【アドラー心理学の実践】#10 “所属”とは何か

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。10月4日(木)から始まった早稲田大学エクステンションセンター中野校での「アドラー心理学実践講座」(全8回)が終了しました。この連載では、この講座の内容をお伝えしています。講座に参加できなかった方にも、その雰囲気が伝わればいいなと思っています。

今回は「”所属”とは何か」というトピックです。

所属(Belongingness)はアドラー心理学では基本概念です。人は常に所属を求めていると考えます。なぜなら1人では生きていけないからです。そのために何らかの共同体に所属しなくてはなりません。生まれて最初に所属する共同体が家族です。赤ちゃんにとってはまず家族に所属して安全に養育されていくことが必要です。そのあとは所属する共同体が広がり、友人からなる遊びの共同体であったり、一緒のクラスで学ぶ共同体であったりします。そのあとは、仕事を共にする職場の共同体に所属することになります。

そのほかには、町内会のような地域の共同体や趣味を同じくする共同体などがあります。このように私たちは複数の共同体に所属して協力し合い、助け合って生きています。あなたが所属している共同体にはどのようなものがあるでしょうか。書き出してみて、それを重要と思われる順番に並べてみましょう。多くのケースでは家族が一番重要な共同体になるでしょう。それに続く共同体はバリエーションがあるでしょう。ある人は同じ趣味の仲間が大切だと思うかもしれませんし、別の人は職場の共同体が大切だと考えているかもしれません。

ある共同体への所属がうまくいかないと問題が起こります。ある人は、自分がその共同体に所属するためにさまざまな策略を練るかもしれません。また別の人は、自分が所属できないくらいならその共同体を破壊してやると決心するかもしれません。

自分がある共同体に所属できているかどうかはいくつかの材料によって判断されます。1つは共同体にいる他者からの評価です。自分が共同体内の他者から承認されていたり、尊重されていれば、自分は共同体の中に居場所があると感じるでしょう。また同じ共同体にいる他者と自分を比較することで自分が所属できているかどうかを判断することもあります。共同体の中で自分が他者と同じように扱われていれば所属できているという感じを持つでしょう。

しかし、こうした判断は共同体内の他者に依存しています。そのため不安定です。自分の所属を他者の判断に任せてしまっているからです。他者に依存しない判定として、自分の理想としていることと、その共同体が掲げている理想とがどれくらい一致しているかを見るという方法があります。両者がかなり一致していれば、自分はその共同体に所属しているという感覚を持つでしょう。しかし、一致していなければその共同体は自分の生きていく方向とは違うように思えてくるでしょう。そうすると所属しようとする意欲もなくなってくるでしょう。

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向後千春

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