS「王女レイアのテーマ」など、ホルンを使った名曲は多い。自曲でもいつも使っている。
ホルンという楽器は、リードもベースも伴奏も全部こなせてしまうほど音域が幅広い。 おまけに鋭い音も柔らかい音も出る。 個人的にはフルートと並んでもっとも好きな管楽器だ。
では、ホルンだけで曲を作ったらどうなるか。
弦楽四重奏曲のように、ホルンだけでハーモニーを奏でてみたい。
楽器選び
一般的な音楽は基本的に4声で考えるといいようだ。 ソプラノ・アルト・テノール・バス。 弦楽器ならバイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバスになる。 4つの音域のメロディをバランス良く合わせるときれいなハーモニーが生まれる。
普通は(おおまかに)4声にあたる音色を選ぶのだが、今回は4声をすべてホルンに担当してもらおう。 (あ、低音が足りないので、もう1声追加。)
ひとつのホルン音源だけだと、基本が同じ音なので混ざり合いすぎて個性が出ない。 だから全部違う音源にして、4人のホルン奏者に見立てた。明るいキャラ・真面目・円熟・無骨、そんな4種類のキャラクターが生まれた。
曲構造
全体は4つに分かれる。
1周目はソロから始まるアルトのメロディに、途中からテノールのメロディを並走させる。 中低域でアルペジオを奏でてバランスを取る。
2周目。 アルトのメインメロディを2重でハモり、バス・メロディを並走。 こだきんの悪い癖で、素直ではない不穏な響きを入れてしまった。(w)
中盤。 アンビエンス曲をイメージして、メロディを止めロングトーンでコードを奏でて安心感を出す。人間には絶対出来ないブレスだが無視。 後半は大きく五重奏まで展開させる。 コード構成はおおいに悩んで、実はいまだに正解がわかっていない。
3周目。 1周目と同じソロメロディに、とてもシンプルなワルツ風のバックを付けた。 途中少し哀しげにコード感を付けてみた。哀愁が漂っただろうか。
今回がんばったところー。
4本の単音メロディが絡み合って、それぞれのメロディラインをできるだけ壊さないようにしながら、コード感も出すことを意識した。 うまくいっただろうか。
4人のホルン奏者の音が混乱しないように、左右にパンを振り分けた。 音のキャラクターもだいぶ違うので、聴き分けはできると思う。
キーボードのモジュレーションホイールを使って、なめらかな音の強弱表現を入れた。 やっぱり管楽器なので、ぶわぁっ とか、すうぅーー とか、感情表現がないとつまらない。
中盤のロングトーン・コード部分は、同じ音色だが別トラックにして、深めにリバーブをかけて、少し遠くから聞こえている風にした。 パンも少し強めに左右に振り分けた。アンビエント風味が出たら嬉しい。
反省点:
中盤のコードは少し単調かなあ。もう少しドラマティックにしても良かった。
もしかしたら、ティンパニくらい入れてもバチは当たらなかったかもしれない。
補足(音色リスト)
ホルンに使った音色データを紹介する。興味があればどうぞー。
ALPINE Brass - Horn
KONTAKTで使える無料音源プラグイン。明るいキャラが魅力。今回は主にソプラノ・アルト音域を担当。一番最初のソロはこちら。
(パン)右中央寄り。(Apple) Logic Pro X - French Horn Legato
DAW付属のホルン音色。少し音が硬い。テノール中心で威勢良く歌ってもらった。
1周目の途中からソロに並走。 最後のエピローグで少しユーモラスにアルトを歌っているのもこちら。
(パン)左中央寄り。(Steinberg) : HALion Symphonic Orchestra - Horn Combi
自曲では一番愛用しているオーケストラ音源から、これまた一番活躍しているホルン音色。(前回の鯨の曲でも出演。)
とてもクラシカルな音が出るので、チェロのような位置づけで、テノールからバスを担当。
3周目のメインメロディを担当。
(パン)一番左端。(Eastwest) Goliath - French Horn
全部入りの総合音源なので、少しサンプリング数が少なくて不器用。
とにかく存在感が強いので、HALionと同様に中低音を担当。
3周目が終わった直後のテノールソロを担当。
(パン)一番右端。(Spitfire) BBC Symphony Orchestra Discover- Horns a4
無料オーケストラ音源からホルンパート。 こちらはソロではなくホルン部隊。
すこしぶわあっと拡がってぼやけがちなので、中盤のコード部分に参加。ソロはなし。
(パン)真ん中
動画にはmusikratさんによるPixabayからの画像を使いました。感謝です。
長文お読みいただき、どうもありがとうございました。
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