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【アドラーオンライン】10 自尊心は3つの方法で作られる

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。しばらくアドラーオンラインの内容で書いています。ビデオと質疑応答で学ぶ「アドラーオンライン(note版)」もお試しください。現在ここで連載しているアドラー心理学の記事もまとめて読むことができます。

前回は、自分とより優れた他者を比較すると、自己概念を維持しにくくなるため、「あの人に比べると自分は全然ダメだ」というような感覚が生まれることを言いました。これを「劣等コンプレックス Inferiority Complex」と呼びます。コンプレックスを使って、自分自身の課題を回避しようとする場合があります。これを「自己欺瞞 Self-deception」あるいは、ドイツ語で「人生の嘘 Lebenslüge」と呼びます。生きていくための課題を避けることは、見かけが良くないので、自分に嘘をつき、外見を取り繕うのです。

さて、自己理想を持つ限り、現実の自己概念への落差を感じざるをえません。それが劣等感となります。しかし、劣等感を日常的に感じていても、常に打ちひしがれているわけではありません。それは、私たちが自分自身を何らかの基準で評価していて、それが自分自身に対する肯定的な態度を形成していると考えられるからです。この態度を「自尊心 Self-esteem」と呼びます。

自尊心は3つの方法で作られます。1つ目は、他者との比較です。私たちは、ある基準で自分と他者とを比較します。そして自分が比較した相手と同等、あるいは優っていれば、安心していられます。たとえば「私はあの人よりも、頭がいい/学歴がある/美しい/スタイルがいい/健康だ/スポーツができる/お金を持っている/階級が上だ/気前が良い/やさしい/気がきく/友人が多い/影響力を持っている/地位が高い……」というようなことを確認すると自尊心が維持されます。そうでないと自尊心が脅かされます。

2つ目はこれと同様な内容で、他者から評価されることです。相手から「あなたは、頭がいい/学歴がある/美しい/スタイルがいい/健康だ/スポーツができる/お金を持っている/階級が上だ/気前が良い/やさしい/気がきく/友人が多い/影響力を持っている/地位が高い……」というようなことを言われれば自尊心が維持されます。

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