【研究】因子分析という手法の目的と意味

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。

前回は、態度や信念を多次元で見ることのメリットについて書きました。そのメリットは複数次元によるプロフィールを描けるということです。

では、態度や信念を調べるために多数の質問項目によるデータをとったあとに、どのようにすればそれらの項目を少ない数の複数次元にまとめることができるのでしょうか。このための統計手法を因子分析と呼びます。因子分析とは、たくさんの項目の中で働いている軸(次元)を重要な順番に取り出していく方法です。

私と冨永敦子さんが書いた『統計学がわかる 【回帰分析・因子分析編】』(技術評論社, 2008)では、アイスクリームの例を出しながら因子分析を説明しています。

クッキー、マカダミアナッツ、ミント、あずき、チョコチップ……のような全部で13種類のアイスクリームに対して、非常に嫌い (1) から非常に好き (9) までの9段階で回答してもらいました。このデータを因子分析することによって、(1) 和風系因子(マロン、あずきなど)、(2) ミント系因子(ミント、チョコミント)、(3) チョコ系因子(チョコチップ、チョコレートなど)、(4) ナッツ系因子(ウォールナッツ、マカダミアナッツなど)の4つの因子にまとまることがわかりました。

このように多数の項目を因子分析することによって、それを少数の次元(因子)で説明することができるようになります。このアイスクリームの例で言えば、13種類の味のアイスクリームが4つの次元(因子)でおおよそ説明できることがわかりました。

もちろん4つの因子ですべてが説明できたわけではありません。上の表の累積寄与率というところをみると56%と書いてありますので、全体の半分くらいの56%が説明できているということがわかります。それでも実用上は問題ありません。その代わり、13項目全てを扱う代わりに4つの因子を扱えばよくなります。これは簡便性の意味で大きなメリットです。これが因子分析という解析手法を使う目的です。

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向後千春

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