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【アドラーオンライン】23 共同体感覚とは自己への関心から他者への関心への拡張

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。しばらくアドラーオンラインの内容で書いています。ビデオと質疑応答で学ぶ「アドラーオンライン(note版)」もお試しください。現在ここで連載しているアドラー心理学の記事もまとめて読むことができます。

前回は、個人は社会的文脈・歴史的文脈の中でのみ理解できるということをいいました。これを、社会統合論と呼びます。人は社会と共同体の中に埋め込まれている存在だということです。その上に立って人生の生き方を自分で決めることができるのです。

共同体感覚(Gemeinschaftsgefühl, community feeling, social interest)はアドラー心理学の中心概念であり、思想でもあります。アドラー心理学が思想であるというのは、共同体感覚という概念を提示した上で、「人々は自分の共同体感覚を育てるべきだ」と主張しているからです。

共同体感覚とは、自己への関心(self interest)から他者への関心(social interest)に拡張することです。私たちは自己への関心は生まれながらにして持っています。なぜなら自己への関心がなければ生き延びることができないからです。まず生き延びるために自分のことに関心を持たなければなりません。自分はどのようにふるまえば、他の人から関心を持ってもらえるか、助けを得られるか、評価してもらえるか、ということを考えなければ自分は生き延びることができません。

そのようにしてだんだんと自分はこれでやっていけそうだという自信が持てます。自立できるということです。自立できるという自信が持てるようになると、これまで自己にむけてきた関心を他者に振り向けることができるようになります。これが共同体感覚です。これまで自分を中心として世界を見てきた見方を、自分を含めた共同体を中心としてみるようになることです。

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