見出し画像

デスクに合うミニマルなオーディオインターフェース Komplete Audio 1【1年使用レビュー】

Podcast を高音質で収録したい!そう思ってオーディオインターフェースを購入して1年が経ちました。シンプルでミニマムなデザインに惚れて、僕は Native Instruments の Komplete Audio 1 を購入しました。そこで、今回は1年間使ってみてわかった利点と欠点、そしてどういった人におすすめか、について話そうと思います。

画像3

オーディオインターフェースって何?

まずは「そもそもオーディオインターフェースって何?」から説明しようと思います。「そんなのわかってるよ」って方は次のチャプターまで読み飛ばしてください。

オーディオインターフェースはコンピューターとマイクや楽器を仲介する機器です。マイクや楽器のアナログな信号をコンピューターへデジタル信号として入力したり(A/D変換)、コンピューターのデジタル信号をスピーカーやヘッドホンのアナログ信号に出力したり(D/A変換)することができます。

それだけ聞くと、USBや3.5ミリプラグからマイクやヘッドホンに繋げられるし、内蔵マイクや内蔵スピーカーもあるのでは?オーディオインターフェースなんてなくてもいいのでは?と思うかもしれません。実際、コンピューターにはA/D、D/A変換の機能は内蔵されているので、機能的には必須の機器ではありません。

確かにそうなんですが、オーディオインターフェースは内蔵のサウンドカードと比較していくつかのメリットがあります。オーディオインターフェースを使うことで、入出力の音質が改善したり、一度にたくさんの楽器やマイクを繋げることができます。詳しく語れるほど僕に知識がないので、気になる方は適当にググってください。あと楽器やXLR端子でのみ使えるマイクなどをコンピューターに繋ぐ場合は必須になります。

動画でもお楽しみください

Podcast 収録用に買った

僕の個人的な普段の使い方なんですが、用途は4つです。

▶ Podcast の収録
▶ YouTube の収録
▶ 音楽鑑賞
▶ ビデオ通話

僕は収録時だけでなく、MacBook に繋ぎっぱなしにしています。仕事でビデオ通話をするときも Komplete Audio 1 経由でマイクとヘッドホンを使っています。オンライン会議にオーディオインターフェースを使うのは「やりすぎ」なんですが、どうせいつもデスクにセッティングしたままなので、この方が楽なんです。

画像5

外観が最高

まず外観から見ていきます。全体的にごちゃつき感がなくてミニマムでなので、シンプルなデスクにしたい人におすすめです。YouTuber に人気の AG03 なんかは見た目ごちゃっとしてるので、そういうのが好みでない人向けですね。

上面にはメインのアウトプットを調整するボリュームノブと、レベルメーターがあります。マイクなどに入力された音声のレベルがひと目でわかるので便利です。1万円前後のオーディオインターフェースでレベルメーターがついているのは非常に珍しいと思います。これは Komplete Audio 1 を選んだ決め手のひとつです。このボリュームノブは背面にある RCA の出力端子のボリューム調節ができます。ヘッドホン用端子のボリューム調整ノブは別にあります。

画像6

背面は USB 端子と RCA 端子があります。ちなみに上位機種の Komplete Audio 2 は RCA ではなく TRSフォンがふたつです。USB 2.0 のバスパワーで駆動するので、別途電源ケーブルをつなぐ必要はありません。

画像2

前面にはXLR端子とギターなどを入力するためのTRSフォン端子があります。 Komplete Audio 2 の場合は XLR と TRS フォンどちらも使える「コンボジャック」がふたつ付いています。マイクを2本使いたい人は2を選びましょう。 

あとは、ゲインを調整するためのノブ、ファンタム電源用の48Vスイッチ、モニター/出力のバランス調整ノブ、6mmジャックがあります。どのノブも、オーディオ機器特有のヌメッとした抵抗感があって触っていて気持ちいです。

画像1

材質はプラスチックです。ざらっとした質感で、チープさはありません。他社のやつは金属製のものもあります。金属製の方が高級感ありそうですが、重いです。ど定番に STEINBERG の UR12 という公団っぽい名前のオーディオインターフェースがあります。これが850gなのに対して Komplete Audio 1 は360gなので、かなり軽い方だと思います。

