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【アドラー実践】04 社会に埋め込まれている私たち:グループダイナミクス

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。
早稲田大学エクステンションセンター中野校で、10月3日(木)から「アドラー心理学実践講座(全8回)」が始まりました。これに合わせてしばらくの間、アドラー心理学実践講座の内容で書いています。

人間の見方についてのアドラー心理学の理論的枠組である「5つの基本前提」を紹介しています。前回までに目的論と全体論を説明しました。今回は、3番目の社会統合論です。

社会統合論 (Social Embeddedness) は、人は一人では生きていけず、共同体を作って生きていくので、人と人との関係性、つまり対人関係が重要であるという主張です。Social Embeddedness とは「社会に埋め込まれた」という意味です。

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これは全体論とも関わりがあります。つまり、心と体を1つの全体として考える方法は、それを拡張すれば、複数人が構成する共同体も1つの全体として考えられるということです。たとえば、家族は親と子供から構成されています。そしてそのように構成される家族が1つの全体をなしているのです。

この考え方は、アドラーとほぼ同時代人であるクルト・レヴィンがグループダイナミクスと呼んだものに相当します。レヴィンは社会心理学の父と呼ばれ、1945年にMITにグループダイナミクス研究所を創設しています。

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