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月刊誌『望星』詩味礼讃/投稿の広場(マーサ・ナカムラ/東直子 選)に”ジュラのデュラン”掲載 20230802 20240319に作品の追記あり

ロゴが可愛い雑誌『望星』詩味礼讃/投稿の広場に石川小傘の詩を掲載頂きました。望外の事です。
選者、マーサ・ナカムラさんとゲスト東直子さん(´;ω;`)という今をときめく人達という最高のコンビネーションという光栄。

講評も”パワー漲る”と”ユーモアもありあきさせない”など、私には賛辞すぎて泣きました。ありがとうございます(´;ω;`)
是非、お手に取ってほしい。
夢ならずっと醒めないで・・・・・。

掲載作品の吉田敦美さんのピッチャーはファンタジーと思いつつ猫が心配になり壱岐悠太郎さん(他雑誌でもお名前をお見受け)の桃洗い川はアニメの日本昔話を彷彿しどちらも何かに引っ張られる。
他作品の各講評も凄いです是非✨

昨年の12月に、そうだ詩の投稿しようと急にひらめき、初詣は敬愛してる地元の氏神様で、家族の健康と詩の入選佳作、spotify公式プレイリスト掲載などがありますようにとお願いしたので

す。(多すぎだろw)
それがいくつか叶ったので、先日猛暑だけど風が少しある昼下がり、ふーふー汗をかきながら丘の上にある神社に一人でお礼に参ってきました。

少年が虫取りにきていて、どこかの昭和の懐かしい夏休みの1ページに迷い込んだような素敵な昼下がりでした。
ここに来ると何かしら、良いインスピレーションや映像のプレゼントがあるのです。
たくさんの木漏れ日と神様を感じる風の風景を撮影して帰宅。

思えば15年前に今は亡き夫がこの街を選んで(元に住んでいた町の隣町)引っ越してきてから、二人乗りベビーカーに3歳と1歳を乗せて汗をかいてこの街の公園巡りをしたり、子供の自転車の練習に滝汗をかきながら併走したり、習い事に行ってた私と子供たちの姿を氏神様は見てくれていたのかなーという感慨にふける時があります。
良いところでしょ?と夫が引越し前にドライブで街を案内してくれた事もすごく覚えています。
大好きな東京へ行くには遠すぎる街ですが、ここに住む事で何も困る事もなく愛着のある街です。
(あんな遠い街まで朝早くから仕事に行ってくれた夫に改めて感謝)

数年前、西崎憲さん主宰の惑星と口笛ブックスのコドモクロニクルに参加出来て、文筆する人1年生の最初の1歩でエッセイデビュー出来た時も天にのぼるような気分だった。
でもそれはきっとお友達として家族に不幸があったからの応援選考なのだろうと私は思っていて、その話を西崎さんがギターボーカルフルートなどを担当しているバンド、スイスカメラのボーカルとバイオリン、作詞作曲の梶山織江さんに言ったら、西崎さんは友達だからという理由だけでライターを選んだりする人ではありませんよ!作品を読んで決めています!とちょっと怒られて、それが優しくて涙が出たのも良い思い出。

この詩は他の投稿で落選。でもその時の選者小笠原鳥類さんが詩のリズムとテンポについて、ずっと同じって事はないでしょう?テンポを変えてみてというのが響いて(講評がとても勉強になったし毒もちょっとあって面白かった)推敲の時にこれはダダダダって16ビートすぎだな、ここで凪の言葉でブレイクというか休符にしたらいいかもと凪を書き足したら、それに対してマーサさんから良いコメントを頂けたので、凄い詩人のリレーに参加出来て間に入った1年生は高学年に助けてもらえたという感じです。

好きな詩人はたくさんいて、小笠原鳥類さんの詩、水中眼鏡で浅瀬にもぐったら水のぷくぷくという音と目の前を色んな魚が泳いでいくのを見つめているみたいな感触がするので、文字だけなのにそういう気配や感触がするの凄いし好きなのです。
小学生の頃、毎年福井県の海(野趣溢れる場所、太古に恐竜がいたのを感じる場所)で素潜りしてその時だけ野生児だった事を思い出します。
帰宅すると疲労から大体熱がでて喘息の発作で怒られて夏が終わるという・・・・。

東直子さんの水銀灯が消えるまでの文庫、好きすぎていろんなバッグに入れてて、なくしたと思って買い足してたら3冊も持ってる(笑)
コキリコピクニックランドの観覧車はいつも私の心の好きな遊園地の風景の中にある。

もう今年が終わってしまったような充実感。
いやだめ、後半もまだまだトキメキながら鳴きながら泣きながらでも投稿していきます(*^-^*)
読んで頂いてお時間頂いてありがとうございます!

追記  20230802
現代詩手帖2023年6月号でマーサナカムラさんと井戸川射子さんの対談、お二人の声が聞こえてきそうな生き生きとした対談だった。
その中でマーサさんがもし自分が母親になったら作品全部母性という枠に集約されたら怖いと話されていて、私もそう思うし今回の講評がその発言からの筋が通っていらして胸に沁みて嬉しかった。
母親と子という登場人物、東さんが言及して下さった子育て中の母親たちのモヤモヤしたエネルギーは本当にそれ、そのものを描いていてそこは間違いない、抜けてるとかあきさせないともやー嬉しかった!
そして更に育児の事だけではなくて日々思い通りにならない中で次からつぎへと肉体的にも思考的にも課題に対処しながら豪速で懸命に生きてる人達の様を寓話風に書いてみた。
マーサさんと東さんに色々伝わってよかったなーという気持ち。

ジュラのデュラン              
                石川小傘

西の空に給食着はたなびいて
もしかして寂しいかもしれない子の
ピンクやブルーのリボンもたなびいて
割れた卵でぬるぬる危険な
スクランブルエッグ交差点
とぼとぼ帰るひとり泣いてる子が見える 

アイロンをかけるママ母(ままはは)たちは
ダンとベルして汗まみれになりたいなれない
積乱雲のスコールを浴びて洗濯物を守り
清涼飲料水を飲みこむ 無糖!
屈強に焦がれて今夜も寝て落ちた

凪 

漆黒の海 ジュラのデュランと頭を垂れる
海竜の滴りに濡れて
洗濯乾燥機のモーターは回る
その音におののく遠くの水平線では
泥にまみれた白い布の邪悪な笑み 

疲れ果てたふくろうが捨てた
食べかけのねずみが朽ち果てる時
小さい人はまた一つ二つ知り 
シロクマ ヒグマの仕草で
出来ない事に癇癪を起こし
人形の首を外し お弁当箱に閉じ込めて
腐った匂いも封じ込め パンはカビた

「汝 さては何かを飛び越えるつもりか」

熱湯 洗剤 天日
熱湯 洗剤 天日

ママ母(ままはは)たちは 
はためいて豪速で飛んでいく 
全部振り乱して追いかける
交差点で旗を受け取る 
黄色い帽子が見えなくなるまで
擦り切れた旗を全部振り切り安堵する
アイロンを熱して振りかざして見せつける 
追いつかない追いつきたい 

憧憬そして焦燥
憧憬そして焦燥 
 
今日は諦めたと呟き 
くしゃくしゃの 良い香りの給食着を
ランドセルに押し込む

猫が轢かれちゃったと
泣いた子どもを掴んでさらう
瞬足で
やっぱりくっついてきた
あの子とこの子のゴーストの頭を
何度もなでて
霧と靄のパステルの国へ送り返す

またね

「汝 墨汁のついた給食着に乗って去れ
あとは私がひきうける」



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