【お題拝借】きちんと学ぶには大学院へ行くしか勉強方法はないでしょうか?

土曜日は昔のブログ記事を振り返って書いていますが、質問が来ていますのでお答えしたいと思います。

Q#09 きちんと学ぶには大学院へ行くしか勉強方法はないでしょうか?

コメント欄からの質問です。このときの記事は「【本】市川尚・根本淳子編著『インストラクショナルデザインの道具箱101』」でしたので、「インストラクショナルデザインを学ぶには大学院か?」という文脈での質問と思います。

ここでは「どんな専門であっても何かをきちんと学ぶにはどんな方法があるか」について答えたいと思います。これは特に社会人となっている人が、何かを専門としてきちんと学ぶ必要性がこれからますます大きくなっていくということが予測されますので、重要な課題です。

その方法は以下のようなものが考えられます。

 1. 大学院に行く
 2. 大学エクステンションに行く
 3. 自学する
 4. 研究会に入る、あるいは作る

順に説明していきます。

まず、大学院に入学して学ぶ方法です。欠点は学費が高額なことと、通学が必要なことと、必ずしも直接必要ではない科目も取らなくてはならないことです。もし通信制大学院であれば、学費は安価になり、通学も最小限に抑えられます。

注意する点は、まず師事したいと思えるような教員を探すことです。それが見つかってから、その教員が所属している大学院を目指すようにすれば間違いがありません。大学院に入ってから師事したい教員を見つけるのでは遅いと思います。

2番目として、大学エクステンションに行く方法があります。たいていの大学ではエクステンションセンターを持っていて、さまざまな科目のコースを開いています。その科目は、趣味的なものやビジネス的なものも入っていますが、専門的なものの入門コースもあります。そのコースが自分のニーズに合ったものであれば通う価値があるでしょう。

3番目は、自学するということです。一人で勉強を進めるというのは強い意志力が必要です。しかし現代は自学しようとする人への環境は整っているのです。荒木優太の『これからのエリック・ホッファーのために:在野研究者の生と心得』という本を読むと、独立した研究者になるための道のりが書いてあります。大学の研究者との付き合い方も書いてありますので参考になります。

4番目は、研究会に入る、あるいは自分で作ることです。自学するときの危険は独りよがりになってしまうことです。同じ指向性を持った仲間を募り、研究会を作ることができれば、その中で議論しながら成長することができるでしょう。そのような研究会があれば、探して入ることです。あわなければやめればいいのです。あるいは自分で研究会をおこすのもいいでしょう。気軽に始めることです。

最後におまけで書いておきます。

私が今、仲間と企画を考えているものとして「おとな学部」があります。比較的短期間に特定のトピックについて学び、その証拠としてナノディグリー(小さな学位)を出すというものです。インターネットでビデオ配信をして、オンラインで議論をしながら学習を進めていきます。

これはMOOCs(Massive Open Online Courses, 大規模オープンオンライン講座)に対して、SPOCs(Small Private Online Courses, 小規模プライベートオンライン講座)と呼ばれているeラーニングの形態です。ファシリテーターを入れて小規模な学習コミュニティを形成できるように工夫するところがMOOCsとは違うところです。

もうすぐプランを固めて公表できると思いますので、今しばらくお待ちください。

来週の日曜日の「お題拝借」のお題を募集しますので、お気軽にどうぞ。たとえば、「○○についてどう思いますか」や「一番好きな○○はなんですか」のようなお題をいただければそれについて書きたいと思います。

お題を送るには、下のコメント欄に書き込むか、あるいは一番下の「クリエイターへのお問合せ」からメッセージを送ることができますので、お気軽にどうぞ。お待ちしております。

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向後千春

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向後千春

早稲田大学人間科学学術院教授。博士(教育学)(東京学芸大学)。専門は、教育工学、教育心理学、インストラクショナルデザイン、アドラー心理学。ちはる塾主宰:http://cricenter.wordpress.com/

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コメント2件

質問への回答ありがとうございました。週末研究者やナノディグリーの記事を拝見していて、働きながら子育て中の私にとって、本当にそのような学びのスタイルがあればいいなぁと思っており、専門分野を学ぶにはどんな方法があるのかが知りたかったのです。おとな学部、楽しみにしています。
こちらこそ考えるいい機会を与えていただき、ありがとうございました。
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