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旬を楽しめるno.1の会社になろうとおもう

人生初めてのきのこ狩り

この前、とあるプロジェクトできのこ狩りに参加させてもらった。やりたいとは思いつつも中々機会のなかったきのこ狩り。ドキドキとワクワクの気持ちで参加させてもらった。
朝2時に起床し、日の出まえの富士山へ。究極の朝活とも言えると思う。お昼前までのショートツアーだったが、最高に楽しかった。
鳥の鳴き声、気の揺れる音、気持ちの良い空気にキノコがぽつりと落ちている。最初は目が慣れず「うまくいくのか」と不安な気持ちだったが、結果的に100個以上のキノコを採集することができた。
それをその日のうちに食べることができた。最高だ。天然キノコは料理が難しいというイメージがあったが、引き算の料理で洗練されたものを食事することができた。

20歳の記憶

自分は、20歳の頃に旅に出たことがある。ユーラシア大陸周遊の旅だ。本当は世界一周で各国で料理をする、というテーマだったが、さまざまなトラブルがあり、ユーラシア大陸限定となった。
それでも35カ国をめぐり料理をした。その時、自分自身の転換点になった思い出がある。
スペインのアコルーニャという街に着いた時。おそらく10カ国目くらいの訪問先だったと思う。スペイン最西端の街であり、大きな岬から望む水平線の景色は最高に綺麗だった。

そこの近くにあった食堂。そこで食べたシーフードをいまだに忘れられない。殻付きホタテに1枚の生ハムとサフランを乗せて白ワインで焼き上げたホタテを頬張った瞬間に涙が出た。山盛りのシーフードをほうばりながら、何かを理解した気がした。20歳が料理を食べて涙することなんて、なかなかないと思う。

実は、それまでは帰国を考えたことがあった。20歳の一人旅はハラハラドキドキだったが、途中からいろんな国をルーティンのように旅をしている実感があった。どの国に行っても「日本人なら寿司を握ってよ!」と言われ、言語が拙い自分は現地の人と仲良くなろうとその希望に答えた。

日本から持ち込んだ調味料を駆使し、料理している自分を見ながら、「日本でやっていることと同じじゃん」と薄々感じていた。

その毎日のルーティンが、この食事をした時に一気にぶん殴られた気がした。つまんねー料理作ってんじゃねーよ、と言われた気がした。

クックパッドでの孤独感

2018年にクックパッドマートというサービスを立ち上げた。当時前会社の吸収合併という形で入社してきた自分は社員を不安にさせないようにと気丈に振る舞った。本当は辛いシーンがいくつもあったが我慢した。
食に支えられてこれまでやってきた自分は、「クックパッド」を再び急成長できる会社にしたいという熱い想いを持ち、新しい事業を作った。
簡単に言えば、地元の新鮮なお野菜や鮮魚を買える地域流通の食品ECだった。
「お前が作っているのは富裕層向けのサービスだ」「忙しい母の気持ちがあの男性社員にはわからない」厳しい言葉が噂話やSlackのチャンネルで流れた。「なんでここまで言われながら新しい事業を作らなきゃならないんだ」とグッと唇を噛み締めたことがある。

クックパッドの創業エピソードは色々な社員の方から教えてもらったことがある。「毎日同じ野菜を収穫する農家さんが、飽きないために作る料理のレシピを広められるように」みたいなエピソードもあったらしい。
いつの間にか、どこでも売っている食材を簡単で誰でも失敗しない料理にできる、というレシピが売れるようになり、人気順を売るサービスとなった。

Snapmapというサービスの記憶

実はクックパッドに入社する直前にリリースしたサービスがあった。それは「snapmap」という写真共有サービスだった。
季節の風景写真を位置情報と共に記録できるサービスで、紅葉やお花見スポットを共有できるだけではなく、おすすめの花火スポット、イルミネーションやグルメ、観光まであらゆる情報をこういった切り口で集めるサービスを作っていたことがある。
このサービスを作ったきっかけは「サイタカメラ教室」という写真教室を運営していた頃に桜や紅葉を綺麗に収めたいというお客さんがワークショップに参加してくれたからだ。
ツアーサービスになってもいいし、ストックフォトになってもいいし、あらゆる形に事業を面白くできると感じこのサービスを作った。

旬を楽しむ、ということ

自分が初めてインターネットサービスを作ったのは「東日本大震災」の時である。ルームドナーという被災者向けの民泊サービスをリリースし、多くの方に使ってもらった。自然の力を痛感した。人間がどんなに賢くなっても地球のエネルギーはすごいと感じた。

世の中は地球環境をコントロールしようと都市化し、便利な生活を作り続けているが、それにも限界点はあるように思っている。だからこそ、自然や地球のエネルギーを楽しむ、というのも必要に思っている。

食というのは、そのきっかけとして十分だと思う。幸いにも日本には世界で数少ない「四季のある」場所である。自分が最近まで住んでいた山梨は標高差を掛け合わせてより四季を体験することができる。

世界中どこでも、美味しいものが食べられるというインフラを作る「マクドナルド」のような会社は偉大だと思うが、人間が産業の奴隷になったような気がして、なんか人生つまんないよな、とも思う。

季節や旬、自然をもっと楽しむ、という工夫はあっていいように思う。よくスタートアップでは、事業を成長させる手法を「xxハック」と呼んだりするが、地球のエネルギーをハックすることほど、莫大なエネルギーを出せることはない。

旬を楽しめるno.1の会社になろうと思う

今年の8月に「&MARKET KOFU」を立ち上げ、11月からは「ベジスク」をリリースする。ただお野菜を売るだけじゃなく、旬を楽しめるサービスになっている。旬を楽しむというのは一人一人だけではなく、コミュニティで楽しんだ方がグッと楽しくなる。

今後も新しい事業を作っていく上で、「そのサービスは旬を楽しめるno.1のサービスか?」ということを意識していこうと思う。

何か感じることがある人がいれば、ぜひみなさんの思いも聞かせてください😄

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