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【神戸のみ】カラー写真じゃなくて、モノクロ写真に着色?

こんにちはアート王子です!
今日紹介するのは神戸市立博物館で開催中の特別展「Colorful JAPAN―幕末・明治手彩色写真への旅」です!

神戸市立博物館大好き芸人の僕がオススメする企画展です!

開催概要

特別展「Colorful JAPAN―幕末・明治手彩色写真への旅」
2024年3月30日(土)-2024年5月19日(日)

[前期]3月30日-4月28日
[後期]4月29日-5月19日

神戸市立博物館HPより
神戸市立博物館 エントランス

どんな展示?

「珍しかったカラー写真を集めた?」「当時のモノクロ写真を最新のAI技術でカラー化した?」
いいえ、違います。
「同時、モノクロ写真に絵の具で色をつけてカラー化した」が正解です。
意味がわかりませんよね?(僕は今も理解しきれていません)
そんな展覧会です。

日本の開国後、幕末から明治時代にかけて、これまで交流のなかった諸外国の人々が、来日するようになり、日本らしさ(ある意味COOL JAPAN)を私が見たまんまでカラー写真で国に持って帰りたい!という外国人のニーズによって生まれた、モノクロ写真に彩色する「手彩色写真(てさいしきしゃしん)」という技術です。(実際使われたであろう絵の具も展示されていました)
港が開かれた「横浜」と「神戸」に外国人向けの写真屋が多かったそうです。

「ありのままの日本」ではなく、「東洋の神秘JAPAN」を紹介しているため「外国人ウケ」が加味されて、リアリティよりも「映える」色や配置、小道具、登場人物が設定されているのでかなり「演出」が加えられていますが、とはいえ当時を映す写真ではあるので日本人にとっても貴重な写真ばかりです。(今でもInstagramでは盛ったりしますよね)

展示構成

プロローグ
Ⅰ 手彩色写真の制作
Ⅱ 「JAPAN」の人々
Ⅲ 「JAPAN」の風景
エピローグ
※写真撮影不可

出典目録より

感想

展示内容の当たりが多いので「神戸市立博物館」が僕は大好きなのですが、今回の特別展もすごく良かったです!
第二次世界大戦の戦前・戦中・前後のモノクロ写真をAI技術と資料研究によってカラー化した写真(書籍化されています)が興味深くて、見たこと(本を読んだこと)があるのですが、その類いだと思って見に行ったらどっこい「当時のモノクロ写真に絵の具で色をつけた写真!?」って事で、すごくこんがらがりました(技術力が高すぎて今も理解しきれていない)
当時、国内での行動制限がされていた外国人に向けて、許可された行動範囲の名所の写真(お土産になる)や、日本の風景、風俗などをアルバムにして販売していたようです。
皮肉にも行動制限が撤廃されたり、絵葉書の隆盛によって「手彩色写真」は廃れますが、それまでの間に「JAPAN」の奇特さ(日本のヘンなとこや個性)を写したアルバムは外国人にとってめちゃくちゃウケたと思います。

外国人ウケを狙っているため、役者や小道具、書割り(絵で描いた背景。現代でいうグリーンバック)や映えるための色の配置(実際はこんな派手じゃないだろう)が多分にあるため、現実離れした演出が加えられたであろう写真が多いですが、現代だって加工は容易なので、間に受けずに見つつもすごく面白い写真ばかりでした(撮った人と彩色する人は違うはずなので、りありてはないですよね)

結論、すごく面白かったです。
(自国以外の)世界を見てみたい!という欲求は150年ほど前(明治時代)から変わらず、とはいえその景色がほぼタダで手に入る現代、情報がある程度民主化された現代に生まれ落ちた幸運に感謝です。

図録

ミュージアムショップで売っています

巡回はありませんが図録は出ています。
アルバムの一部の展示が多いので、他のページの写真も見れるのはめちゃくちゃいいです!
公式図録¥2,800

神戸市立博物館注目の展示

最後に神戸市立博物館大好き芸人として、今後注目している企画展を紹介します!

テルマエ展♨️

特別展「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」(2024.6.22-8.25)
※【東京展】パナソニック汐留美術館 4.6-6.9
※終了【山梨展】山梨県立美術館 2023.9.9-11.5、【大分展】大分県立美術館 2023.11.25-2024.1.21

デ・キリコ展👤

特別展「デ・キリコ展」(2024.9.14-12.8)
※【東京展】東京都美術館 2024.4.27-8.29

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