イノベーションを生む組織風土とは何か?

イノベーションを起こすためにまず必要なことは何か?
それは組織風土改革することだ。
なぜなら、自由な発想を生む組織からしかイノベーションは生まれないからである。

だから私が携わる時は、まず組織風土をデザインする

大企業では社員をまるでロボットのように扱う。
やることを詳細に規定し、発想する自由を与えず、失敗は絶対に許さない

秩序と権威という檻で思考をガチガチに縛り付け、唯一許されるのは客観的データの提示のみ。
自分の感性から生まれるアイデアは真っ向から否定される。

しかし、人間はロボットではない。
人間は感情と感性の生き物だ。

豊かで縛り付けられない精神こそが自由な発想を生み出し、新しく革新的なものをつくりあげる。
そこからしかイノベーションは生まれない。

もちろん、顧客のデータや市場のデータは大きな力を持っている。自分の発想と顧客のニーズの接点をつくりだす。

しかし、あくまでも出発点は「自分」なんだ。
そこを履き違えると間違いなくイノベーションからは遠ざかる。
自分の感性を信じられなくなり、失敗を恐れ、挑戦する魂が失われる。

だから、私は精神的なアプローチを行い、組織風土をデザインする。

精神的なアプローチの一つの事例を紹介する。

・・・

We → I

よく私がお伝えするのは「We」から「I」という言葉である。
大企業の人たちと話をするとほとんどの人が「We」主語で話していることが多い。
「We」とは「私たち」「社名」などだ。

誰もが、「私たちはこうすべきだと思います」といった話し方をしている。

決して「私はこうしたい」と「I」主語で話さない。
いや、話せないようになっているのだ。

なぜか?大企業では秩序と権威こそが重要視されるからだ。
成すべきことよりも「立場」が重視され、相手の立場を忖度しすぎる

自分の意見を強く出すことは忖度していないこととみなされ、自分の評価にも影響する。
だから無難に聞こえるように「We主語」で話してしまうのだ。

もしかしたら高度経済成長期には「We」主語で話すほうが良かったのかもしれない。
一度確立した商品を大量に生産し続ければすればよく、主語はいらなかった。

秩序と権威の維持のためには、むしろ主語がある方が面倒だったのかもしれない。
ロボットのように働き続けるほうが良かったのかもしれない。

でもこれからは違う。
技術革新が起こり、ソフトウェアサービスの台頭によって、新しいことを始める自由度は高くなった。

開発スピードは速くなり、初期投資の額もずっと小さくなったおかげで、多くの人たちがビジネスを始めることができるようになった。

想いのこもった「I」主語でつくる人たちが、どんどん増えているのだ。

・・・

「We」主語の一番の問題点、それは「We」主語で話す人たちは主体性がないということだ。

会社の話をヒアリングすると大抵の場合、「経営層が〜〜」「上司が〜〜」「部下が〜〜」という話をする。
会社の中の問題は自分以外の誰かのせいなのだ。

だけど、おかしい。どんな立場の人に話を聞いても誰かのせいにしている。
つまり、誰も主体性をもっていないのだ。

主体性がない人たちが集まった組織から、イノベーションが生まれるだろうか?

本田宗一郎だったらどう語るだろうか?
「私たちは○○したほうがいいと思います」
なんていうだろうか?

本田宗一郎ならきっとこういうはずだ
「俺はこうしたい!」
と。

だから「I」主語で話す。
想いがこもった「I」の集合体。それこそがイノベーションを生む組織に必要不可欠だ。

しかし、時々こんなことをいわれる。

「I」主語で話した方がいいことはわかったけれど、社内で「I」主語で提案しても反対されてしまいます。と。

そういう場合はこういう風にお伝えする。

それがなんだというのだ。
どんなことも最初は反対されるんだ。
1度や2度反対されたぐらいであきらめるなら、イノベーションなんて絶対に起こらない。

狂ったほど自分の感性を信じきった人たちでさえ、成功するのはごくわずかだ。

だから、あきらめない。決して。

そして小さくてもいいので成功事例をつくる。
2、3人でもいいから「いいね!」といってくれる人をつくる。
そして成功事例をもとに社内に伝え、共感の輪を伝播させていく。

さらに、一人ではやらずに、周りの人たちに声をかけ手伝ってもらう。
はじめは反対されるかもしれないけど、何度も自分の想いを伝える。そうやって少しずつ仲間を増やす。

イノベーションを生む組織風土とは、このような状況が社内のいたるところで起こっていることだ。

・・・

もし、自分が「We」主語で話してしまっていると気づいたなら、「I」主語で語るようにしてみてほしい。

きっと「I」主語で話をしているうちにマインドが変わり、自ずと主体性が生まれてくる。
そして、主体性に溢れたマインドは失敗を受け止め挑戦する風土をつくりはじめる。

あとは決してあきらめることなく挑戦を続けるのみだ。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

今日も良い1日を!
6

鳥越 康平

ZEPPELIN

ZEPPELINの出来事、ナレッジ、デザイン、エンジニアリング、組織、事業創造、サービス開発に関わる記事
1つのマガジンに含まれています