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出会いの数だけ、別れもある

子どもたちの未来のために学校や教育について学び合う

こんにちは。賢明寺の大江英崇です。

私は最近、地域の仲間たちと「新しい学校を考える会」というコミュニティを立ち上げました。その理由は私の住む地域で大規模な学校の統廃合が計画されており、そのことについてみんなで考えてみたいと思ったからです。

私の住む福岡県豊前市(福岡とはいえ大分県に近い!)は急速に人口減少が進んでいます。そのため小中学校では児童数が減少し、なおかつ校舎も老朽化しつつあります。

そういった理由があって市内の小中学校の「大規模な統廃合」が数年後に予定されているのです。どれくらい大規模かというと市内すべての小中学校、なんと14校が関係するスケールです。おそらく、子どもたちを取り巻く環境がいっきに変化していくことでしょう。

多くの場合、こういった事業は行政主導で進んでいきます。今回の豊前市の学校再編計画も例にもれず大部分が行政主導となっています。

このような事業が進行しつつある時、わたしたちはどうしているかというと…たいてい、どうせ誰かがやってくれると「成り行きまかせ」でやり過ごしているように思います。

しかし、今回の学校再編計画は現在小学校に通っているウチの子どもたちも大きく関係する話です。ならば、成り行きまかせではいけない、どうせなら積極的に学校について考えてみようと思い仲間たちと「新しい学校の会」というコミュニティを立ち上げるに至ったのです。

出会いによって育てられる

さて、ここからが本題。

学校の会では毎月メンバーが集まって話し合いをしたり、意見交換の場を設けているのですが、そこには「価値観の遭遇による科学反応」と呼べるものがあります。様々な立場のメンバーが集まっているので、意見はさまざま。違うからこそ見えてくるものがあります。

とはいえ、基本的なスタンスとしては相手の意見を否定せず、聞くことを大事にしているのが会の特徴です。

話す内容としては、メンバーそれぞれが経験してきた学校での出来事や抱いているイメージについてシェアしたり、海外の先進的な教育の事例をメンバーに紹介してもらうこともあります。毎回、固定観念に対する新しい発見があってとても刺激的です。

こんな感じで自分自身も楽しみながらコミュニティを運営しているわけですが、この経験を通して改めて「人と話すっておもしろい」と感じています。

人と話すと私一人で考えていても出てこない発想がありますし、相手の意見を聞き合い、アイディアを掛け合わせることでこんなこともできそうと想像がふくらみます。

「みんな違ってみんないい」という金子みすずさんの言葉がありますが、違うからこそ、学びを深めることができるし新しいアイディアにも気づくことができるのだと思います。

人は人との出会いによってこそ、自分自身の感性が育てられるのだなと感じます。

別れによって深められる

しかしながらそうやって出会っていった人たちとも、やがては別れていかなくてはならないのが私たちの人生です。

人生には大事な人との死別や離別がありますが、人と出会って絆が深まったからこそ、別れが悲しくその人を想って涙を流すこともあります。

私も先日、親しくしていたご門徒さんとお別れをしました。

月参りでお宅にお邪魔して、おつとめが終わった後にお茶をいただきながらあれこれとお話する時間は私にとって楽しく大切な時間でしたので、もうその方と顔を合わせてお話することができないと思うと非常に寂しい思いがします。

こんなことがあると別れは来ないほうがいいとも思いますが、諸行無常の世の中、生まれたからには必ず死に別れていかなくてはならないのが私たちのありようです。

ですが、反対に別れがあるからこそ深められることもあります。

大切なあの人が亡くなった時は生きていた頃を思い出し、あんなこともしてくれたなぁと、ご恩の思い出をたどることができます。

また私自身がこの世を去らないといけないと分かった時には今という瞬間が光り輝いて一日一日を一瞬一瞬を大切にしなければならないと思うでしょう。

終わりがあるからこそ、いのちは尊いとも言えるのかもしれません。

お浄土はまたあえる世界

いくら終わりは必ず来るとはいっても、終わりのことばかり考えると気持ちが沈みがちになることでしょう。

そんな時はぜひ仏さまの話を聞いてみてください。

終わりがある私たちのこの世の生命ですが、仏教ではいのちは終わるとは言いません。

私たちのいのちはこの世の生命が尽きると(浄土真宗では)阿弥陀如来のおはたらきによりお浄土という世界に生まれ仏になると説かれます。終わると思っていた世界が終わらずに、広がりのある希望の物語に転じていくのですからこの教えは私たちの大きな心の支えになることでしょう。

しかも、お浄土は阿弥陀様のお救いにであった人同士が「またであえる世界」です。この世では別れていかなければならなかった人ともまた会える世界があるのです。

今月のことばは「人生は出会いによって育てられ 別れによって深められる」ですが、実は別れの先があるのです。

出会いに始まって別れで終わる人間の生命かもしれませんが、やがて仏になる私たちはけっして終わっていくいのちを生きているのではありません。

どうかそのことを希望として今の瞬間を大事に尊く生きたいものであります。

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#お寺の掲示板
#こうげそ

上毛組 (こうげそ) お寺の掲示板とは…

福岡県豊前市・上毛町・吉富町にある18のお寺でつくる浄土真宗本願寺派 (西本願寺) のグループ「上毛組」が、20年以上に渡って毎年制作している伝道ポスターです。仏教の教えや、仏さまのお心が伝わることを目指しています。

このコラムを書いたお坊さんは…

大江 英崇 (賢明寺 副住職) さん
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