SIADHについて

こんにちは。田舎の大学病院の研修医のKoheiです。

高齢の患者様の低ナトリウム血症はよく経験するように思います。原因として摂取不足や利尿薬、薬物性など様々な理由がありますが、低ナトリウム血症の原因としてSIADHがあり、今日はSIADHについて書きたいと思います。

まず、SIADHの診断基準についてですが、

①血清ナトリウム濃度は135mEq/L以下②血漿浸透圧は280 mOsm/kg以下
③低ナトリウム血症、低浸透圧血症にもかかわらず、血漿バソプレシン濃度が抑制されていない。④尿浸透圧は100mOsm/kgを上回る。⑤尿中ナトリウム濃度は20mEq/L以上である。⑥腎機能正常⑦副腎皮質機能正常

があります。

ただ、当然上記の際には心不全やネフローゼ等がないのが前提であるため心不全等の検索は必須です。

次に治療ですが①から順に行っていけば良いと思います。

①原疾患の治療。②1日の総水分摂取量を体重1 kg当り15~20 mLに制限。③食塩を経口的または非経口的に投与。④重症低ナトリウム血症(120 mEq/L以下)で中枢神経系症状を伴うなど速やかな治療を必要とする場合はフロセミドを随時10~20 mg静脈内に投与し、尿中ナトリウム排泄量に相当する3%食塩水を投与。その際、浸透圧性脱髄症候群を防止するために1日の血清ナトリウム濃度上昇は10 mEq/L以下。補正しすぎた場合には戻す事も検討する⑤ 異所性バソプレシン産生腫瘍に原因し、既存の治療で効果不十分な場合に限り、成人にはモザバプタン塩酸塩錠(30 mg)を1日1回1錠食後に経口投与する。投与開始3日間で有効性が認められた場合に限り、引き続き7日間まで継続投与することができる。

私が経験した症例は誤嚥性肺炎等が多く、大抵は肺炎等の改善でよくなるように思います。MRHE、SWSも鑑別に挙がってくる事がありますので原因不明の時はそれらの評価も行っていきましょう。

今日はここまでです。また読みにきてください。

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