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【アドラーオンライン】09 他者と比較することはコンプレックスを生む

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。しばらくアドラーオンラインの内容で書いています。ビデオと質疑応答で学ぶ「アドラーオンライン(note版)」もぜひお試しください。

前回は、アドラー心理学における重要な概念「劣等感」について説明しました。私たちは、自己理想を目指して目標の追求をすることで、努力し、成長していきます。このとき、自己理想から自己概念(今の自分像)には落差が生まれます。このことによって、自然に劣等感が生じます。劣等感は特別なものではなく、どんな人でも同じように感じています。

アドラー心理学のいう劣等感は、自己理想から自己概念への落差によって生じます。したがって、今の自分と比較するのはあくまでも自己の理想像です。しかし、私たちはしばしば他者と比較をしてしまいます。つまり、自己理想を追求するのではなく、自分と他者とを比較してしまうのです。

自分と他者を比較するとどうなるでしょうか。自分より優れた人は必ずいるので、自己概念を維持しにくくなります。「あの人に比べると自分は全然ダメだ」というような感覚です。これを「劣等コンプレックス Inferiority Complex」と呼びます。

コンプレックスというのは、本来実体がないものが、実体化されたものという意味です。劣等感はあくまでも「感じ」であり「フィーリング」ですので本来は実体がないものです。しかし「あの人に比べると自分は全然ダメだ」というコトバにしてしまうと、まるで実体化したもののように扱われます。

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