【大阪、大分のみ】福田平八郎展!
こんにちはアート王子です!
今日は大阪中之島美術館で開催中の「福田平八郎」展について書いていきます!
開催概要
どんな展示?
大分県立大分市に生まれた福田平八郎は写生(スケッチ)を基本に新しい形や色を追求し続けた日本画家です。
写実的(リアル)な絵から、デフォルメされた様な絵までたくさん飾られていますが、その出発点となるのはスケッチという事で、写生帖(スケッチブック)や素描(デッサン)もたくさん飾られています。
故郷の大分県・大分市立美術館はもちろんの事、18歳の時に画家を志して京都へ出た事も関係しているのか、京都国立近代・京都市美術館の所蔵作品も多いです。
そして、なんといっても今回の目玉である「漣」(さざなみ)は大阪中之島美術館が所蔵しており、重要文化財でもあるのでこの企画のいち"推し"の絵になっていると思います。(しかも撮影可!)
展示構成
感想
↑上にも書いた通り年代順に章が分けられておりますので、昭和49年に亡くなるまでの福田平八郎の一生を順に追っていくような構成になっています。
とはいえ第1章からめちゃくちゃ上手いので、一回見ただけでは僕は変遷が分かりづらかったのですが、見ていく中で、同じ「鮎」でもリアルに書かれているのもあれば、デフォルメされた、デザインチックな、現代的な画風があったり、見てて飽きない内容になっていました。
それも自身を「写生狂」と称するほどの、スケッチ力(量)があって、自在に変容してアイデアを試していったんじゃ無いかなと思いました。ピカソもそう思いますが、あえて形や色を変える余裕がある画家は、元から絵が抜群に上手いですね。
「鯉」を題材にした絵が何作か展示されていましたが、福田平八郎は「水」にこだわっていると感じて、水中の鯉達のいる位置の水の深さによって色の濃淡を変えていたり、雨降りの中の家の中の鯉を描いていたり、今回の目玉である「漣」も水について描いています。重要文化財であり、大阪中之島美術館所蔵の「漣」とは違う「漣」という題の絵でも水面を描いていて、それが参考資料として展示されています。今回新しく見つかった「水」という絵は「漣」と似ているものの、「漣」ほど規則的な線ではなく、うねうねと曲がって、琳派の技法の「たらし込み」という書き方で、グラデーションを表現しており、趣味でもあった釣りを通して水を絵にするために研究するのが好きだったんだろうなと感じました。
福田平八郎展は昨日の9日(金)からスタート(3/10に行きました)しましたが、比較的空いていて見やすかったです!
写真撮影できる絵もあるのですが、ところどころにあるので間違わないようにするのには気を使いました。笑
大阪中之島美術館では初めての日本画家の回顧展らしく、所蔵の「漣」も大阪中之島美術館開館後初公開じゃないかな?と思うのですが(開館直後の頃に行けてないので真相は分かりませんが)、去年の3月に東京国立近代美術館で開催された「重要文化財の秘密」で見たので「また見れたー!」という気持ちでした!しかも今回は撮影可能(所蔵の美術館ではよくある。許可が貰えやすいんでしょうね)という事で、遠方から来られる方も必見です!(恐らく大分県立美術館にしか巡回しません。)
公式図録
「漣」が表紙です。公式図録¥2,800
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