3-コラム用

【研究】態度や信念を多次元のものとして測る

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。

前回は、態度や信念を測定するための良いものさしには信頼性と妥当性が必要であることを書きました。信頼性とは、測りたいものを安定して測れるかどうかということです。妥当性とは、本当に測りたいものを測れているかということです。

では本当に測りたいものを測るためにどのような工夫が必要でしょうか。前回幸福度を測るために「あなたはどれくらい幸福ですか?」という質問1つだけで測ることの問題点を挙げました。それは回答者によって思い浮かべる内容がさまざまだということです。ある人は、生活が平穏無事にできていることを思い浮かべるかもしれません。一方、別の人は、生活が刺激的でエキサイティングなことで満ちていることを思い浮かべるかもしれません。これは裏を返せば「幸福」という概念にいくつかの違った要素が含まれているということです。このことから1つの態度や信念を複数の質問によって測ろうというアイデアが生まれてきます。

たとえば「怒りっぽさ」という態度を測りたいとしましょう。怒りっぽさというのは比較的単純に測れそうな気がします。たとえば「あなたはどれくらい怒りっぽいですか?」というような質問で測れそうです。しかし、落ち着いて考えてみると、怒りっぽいということには、「すぐにカッとなる」というような怒りっぽさと、「なかなか怒らないんだけど、一度怒るとずっとそれを根に持つ」というような怒りっぽさがあるような気がします。つまり怒りっぽさには少なくとも2種類あるのではないかということです。

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