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日本の学校における授業研究という文化の功罪

広島県尾道市立向東(むかいひがし)小学校での授業研究会に呼ばれて参加してきました。向東小学校に呼ばれるのは、2016年6月と9月に続き、3回目となります。今回は、国語(4年生)と算数(6年生)の授業を見せていただいて、そのあとに先生方の研究協議会で話をしました。

私は、さまざまな大学からはFD/SDのテーマで、また、病院、企業、専門学校からはインストラクショナルデザインのテーマで講演や研修を引き受けています。しかし、小学校や中学校、高校からはほとんど依頼がありません。その中で、向東小学校から呼ばれて、授業を見せてもらうことは私にとって貴重な勉強の場です。

このように学校の授業を先生同士が見学して、お互いの授業をよりよくしていこうという運動は日本の学校に特有の文化です。この活動は「レッスンスタディ」という英語に翻訳されて、海外の教育研究者にも注目されてきています。私もこのレッスンスタディ(授業研究)の現場に、大学の研究者という立場で入らせていただいて何回か見てきました。

その中で確信に至ったことがあります。それは授業研究には良い面が多いということと、それにもかかわらず、学校文化に基づく特有の教え方を強固なものにしてしまい、新しい教え方が全く導入されないというリスクがあることです。学校での教え方には、インストラクショナルデザインを導入する余地がたくさんあるということを確信しました。それによって授業はよりよくなるでしょう。具体的にはこれから提案しつつ、検証していきたいと思っています。


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