機能とスペック

Windows の場合はドライバーが必要なようですが、Mac ならドライバーいらずなので USB で繋げばすぐに使えます。M1チップデバイスでも大丈夫です(M1最高)。Mac の場合は Audio MIDI 設定でサンプリング周波数を調整できます。

スペック的には192kHz/24bit対応です。ちょっと何言ってるかわからないかもしれないので軽く説明します。これらの値はA/D変換のときの分解能とサンプリングレートです。もっとわからなくなったと思うので、ビデオカメラで例えます。映像で言うと階調やフレームレート(fps)みたいなもんです。余計にわからなくなったと思います。基本的には数値が大きいほうがいい音になりますが、高すぎても人間の耳には差がわかりませんし、ファイルサイズや遅延も大きくなります。

他のメーカーもだいたいそんな感じの数値なので、1万円クラスとしては妥当なんだと思います。Podcast とか YouTube の収録用としては十分すぎるレベルです。6,000円クラスのオーディオインターフェースだと48kHz/16bitのものが多い印象なので、予算と相談して選ぶといいと思います。

音質も良し

音質は入力、出力ともに良好です。それなりのヘッドホンなどと組み合わせて聴くだけで、細かい音まで聴こえるようになって普段聞いている音楽が楽しくなります。他の方のレビューを読むと、出力が大きい傾向なようです。僕は持ってないのでわかりませんが、インピーダンスが大きめの高級ヘッドホンも活かせそうです。

豊富な付属ソフトウェア

付属ソフトウェアするソフトウェアがめちゃくちゃ豊富です。DTMをやらないのでよくわかりませんが、なんかついてるっぽいです。

■付属ソフトウェア
Ableton Live Lite:音楽制作ソフトウェア
MASCHINE Essentials:MASCHINEソフトウェアのフルバージョンと、サンプル、ワンショット、ルー プ、インストゥルメントを収録した1.6 GBの厳選ライブラリー。
更にフルバージョンのMASCHINEファク トリーライブラリー、KOMPLETE 12 SELECTへのアップグレードオプションあり。
KOMPLETE KONTROLソフトウェア
REPLIKA:プロ品質のディレイ
SOLID BUS COMP:パワフルなコンプレッサー
PHASIS:定番のフェイザーに新機能を搭載
MONARK:伝説のモノフォニックシンセサイザー
KOMPLETE START:計17種類の音源やエフェクトに加え、ループやサンプルも収録
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/261261/ 

USB Type-B とは

数は少ないですが、欠点もあります。一番残念なのが USB 端子が Type-B なことです。いや Type-B って何って感じだと思うんですが、正方形に近いやつがそれです。オーディオインターフェースはPC周辺機器と違って製品のモデルチェンジのスパンがかなり長い傾向にあります。なのである程度は仕方がないんですが、 Komplete Audio 1 は2019年発売なのでなんとかならなかったのかなと思います。他社の新しめのオーディオインターフェースは Type-C のもあるので、ちょっとだけ残念です。

「どうせPCの近くにずっと置くだろう」ということで、僕はエレコムの0.5mの Type-C to Type-B のケーブルを買いました。

指紋がつきやすい

あと上面の透明部分なんですが、ここだけ指紋が付きやすいです。僕はそんなに気になりませんが、マット感命な方は気をつけた方がいいと思います。

ループバック機能がない

あと、Komplete Audio 1 はループバック機能がありません。ループバック機能とはPCからの出力を入力として返す機能です。この機能の主な用途は配信です。PCで流れている音楽やゲームの音声を配信または録画録音したいときに、オーディオインターフェースが出力音声をそのまま返してくれるとうれしい訳です。

画像4

Komplete Audio 1 はこれがないので、配信に使いたい人はループバック機能つきのやつがいいと思います。

ループバック機能があって、かつ見た目がシュッとしてる部門なら、audient の EVO 4 や MOTU の M2 などがいいかと思います。

Komplete Audio 1 をおすすめしたい人、そうでない人

以上をまとめると、

▶ いい音声で音楽を聴いてみたい
▶ マイク入力はひとつでいい
▶ できたら持ち運びたい
▶ オーディオミキサー的なごちゃっとしたデザインが好きでない
▶ ループバック機能は必要ない
▶ DTMやってみたい

という人におすすめなオーディオインターフェースです。逆に

▶ マイクを複数つなぎたい
▶ 配信もやるかも
▶ 多機能なやつがいい

という人は上位機種や他のメーカーのものを検討してみてもいいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?