見出し画像

#68 ハートドリブン~機能的価値を越える~(2024/04/14)

ジブンの欲望に素直になろうというテーマのやりとりの中で「ハートドリブン」という本を紹介いただきました。
自分の感情との付き合い方を見直す時に読みたい本ということで、気になって読んでみました。

著者の塩田元規さんは「アカツキ」という会社の創業者で、アカツキは「人の心を動かす素晴らし体験を提供して、一人ひとりの人生を豊かに色づけていくこと」を仕事として定義しています。

アカツキはSOTOASOBI(現在はアソビューの子会社となっている )というアウトドアレジャー専門予約サイトを運営しており、私も利用経験があるためさらに興味が強まりました。

〇合理的に見える経歴とハートを大切にするギャップ?

塩田元規さんの経歴は、大学では情報工学を学び、大学院でMBAを取得、新卒でディー・エヌ・エーに入社、1年目の後半には当時最年少でマネージャーに抜擢され、2年目にはディレクターとして事業部の戦略を考える役割も担っていたとのこと。

さらにアカツキの2018年度決算は通期売上281億円、営業利益136億円ととてつもない業績を実現している。

ものすごく合理的にキャリアを形成し、創業した会社を大きく成長させたように思えるのに、「ハートドリブン」と感情を大切にしているということに、ギャップがあるように感じました。

しかし、本書を読み進めると、圧倒的な合理性の上に感情を乗せられると、無限大の力を生み出すことが出来るということがわかります。

例えばiPhoneを作っているアップルは感情にうったえる価値を中心としたことで卓越した企業になれたということにも繋がります。

〇ハートドリブンの実現を分かち合う本

本書は上場企業のCEOである塩田元規さんのサクセスストーリーでも、成功のためのHow to本でもなく、筆者の葛藤や苦しさをさらけ出し、筆者の感じたことを"感じて、分かち合う"合う内容になっています。

自分の感情に向き合い、感情を丁寧に扱うことは簡単なことではないですよね。
上場企業のCEOともなると自分の感情を大切にすることが難しい程に大きな責任が伴います。それでも、どのようにハートドリブンを実践し、ハートドリブンによって大きな力を生み出してきたという話は、心に刺さり、色々と考えさせられます。

ハートドリブンを象徴するような考え方を一つ紹介します。

〇ネガティブな感情との付き合い方

感情を丁寧に扱うということは、ありのままの自分でいることです。
ビジネスでは感情は無駄とされやすく、特にネガティブな感情表現は良しとされにくいですが、ネガティブな感情とも向き合わなくてはいけません。

ただし、単に同意してしまっては組織は沈んでいきます。
また、ポジティブに変えようと説得するのも感情に向き合っているとは言えません。自分の感情を無理やりポジティブに変えようとされると反感や不信感が芽生えてしまいます。

そこで、アカツキは「理解と同意を分ける」という文化を大切にしているとのことです。

非常に面白いことだけど、人はお互いの感情や状況が全て表現されて、理解出来れば、双方の間で勝手に最適解を選び出す。

と考えており、ネガティブな感情は同意するのでなく理解し受け止めることで、結果として合理的で効率的にモノゴトを進められるということです。


自分の感情との向き合い方を分かち合ってくれる「ハートドリブン」。
オススメです。

最後までお読みいただきありがとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?