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ちはるのファーストコンタクト(2018年)

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2018年に書かれたマガジン「ちはるのファーストコンタクト」の記事をすべて収録しました。300本以上あります。
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2018年10月の記事一覧

【研究】態度や信念は自分専用のルールブックのようなもの

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。 前回は現場をよく観察して、重要な要因とアウトカムをみつけだすことが意味のある研究につながるということを書きました。 重要な要因の1つとして、個人が持っている態度や信念が挙げられます。そうした態度や信念は一定の行動傾向として現れてきます。逆に、一定の行動傾向として現れるその背後にあるものを態度や信念として定義することもできます。いずれにしても、その人がどのような態度や信念を持っているかということは、その人の行動を予測するた

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【教える技術】ゼミ生の個人指導の欠点は依存的になること

火曜日は「教える技術/学ぶ技術」のトピックで書いています。 以前、ゼミ指導はグループセラピーのようでもあるということを書いた。 ……したがってゼミで研究についての話をしていけば、いやおうなくその人の人生にまで届いてしまうというわけだ。それをある種のカウンセリングやセラピーのようだと言い換えられるだろう。ゼミの場合はグループでやることが多いので、グループセラピーとなる。 その一方で、伝えるべき知識とスキルはある。特にスキルとしての研究法は大学以外ではなかなか習得する機会が

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【アドラー心理学の実践】#05 アドラー心理学とは何か:質疑応答

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。 10月4日(木)から早稲田大学エクステンションセンター中野校で「アドラー心理学実践講座」(全8回)がスタートしました。この連載では、この講座の内容を同時並行でお伝えしています。講座に参加できない方にも、その雰囲気が伝わればいいなと思っています。 「アドラー心理学とは何か」というテーマで出てきた質問に答えていきましょう。 この講座では質問は「質問カード」に書いてもらいます。いただいたすべての質問に対して翌週の回で回答してい

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【フリー】60分から90分の長さの講演に入れるミニワーク

日曜日は皆様からの質問やテーマをいただいて「お題拝借」で書いています。質問は「Peing 質問箱」からお送りください。匿名で送ることができます。 https://peing.net/kogo 今回は、フリーテーマで書きます。 いろいろなところから講演や研修の依頼をいただいています。研修の場合は3〜6時間くらいの時間で注文が来ます。しかし講演の場合は60〜90分の長さの注文が多くなります。3時間以上の長さであれば、グループワークをいくつか入れることができます。しかし、60〜

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【経験と感じ】早稲田大学アカデミックソリューションの主催で「アンケート設計の基礎」を開きました:心理尺度の作り方がポイント

土曜日は最近の出来事の経験とその感じを書いています。 早稲田大学アカデミックソリューション (WAS) の主催で「アンケート設計の基礎」を開きました。WASは大学職員や医療従事者を対象にしたセミナーを開いています。私は、2014年からインストラクショナルデザインのセミナーを担当しています。そして2017年からはアンケート設計の基礎という4時間のセミナーを担当しています。今回はその2年目になります。 アンケートというと、見よう見まねで知りたいことを羅列すれば作れるような気が

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「授業・研修の設計」4本(2017年11-12月のnote記事より)

noteマガジン「ちはるのファーストコンタクト」を定期購読いただき、ありがとうございます。定期購読を開始してもその月より前の記事は読めませんので、定期購読者向けにときどき過去の記事をまとめて読めるようにしています。 今回は、2017年11-12月のnote記事から、「授業・研修の設計」についての記事4本をまとめてお届けします。 01 子どもに挙手をさせなくても良い授業は作れる。 02 2週間という社会人eラーニング向けのマジックサイクル。 03 専門としてのコトバを獲得し

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【本】K. J. ガーゲン『あなたへの社会構成主義』、『社会構成主義の理論と実践』:社会構成主義にどっぷり浸かるために

木曜日はお勧めの本を紹介しています。 前回はK. J. ガーゲン・M. J. ガーゲン『現実はいつも対話から生まれる:社会構成主義入門』(ディスガヴァー・トゥエンティワン, 2018)を取り上げました。 今回はそれに関連して、ガーゲンの本を2冊紹介します。紹介文は過去の私のブログからのものです。2000年代の私はガーゲンの社会構成主義に強く影響されていました。 K. J. ガーゲン『あなたへの社会構成主義』(ナカニシヤ出版, 2004)Invitationというタイトル

