4-お勧めの本

【本】日向野幹也『高校生からのリーダーシップ入門』:リーダーシップ教育のポイントを伝える

木曜日はお勧めの本を紹介しています。

今回は、日向野幹也『高校生からのリーダーシップ入門』(ちくまプリマー新書, 2018)を取り上げます。

■要約

リーダーシップとは「何らかの成果を生み出すために、他者に影響を与えること」と定義できる。長い間、それは権限のもとでの良い命令の出し方であったけれども、近年では「権限によらないリーダーシップ」を身につけることが誰にとっても必要となってきた。リーダーシップの態度とスキルは訓練次第で誰にでも身につけることができる。

■ポイント

リーダーシップの3つの要素とは次のとおり。

(1) 目標設定と共有
「これを実現しよう」「これを解決しよう」という目標がグループ内にあることが必要。そして、それがメンバーに共有されていること。

(2) 率先垂範
目標の達成に向けて自分から行動し(率先)、それによってまわりのメンバーに模範を示す(垂範)こと。

(3) 同僚支援
他のメンバーに模範を示しても動いてくれないときは、他の人が動ける状況を作る。

このようなことを練習する場として、部活動や授業、アルバイトを活用する。その中で、まず行動し、その行動に対してお互いにフィードバックをする。フィードバックに基づいて改善をしていく。

フィードバックのやり方を練習するのは重要。フィードバックを待っているのではなく、自分からフィードバックをもらいにいくという姿勢を身につける。それに対してはじめはポジティブなフィードバックからしていく。そのときにSBIの要素を盛り込む。「どういう状況 (Situation) の時に、どのような行動 (Behavior) をしたので、こんな影響・効果 (Impact) があった」の形式を使うと良い。

嫌いなメンバーであっても、なんとか目標を達成するのがリーダーシップである。リーダーシップの3要素が機能していれば、嫌いなメンバーがいたとしても目標を達成できる。逆に言えば、メンバー同士の相性に左右されることなく結果を出していくのがリーダーシップの実践となる。

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