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【アドラーオンライン】22 その人がどんな人かは社会生活という文脈の中でどう行動しているかを見ればわかる

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。しばらくアドラーオンラインの内容で書いています。ビデオと質疑応答で学ぶ「アドラーオンライン(note版)」もお試しください。現在ここで連載しているアドラー心理学の記事もまとめて読むことができます。

前回は、生きていく中で自分をどのように使っていくかが問題だということをいいました。自分の人生をどのように生きていくかは自分自身で決めることができます。しかし、いつの時代にどこに生まれるかは自分で決めたわけではありません。それは私たち一人ひとりに与えられた条件なのです。その上で人生の有益な側面で行動することです。それはつまり共同体のメンバーと協力することです。

このように個人は自分が生きる時代と場所と社会を選んだわけではありません。それは与えられたものなのです。そして個人を理解するためには、こうした社会的文脈と歴史的文脈から切り離してはできません。このことを「社会に埋め込まれている(socially embedded)」と呼びます。アドラー心理学の見方はこれに従って「社会統合論(social embeddedness)」と呼ばれています。

アドラー心理学はその基本前提として社会統合論の立場をとります。社会統合論に対立する人間の見方は「精神内界論」です。フロイトはこの立場をとりました。人間を成り立たせているのはその精神であり、しかもその精神は意識できる部分と、意識できない部分、つまり無意識(unconsciousness)から成り立っていると考えました。その無意識は定義として「意識できない部分」ではあるものの、フロイトは自由連想法によって、その深層心理を明らかにすることができるとしました。このため、フロイトの心理学は深層心理学(depth psychology)と呼ばれることもあります。

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