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【研究】要因とアウトカムについての見立てさえ的外れでなければ意味のある研究が成立する

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。 前回は「PICO/PECO」の中の介入(I)/要因(E)とアウトカム(O)が特に重要だということを書きました。たとえば、介入として「あやとりペアワーク」を考えたときに、もしそれがボケ防止に効果があるのであれば、それが効いているのは「あやとり」の要因なのか「ペア」の要因なのか、ペアならば同性でも効くのか、異性同士の場合のみ効くのかなどのさまざまな要因が絡み合っています。またアウトカム/効果をどのように測定するのかということも

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【教えること】ビデオコンテンツの制作はカムタジアを使っている

火曜日は「教えること/学ぶこと」のトピックで書いています。 講演で「私はビデオコンテンツを自分の研究室か自宅の部屋で収録しています」というと「どんなアプリを使っているのですか」という質問が来る。そのたびに「テックスミス社のカムタジアです」と答えている。実際その通りで、カムタジアで作ったビデオコンテンツはもう数百を超えているのではないだろうか。 カムタジアのダウンロード版はWin/Mac版とも3万円程度で気軽に買うことができる。これでいつでもビデオコンテンツが作れると思えば

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【アドラー心理学の実践】#04 アドラーが目指した “生きることの科学”

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。 10月4日(木)から早稲田大学エクステンションセンター中野校で「アドラー心理学実践講座」(全8回)がスタートしました。この連載では、この講座の内容を同時並行でお伝えしています。講座に参加できない方にも、その雰囲気が伝わればいいなと思っています。 前回は「心理学とは何か。何を目指していると思うか」というお題でワークをやりました。その回答としては「心や行動を理解する」や「人の気持ちや心理を理解する」という意見が代表的なものでし

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【フリー】良いコーチと打っている時は自分が上手くなったように感じる

日曜日は皆様からの質問やテーマをいただいて「お題拝借」で書いています。質問は「Peing 質問箱」からお送りください。匿名で送ることができます。 https://peing.net/kogo 今回は質問がないので、フリーテーマで書きます。 今回はテニスの話です。私はテニススクールに入っています。レッスンの時間はコーチと打つ時間があります。コーチと打っている時は不思議なことに自分が上手くなったように感じます。反対に、レッスンメンバーと打つときは逆に自分が下手になったように感

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【経験と感じ】教育工学会研究会@日本福祉大学にて発表しました

土曜日は最近の出来事の経験とその感じを書いています。 日本教育工学会の研究会が日本福祉大学東海キャンパスでありました。日本教育工学会は年に5回の研究会を開いています。研究会では一件あたり24分の持ち時間で発表できますし、論文原稿も4〜8ページの分量で書くことができます。ですので、論文を書くにも、口頭発表するにも良い機会になります。ここで発表する権利を得るだけでも教育工学会に入会する価値はあると思います。 なお、2019年度からは3月の研究会が昇格して春の全国大会になります

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「授業・研修の設計」4本(2017年10-11月のnote記事より)

noteマガジン「ちはるのファーストコンタクト」を定期購読いただき、ありがとうございます。定期購読を開始してもその月より前の記事は読めませんので、定期購読者向けにときどき過去の記事をまとめて読めるようにしています。 今回は、2017年10-11月のnote記事から、「授業・研修の設計」についての記事4本をまとめてお届けします。 01 テストとはその人の不十分なところを発見して、完全習得を支援するためのもの。 02 学習者からの要請があったときだけ手助けに入るプロクターが自

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【本】K. J. ガーゲン・M. J. ガーゲン『現実はいつも対話から生まれる:社会構成主義入門』:個人主義から関係性の世界へ

木曜日はお勧めの本を紹介しています。 今回はK. J. ガーゲン・M. J. ガーゲン『現実はいつも対話から生まれる:社会構成主義入門』(ディスガヴァー・トゥエンティワン, 2018)を取り上げます。 ■要約私たちの目の前にある現実は自分が存在する以前からある自明のものに見える。しかし、社会構成主義では、私たちがそれを現実として見るときは常にある1つの文化の伝統から話していると考える。たとえば人の死を、「身体機能の停止」「天国に行った」「生の苦しみから解き放たれた」「生ま

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