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14日間の自主隔離期間を振り返って。

3月17日に日本に帰国してから昨日で2週間が経った。この2週間は海外からの帰国者という事で14日間の自主隔離をしていた。自主隔離と言うと少し言葉が固いけど、分かりやすく言えば自宅待機。今回はこの時間で感じたことや気持ちの変化を少し書こうと思う。

この2週間は大阪の実家で過ごしていた。こんなにも長い時間を実家で過ごすのは、東京の大学に入学する前、約3年ぶりの事だった。上京してからは1年に2回帰省することは会ったけど、いつもいつも大好きな友達と会ったり、朝から深夜まで、1日に5個の約束を入れている事もあった。とにかく帰省はしているけど、家の中にいる時間は圧倒的に少なかった。

久しぶりの実家でゆったりと過ごしてみると、なんだか昔この場所に住んでいたという実感が戻ってくる。実家とは言うものの、3年間も別の場所で暮らしていると、もうそこは自分の居場所では無くなっていた。

自主隔離期間に入って少し経ってから、アルゼンチンにいた時に更に好きになった自炊の続きで、家族にほぼ毎日、晩ご飯を作り始めた。

誰かの為に作るご飯は、自分の為だけに作るご飯よりもよっぽど美味しかった。誰かと食べるご飯は、1人で食べるご飯よりもよっぽど美味しかった。美味しいと言って喜んでくれる家族の言葉が嬉しかった。自分は誰かの為に何かをする事が好きなんじゃないかと思うようになった。

自主隔離期間の中盤に入ってから、Facebookの限定グループで国内のローラースピードスケートを盛り上げていけるような場を作ってそこへの投稿を始めた。これは前々から考えてはいたけど、時間が出来て良いタイミングで始めることが出来たと思っている。

きっとこれも、せっかくこんなに時間を持て余しているのなら、誰かの役に立ちたいという想いが自分の中に出来たからだと思う。

そして昨日、ようやく14日間の自主隔離期間を終えた。久しぶりに見るソトの、地元の景色は何とも言えないぐらいに落ち着いた、見覚えのある、色んな思い出に溢れた、景色だった。(期間を終えたからと言って、元のように普通の生活をするという事では無い。今後も気を付けながら、できる限り外出は控える。)

そして小学校への通学路に咲いている桜を見て、こんなにも大切に桜を見ることはもう2度と無いのかなと思った。

この2週間。コロナウイルスの影響で日本は世界は大きく変化してしまった。今日友達と話していたけど、1ヶ月前中国で発生したときはまだこんなにも大変な事になるなんて思ってもいなかった。

仕事が無くなるかもしれない人、授業がいつ始まるか分からない大学生、感染後の危険性が高いと言われているお年寄り、前々から予定していたことが次々にキャンセルになる人達。果たして日本は世界はどうなってしまうのか。この状況がいつまで続くのか。どんよりとした空気が今は世界を覆っている気がする。

この2週間。家にいる分、スマホを見ている時間もかなり多かった。海外の状況を知り友達に自宅待機を呼びかける人、不安な気持ちを吐露する人、不安を抱かずソトに出歩く人。本当にコロナに関しての色んな意見を目にしたし、今はそれで少し疲れてしまった。

色々な考え方がある中で、自分の意見も少しずつ変わってきた。政府から完全な外出禁止令が出されていない今、僕たちに出来ることは、感染拡大を抑えながらも、経済を回し続ける事だと思う。経済を回すというと少し難しいけど、言い換えると、不要不急の外出を控え感染予防をしながらも、出来るだけお金を使ったり稼いだり、学生であれば勉強をしたり。友達と電話をしたり運動をしたりして健康を保つことも含まれるのかも知れない。

とにかくコロナによる影響で、これまでの生活を止めてはいけないと思う。今はオンラインで会話も出来れば、色々なアイデアで人を助ける事も出来るのかも知れない。とにかく元気に過ごして、この状況を生き抜いていくしか無いと思う。

少し長々と話してしまったが、僕が今思っている事はそんなところだ。この考えは今後変わるのかも知れない。

4月1日。日本では新年度が始まる。そして僕は今日から外出する事が許される。またSNSには書こうと思うが、僕は屋外での練習も再開しようと思っている。自分に大切なのは練習をしてフィジカルを維持することだからだ。勿論人混みを避けるなどして、できる限りの予防は行なう。

最後に。もうこの状況はいつ終わりが来るのか分からない。長くて1年は続くとも言われている。先がどうなるか分からない中で、僕たちに出来ることは、この状況で自分が出来ることを考え抜いて、行動に移し続けることだ。

またこの先更に状況が悪くなるのかも知れないし、会いたいと思っていたあの人に会えなくなるのかも知れない。もっともっと色んな事に制限がかかって、出来ることも少なくなっていくかも知れない。でもそんな中で唯一出来ることは、今やれる事を考えてそれを今必死にやることだ。

これを言ってしまうと少し良くないのかも知れないけど、僕は今凄く自分が生きていることを実感している。先が見えずいつ全てが終わってしまうかもしれないこの状況を迎えて、自分がが生きていることを強く感じている

だからその分、必死にやってやろうと思う。やりたい事を声に出して、出来る方法を探して、やってやろうと思う。いつくるか分からない、また皆と何の不安も無く笑って過ごせる日を迎えてやろうと思う。それまで自分と自分の周りの大切な人と必死に生き抜いてやろうと思う。

さあ今日から4月。きっと未来は明るくなる。ポジティブに優しさを持って、明日も生きよう。

小山滉平