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ちはるのファーストコンタクト

ファーストコンタクトは相互理解への第一歩。このマガジンでは、私が考えていることの第一歩をできるだけそのままの形で公開していきたいと思います。話題は、アドラー心理学、教える技術、研… もっと読む
毎週月曜と金曜にブログを書いています。それ以外の曜日では、過去記事の切り抜き、質問受け付け、本の紹… もっと詳しく
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記事一覧

3月は割と好き。いろいろなことが始まるから。

2017年3月15日 (水曜日はフリーテーマで書いています) 3月は割と好きな時期です。いろいろな新しいことが4月から始まるからです。 もちろんこの時期は卒業式をはじめとしていろいろなことが終わる時期でもあります。でも、それは終わるというよりも「一区切り」をつけて、次へのスタートという意味合いが強いのだと思います。 大学の教員は毎年卒業生を出しては、すぐに新入生を迎え入れるわけで、終わりのないサイクルとも言えます。卒業式では、その年で定年を迎えた教員が挨拶をします。そ

【アンケート調査】(10)量的なデータ分析:相関

前回は、量的なデータを分析する最初のステップとして「比較する」ということを説明しました。平均や値は、比較することによってさまざまな推理や考察をすることができます。そのときに出てきた平均の違いについて、それが属性によるものなのか、それとも誤差なのかを判定することを「検定」と呼びます。 今回は「関係を見る」ということを説明します。 関係を見るための最初のステップは、2つの変数の間の関係を調べることです。たとえば、2つの変数として、サークル満足度と大学満足度を取り上げるとすると

どんなときに「やる気」が起こるのか。

2017年3月14日 (火曜日は「教えること」のトピックで書いています) 勉強でも仕事でもスポーツでも、努力を必要とすることをしようと思うとき、どんな条件がそろうと「やる気(Motivation)」が起こるのでしょうか。 これがわかれば「あー、なんかやる気出ないなー」と言って、自分がやらなければいけないことになかなか手をつけられないこともなくなるでしょう。また、人に教えたり、指導する場合に、相手のやる気をうまく引き出すことができるでしょう。 ケラー(John M. K

【ブログ】北陸新幹線延伸記念で福井に遠征

2024年4月19日(金) 北陸新幹線が金沢から敦賀まで延伸した記念で福井に遠征した。敦賀は去年行っているので。平日昼間のはくたかにしては9割席が埋まっていた。外国人も多い。この便は、えきねっとのトクだ値30%割引で取れた。金沢で8割方が降りて、やはり金沢以降の延伸区間はそれほどの乗客数でもなかった。 福井1日目:市内を回る3時間半で福井駅。福井駅は新幹線駅らしく広く優雅になっていた。駅前は大きな円形のバスターミナル。動く恐竜は新幹線の前からあったけれども、一体新入りがい

日々のライフタスクでの決断の選択肢は自己理想に沿うように決める(ライフスタイル論#04)

2017年3月13日 (月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています) 前回は「ライフスタイル論」の3回目として次のことを書きました。  1. 自分の行動を決めるときに(無意識に)参照するライフスタイル辞書は、ストーリーによって記述されている。  2. そのストーリーには「自分がこのように行動すればうまくいくだろう」という目標が書かれていて、そのストーリーを実現したいと思っている(目的論)。 私たちは日々生きていく中で、多少なりとも決断しなくてはならないような課題に直

【本】ダン・レヴィ『ハーバード式Zoom授業入門:オンライン学習を効果的に支援するガイド』

2024年4月18日(木) 2021年7月12日 Zoom授業が普通に行われるようになりました。大学授業だけでなく、学会の大会や研究会などでもZoomは大活躍です。Zoomは、初めての人でもとりあえず使えることが最大のメリットです。 この本はZoomで授業をする人のために、意味のある活性化されたZoom授業をするためにどうしたらいいかということを具体例満載で書いています。 ただ教員のレクチャーを流すだけではなく、学生を巻き込んで授業を進めるためには、Zoomに備わって

せわしない雰囲気の3月という時期に心を落ち着ける。

2017年3月11日 (土曜日は昔のブログ記事を振り返って書いています) ショートレター論文投稿へフル回転2月は28日しかないからかどうか、あっという間に終わる。そして、3月のこの時期は、卒業式を頂点とする祝賀ムードと新年度への準備とが、双方入り交じった微妙な雰囲気で充満する。 この落ち着かない空気の中で、しかし論文は書く。というか書いてもらう。卒論と修論の良いものは投稿論文にしておきたい。日本教育工学会は、毎年この時期にショートレター論文特集号への投稿を受け付ける。

