アセット_2

感情曲線、なんとなく描いてませんか? 記憶に残る体験を意識する

カスタマージャーニーマップのフォーマットはいろいろありますが、横軸に時間軸、縦軸にユーザーの「行動」「感情や考え」「タッチポイント」、そしてユーザーの感情の起伏を示す「感情曲線」を引くというのがよく見られる型です。
カスタマージャーニーマップには大きく、現状を把握するときに使うAS-IS、理想の体験を検討していくときに使うTO-BEがありますが、ここではTO-BEでの感情曲線の話になります。

この感情曲線ですが、こういう体験になるから上がるよね、下がるよねと描いていって、高いところをより高くするにはとか、低いところを低くならないようにできないかとかを検討していくことが多いと思います。

体験がどう記憶に残るのかを意識する

ピーク・エンドの法則
行動経済学者のダニエル・カーネマンが提唱。
人間は経験したことに対して、感情のピークとその経験が終わった時のことで、経験の全体を判断するという考え方。

病気の検査を行なった経験を例にTEDのプレゼンテーションで詳しく解説されています。英語ですが日本語の字幕があります。4:30あたりの図を見ると分かりやすいかもしれません。

ピークとエンドという2つの体験が、記憶に残る体験(エピソード的UX)として大きな影響を持ち、全体を通じた評価に繋がることになります。個々の瞬間的な体験をよくするだけでなく、体験がどう記憶に残るのかを意識して設計することで、ユーザーのサービスやプロダクトへの評価をよりよくできるということです。

それを踏まえると、例えば、記憶に残したいピークの体験をしてもらう前に離脱されるのは避けたいので、使いはじめから即いいところ、となるように工夫できないか。避けられないマイナスの体験はあるものなので、全体としてはよい体験だと感じてもらえるようにエンドの体験がよくなる工夫はできないかと考えていくことも大事になってきます。

ピークとエンドの体験を検討するのに感情曲線をつかう

このピークとエンドの体験通じてエピソード的UXをよりよくする検討をしていくために、感情曲線が役に立ちます。カスタマージャーニーマップのシナリオを作り、感情曲線を引いたあと次のことを検討していきます。

・感情曲線のプラスのピークをどうやったらより早くに持っていけるか。
・感情曲線のマイナスのピークのあとフォローできているか、できていないなら、どうやったらプラスにする体験を繋いでいけるか。

面倒でマイナスと捉えられやすい会員登録を例に考えると。

・会員登録があることでピークの体験が遅くなるなら、会員登録を後にできないだろうか。
・会員登録のすぐ後に手間をかけただけのメリットを受ける体験を繋げられないだろうか。

そうやって、ひとつひとつの体験だけで考えるのではなく、どう記憶に残すのかを意識した設計をすることで、サービスやプロダクトの魅力をより伝えることができるようになります。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます! よろしければサポートをお願いします! やる気がでます =)