2-教える技術19

【教える技術】「生涯学習力」として自己調整学習を捉えるといいんじゃないか

火曜日は「教える技術/学ぶ技術」のトピックで書いています。

このあいだの教育心理学会での自己調整学習のシンポジウムを聞きながら考えたことをメモしておきます。

医学系の先生が「PBL (Problem/Project-Based Learning) が一時期流行ったけれども、日本の医学部ではカリキュラムから外すところが多くなっている」という発言を何気にしていたのは衝撃だった。そうなんだ。そして、さらには「PBLをやっても自己調整力は伸びないようだ」とトドメを刺しにきた。

デイジー・クリストドゥールー『7つの神話との決別』の一節を思い出す。

「教師主導の授業により生徒は受け身になる」というのは神話に過ぎない。1/3の大学生が自主的に学ぶことに苦労している。自律性を達成するための最善の方法は、自立して学ぶことではない。教師による教えは自立した学習者になるために必要である。人類が時間をかけて収集された情報を「もう一度発見する」のは意味がない。ニュートンが言ったように、私たちは巨人の肩の上に乗ることによって学ぶのだ。

そういうことだ。プロジェクトのようなものをやったとしても、どのようにプロジェクトを運営すればいいのかを学ぶことはできない。学ぶべきことは、プロジェクトの運営の方法ではなく、プロジェクトを意味のあるものにするにの必要な基礎的な知識と技能なのだ。プロジェクトの成否はそこにかかっている。議論やコミュニケーションやチームワークの方法はプロジェクトを成功させる中核ではないのかもしれない。

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