11-アドラー

【アドラー心理学入門】#09 エピソード分析では言葉のやりとりと情動が鍵

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。表紙画像はShiraishi Kohkiさんのものです。
https://note.mu/kohki_shiraishi

アドラー心理学にアプローチする道のりとして次の5つの種類を提示しています。前回から「(3) 治療技法」に入りました。

(1) 5つの基本前提
(2) 3つのキー概念
(3) 治療技法
(4) 応用領域
(5) 現代心理学へのつながり

アドラー派特有の技法は、早期回想とエピソード分析です。前回は、早期回想について説明しました。早期回想(early recollections)というのは人生の最も早い時期のエピソードの記憶です。この早期回想からその人のライフスタイルとそれを支えている「私的感覚(private sense)」を共同で明らかにして行きます。そして可能であれば、そのライフスタイルと私的感覚を共同体感覚に近づくように変えていこうとします。これがすべてのアドラー派の方向性です。

「共同体感覚に近づく」とはどういうことかというと、別の文脈の言葉で言えば「市民 citizen」になるようにするということです。市民とは、自立して自己決定できる人であると同時に社会の一員としてコミュニティに所属し、協力できる人のことです。

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