ミエナイチカラ

小さな達成感があった日だった。
本当に本当に小さなことだが、それでもうれしかったので書いておきたい。

今日は用事があったのだけど、いつもくる体調の波、少しばかり下向きになってしまってキャンセルしようかどうかしばらく葛藤した。
それでも、この落ち込みは一過性のものだし、ここで行かなかったらまた自己嫌悪になりそうだったので、頭の中で、それこそ清水の舞台から飛び降りるつもりで決心し、その用事に向かうことにした。
外に出ると日射しが刺し、ジリジリと暑い。
身体も重く、頭もぼーっとする。
それでも、右、左と荷物を担いで歩き出す。
頭の中で、大丈夫、だいじょうぶと何度も唱えながら進んだ。
いつの間にか、独り言でも大丈夫だと、小声で言っていた。
大丈夫、大丈夫、大丈夫…。
傍から見ればギョッとする光景だが、挙動不審な松岡修造だと思って許してほしい。
何度か引き返したくもなったが、そのたびに自分に大丈夫だと言い聞かせ、何とか予定の行事に出席することができた。

予定を作り、参加する。
ただそれだけ、たったそれだけのことでもままならないことがある。
そんな簡単なことだからこそ、できなかったときの心への打撃は大きい。
これまでも、当日の体調の悪さを理由に、何度も予定をキャンセルしてきた。
だけれど、今回は、体調の悪さを自力で跳ね除けて、参加するということが達成できた。
文字通り、達成感が今この体を包んでいる。
気の持ちようをだけではどうしようもないときもあるが、それでも、自分で気持ちを保とうとすることができた。
いつもの弱気な自分に、病気に勝てた気がして、たまらなく嬉しかった。

この暑さも、流れる汗とともに少しばかり心地よかった。

ああもう読んでくれただけで嬉しいです。 最後まで見てくださってありがとうございました!