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フードクリエイターは「美味しさの定義」を更新できる人だと思う

クリエイターと自分

過去のキャリアは全て「クリエイター」と「食」の世界に捧げてきたと言っても過言ではないと思う。
学生の時に創業した会社名は「Bazaarie」という会社。文字通りバザールをインターネット上に作りたいという思いからだ。
その後に関わることになった「cyta.jp」も、さまざまな音楽業界やスポーツ業界などの受け皿としてコーチングのプラットフォームを作ってきた。
そしてクックパッド時代も、レシピ投稿者のみならず生産者や流通に関わる全ての方とコミュニティケーションをとってきた。

クリエイターとしての自分自身

学生時代から常に葛藤してきたのは、「こっぺ食堂」というお店を自身で運営しながら料理を振る舞ってきた自分に対してだ。
シェフと呼ばれることに違和感を感じながらも、美味しいものを作ることに労力を厭わない自分もいた。
結局、クリエイターとしての自分を傍に置きつつ、世の中のクリエイターを発掘し、プラットフォームを通じて羽ばたいてもらうことを生業としてサービス作りを行なってきた。

イロリ社の創業と食のクリエイターに考えること

イロリという会社を2023年の頭に作った。会社の名前にあるイロリという名前こそ、クリエイターへのリスペクトの表れだと自分では考えている。
火を囲むという行為が人々をクリエイティブにさせるのと同時に、囲炉裏自体も大きな発明だった。自分自身は、やはりこういった装置を生み出す存在になりたいといつも思っている。

本題:食のクリエイターとは何か?

料理をする人、食材を作る人、ストーリーを伝える人。食の世界にはあらゆる形で自分の表現活動を行なっている人がいる。表現者としてのクリエイターとして考えると多くの人がその位置に当てはまるのかもしれないが、自分自身ここ数年で考えているのは以下。

・人の本質的な欲求である「美味しさ」を武器にして、人の行動を変えられる人
・「美味しさ」にひとやカネが集まるというのは、美味しさの定義を塗り替えることに貢献した人物であるということ

つまり、美味しいという表現の中身が大事だと思っている。

美味しさの定義の変遷

現代でいえば、美味しさというものは色々な価値尺度があったと思う。
美食という言葉で語られ「美味しんぼ」的な表現の中に収まってきたものがあれば、高ければ良いというバブル期的な美味しさの価値尺度もあったと思う。
今は食べログでのスコアだとか、人気インフルエンサーがそう言っているというような外部的な要因もあると思う。

「美味しさ」は無限に可能性があると思う。どんなに味覚的に優れていても環境破壊を繰り返しているものがそう呼べるのか?という視点もあれば、純粋に脂っこくて甘いものが美味しいと感じる人もいると思う。

それぞれの食のクリエイターがこれまで見聞きしてきた経験の中に、美味しさの定義というものが隠れているように思う。

定義を更新し続けることが正義

完璧なんてものは絶対現れないのだと思う。だから面白い。
美味しさの定義を常に更新し続け、それを受け入れ続けることが、食というものがこれからの世界の中で置いてかれないための唯一の生き残りの道かもしれない。


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