尿路感染症

こんにちは。田舎の大学病院の研修医のKoheiです。

今日の症例は68歳の女性で受診前日から嘔気と倦怠感で受診されました。発熱、血圧低下を認めており、敗血症が疑われました。血液検査では炎症反応の上昇があり、尿の混濁も認めておりました。CTを撮影しましたところ左の尿管に結石があり、結石に伴う尿路感染症と考えられ、尿路感染症に伴う敗血症性ショックと考えられました。メロペネムによる加療で改善しており、経過良好でありました。

今日は尿路感染症に関して勉強します。

尿路感染症が基本的に除外診断です。検査としては尿培養やグラム染色があります。尿定性では白血球反応が感度特異度共に7、8割程度で有効です。尿培養は診断基準として10の5乗CFU /mlが一般的に用いられます。起因菌のほとんどが好気性グラム陰性桿菌です。多くは大腸菌で、尿培養で出てしまうフェイクの菌としては腸球菌、カンジダ、ブドウ球菌があります。

治療薬としてはST合剤、セフメタゾール、ピペラシリン/タゾバクタムを主に使えば良いと思います。

尿路感染症に関して臓器分類をすると膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎等があります。上記の他には尿道炎や精巣上体炎があります。今回は上の三つに関して勉強します。

まず、膀胱炎ですが、女性に多く、症状としては頻尿、排尿時痛、尿意切迫があります。基本的には培養は不要(繰り返す場合と妊婦は培養する)です。治療は三日間で大丈夫です。

次に腎盂腎炎の症状としては悪寒、発熱、CVA叩打痛、しばしば悪心、嘔吐があります。72時間ぐらい解熱しない事も多いです。治療期間は10日から14日です。

前立腺炎は急性と慢性があります。高齢男性の発熱の鑑別として重要です。比較的長期間の加療が必要で4−6週間になります。膿瘍形成が起こっていないかに注意しましょう。

今日は以上です。読んでいただきありがとうございました。



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