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ROOF事業が目指すこと

今回は、事業としてのROOFの立ち上げストーリーと目指すことを中心に書いていきます。創業ストーリーSOYMILの立ち上げに関するストーリーは別な記事に書いているので、そちらをご参照ください。コンポストに絞った記事を過去に投稿しています。また、PR Timesストーリーでもコンポストの具体的内容について書いています。

今回は事業全体のストーリーと今後の展望について紹介していきます!

なぜ、私が「食」をテーマにするのか?
なぜ、「食」を扱う事業をしているのに土をテーマにするのか?
なぜ、土が理想的な社会と繋がるのか?

について語っていきます。


伝えるための「食」というツール

私は、「食」という広義のテーマで事業を行っていますが、一次産業をなんとかしたいとか、有機農業を広めたいという視点からではなく、むしろ地域おこしの目線から入りました。地域おこしというと、疲弊した地方を助けるような文脈で使われがちですが、多くの人々の生活を見つめてみたら、「疲弊した地方像」は事実ではない実感しました。都市部の人よりもずっと笑顔が多く、疲弊しているようにはまったく見えなかったんです。

ただ、私が気になったのは「いろんな資源があるにもかかわらず、うちは何も無いからね」と言われることです。現地の方々に話しかける際に、謙遜表現かもしれませんが、何度か言われてきました。コロナ禍が終了し、オーストラリア、ドイツ、カナダ、フランス、香港、台湾から来日した友人が日本の地方訪問のオススメを質問されるたびに、地域おこしのゴールとは最終的に「地域の人が地元に誇りを持てること」だと感じるようになりました。これは、会社の理念である"Our Heritage, Our Pride"と直結します。

学生時代にバックパック旅行先で知り合った友人と東京で再会(2023.04)

始まりは、単純に「〇〇(地名)って、いいね!」と言われることだと思うんです。「いいね」をされて嫌な思いをする人はいませんし、自分の土地に愛着がわいてもっと良い部分を見つけて発信しようと思う。そうすると、より評価される好循環が生まれます。それが、最終的に誇りを持てることに繋がります。「食」の可能性が一番高いと考えています。

「土」を通して見えてきた食を巡る社会課題

そんなことを考えている中、「土を起点とした循環」という概念に出会いました。秋田での大豆生産者さん、鹿児島で畑から縁側でのプランター栽培に変える祖父、滋賀県の農業資材メーカーさん、福島県会津で米や野菜の有機栽培を行う同世代との対話の中で土壌への見方が二つの観点から変わってくるのを感じました。

堆肥による土壌改良後のある畑にて

まずは、自分たちの食生活が土壌に大きく依存しており、食の持続可能性は土と向き合うことが必然であること。滋賀県の農業資材メーカーさんは、独自技術で生み出した発酵微生物で堆肥を作っており、その堆肥作りの過程で土壌を豊かにすることがいかに重要であるかを教えてくださいました。その時に、日本の食生活は海外に過度に依存していることを実感しました。それは食料自給率に限りません。日本国産であっても海外とは切っても切り離せない事情があるのです。

植物の成長に欠かせない3要素として、窒素、リン酸、カリウムの3つがあります。茎を成長させたり、実を付けたり、根をのばしたりするのに必要だとされていて、土壌中にある成分で足りない分は「肥料」として与える必要があります。この3要素の原材料となる、尿素、リン酸アンモニウム、塩化カリウムをほぼ全て輸入に頼っているのが現状です。昨今のウクライナ侵攻に限らず、為替動向や地政学リスクの影響を今後も大きく受けていくことになります。

日本の土壌を起点にした持続可能な生産圏をつくっていくことは、極めて重要な社会的テーマであることには疑いの余地がありません。

「土」は、贈与を原理とした社会への入口

私はサービスや事業の一つのテーマとして「繋がり」を挙げています。ただ、この理想的な状態は何なのかを探っているところで、一つの解が出てきました。それは、「受け取ること」と「与えること」が繋がることです。

農地における土壌とは動植物の遺体が微生物により分解・変質したもの(腐植)が混ざって、それが新しい作物を生み出して、誰かの生を紡いでいく存在です。腐植に富んだ土壌からの一方的贈与を受け取ることで、初めて生の営みが成り立ちます。

土壌のメカニズムを通して、私たちが生きるということは、「受け取ること」に他ならないことに気付かせてくれました。自然、先祖や社会から受け取らなければ、生きることができません。この根源的な「受け取り」に気付くことによって、私たちは生の本質を知り、「与え手」になることができるのです。自己の能力を過信し、「何かをしてあげること」によって利他を起動させるにではなく、自己が大地からの受け取りによって「生」を得ていることで私たちは初めて「与える」ことができるようになる。この連綿とした「受け取ること」と「与えること」の営みは、交換を前提とした現代社会を見直すきっかけになると確信していると同時に、「生」を得ている実感を持つ人が増えることで未来に向けて「与えよう」という前向きな雰囲気を作れるだろうと考えています。

「食の循環」で社会のあり方を再定義していきたい

ROOFを事業として広げることで、地域おこしにつなげていくことをゴールとして目指しています。世界のどこに行っても、世界中からくる様々な人と接しても地元に誇りを持ち続けられる社会の実現によってこそ、可能であると考えています。そのゴールを念頭にROOFコンポストでは以下の三点を提供価値としていくつもりです。

ROOFコンポストを活用した光景

・すべての原材料において特定の地域や人との結びつきを明示
・土を軸として自分自身や周囲と楽しめる体験をサービスとして提供
・ROOFコンポストを軸に、自然の原理を楽しく体験できること

また、中期的にはROOFコンポストを家庭用ではなく、事業用としても展開していきたいと強く考えています。フランスでは2024年から「捨てる」「リサイクル」に並んで「コンポスト」が第三の領域として義務化されています。米国ニューヨーク市でも2025年から全域で義務化される予定です。
コンポスト化はメタンガスを生み出して発電に用いられたり、食品生ごみ堆肥として活用されていたりします。その意味では、「食」×「エネルギー」や「食」×「農業」にも展開できる余地がありそうです。ただ、社会を変える事業を一社で丸抱えするのではなく、協業を通して実現していきたいと考えています。

そのために、ROOFコンポストをサービス・ブランドとして着実に成長させながら、様々な地域の企業や人々と共同で作っていくことを目指します。ROOF或いはSOYMILを介して生まれた商品やサービスが世界中の人のコミュニケーションの中に入り、「〇〇(地名)っていいよね」と言われて繋がる世界。それこそが、この創業した理由であり、目指す方向であり、私たちの夢なのです。

インドの夜行列車の中で、中国の山奥の村で、東欧のカフェで、私が現地の人々と話したときに「いつか君の地元に行ってみたい」と言われたように、100年後も300年後も世界のどこかで誰かに「日本にある君の地元に行ってみたい」と言われるようなキッカケを作る事業にしていきたいのです。



ROOFコンポストの先行予約販売は、こちらから

https://www.makuake.com/project/roof-compost/


【概要】
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