【質問】大家が晩年に書く奇妙な学術書/行動分析の学び方

2024年4月10日(水) 質問は「マシュマロ」からお送りください。匿名で送ることができます。 質問その道の大家の先生が晩年に書く奇妙な学術書について質問した者です。楽しみとしての読書なら一ファンとして楽しめそうなのですが、新規の学習者としてそうした本に当たると、大家の書いたものだから安心!と思って自分もそのまま突っ走ってしまいそうです。その分野の研究者も大家を無碍にはできずに絶賛レビューを書いたりしていて、若手研究者がその学説を本気にして査読に通らない例などもあるようで

【本】市川尚・根本淳子編著『インストラクショナルデザインの道具箱101』→インストラクショナルデザイン入門の1冊目として実用的

2017年3月9日 (木曜日はお勧めの本を紹介しています) 市川尚・根本淳子編著『インストラクショナルデザインの道具箱101』(北大路書房, 2016) ■要約インストラクショナルデザイン(ID)とは学びの「効果・効率・魅力」の向上を目指した技法とモデルの総称である。それを101個集めたこの本を眺めて、自分の現場に導入していけばあなたの教える技術は高まるだろう。 ■お勧めのポイントIDの技法とモデルを101個も集めたら、それをどのように分類、構造化して示すかというとこ

【アドラー教科書】(1) アドラー心理学の本の構成からその特徴を知る

2024年4月16日(火) アドラー心理学の教科書を書いていくときに解決しなければならない課題はその本の構成をどうするかということです。具体的には章立てをどうするかということです。章立てには、そのテーマ、つまりアドラー心理学の体系や理論を、どのように見ているか、そしてそれをどのように表現するかということが直接的に現れるからです。 そこで、今回はこれまでに出版されたアドラー心理学の入門書がどのような章立てになっていたかということを見ていきたいと思います。 アンスバッハー夫

【考え】在野の独立研究者っぽくなってきた

2024年4月15日(月) 教育心理学会(浜松, 9月14-16日)の原稿を書いて提出した。何度となく因子分析や重回帰分析をして、やっとまとまってきた。こういう作業をしていると心が集中して落ち着いてくる。やはりこういうことが好きなのだろう。 これからは指導する学生もいなくなるので、ただ自分の興味のおもむくままデータを取り、分析することを楽しんでいくのかな。在野の独立研究者っぽくなってきた。

【お題拝借】月に何冊本を読みますか/オススメの書籍は

2017年3月8日 水曜日はフリーテーマで書いていますが、「お題」を2ついただいていますので、それについて書こうと思います。 まず月に何冊の本を読むかという質問ですが、ちゃんと読んだと言える本は月に4冊くらいですね。ちゃんと読んだと言える本というのは、この「ちはるのファーストコンタクト」で紹介文を書けるくらいには読んだということです。 紹介したい本は読んだあとに決まった場所に積んであります。こんな感じです。現在紹介待ちが3冊あるという状態です。 紹介待ちの本が途切れな

「深める/広げる/育てる」の3つの層で活動していく。

2017年3月7日 (火曜日は「教えること/研究すること」のトピックで書いています) 自分の勉強や研究を考えるときに次の3つの層を考えるとよいのかなと思っています。 1. 深める   自分の専門を深めていく。その専門に特化する。   専門と自分の興味のベクトルを合わせる。 2. 広げる   自分の専門とそれ以外の領域やトピックを組み合わせる。   意味のあるニッチ(隙間)、ニーズのあるニッチを見つける。 3. 育てる   自分の専門とニッチの仲間を見つけ、協力する。

【雑談】あとは楽しいことだけだ

2024年4月14日(日) 授業がスタートした。私にとって最後の1年になるので、ゼミ生は最終学年だけになった。何かが終わるというのは、半分は感傷的な気分だけれど、半分はうきうきしている。何かを終えれば、別の何かを始めることになるからだろう。 授業やゼミを運営するのは、嫌いではなくむしろ好きな方だ。だけど、仕事や義務としてやらなければならない面倒な部分がなくなれば、あとは楽しいことだけだ。そして、本当にそれを必要としている人たちと一緒にやるということが、その場の雰囲気を限り