創造的イノベーションは美意識から生まれる

世界のエグゼクティブが美意識を磨いているという話をフィナンシャルタイムズが記事にしたのが2016年ですが、世界では美意識を磨くという流れが加速しています。しかしなぜ今、世界のエグゼクティブは美意識を磨くのでしょうか?また、美意識とはなんでしょうか?

エグゼクティブが美意識を磨いていると言われる理由。
それは分析・論理の思考だけに頼らずに、瞬時に物事のあり方を見抜く力を身につけるためだと考えています。


分析・論理の思考だけで事業判断や経営判断を行うことは困難な時代

現代は情報も人も増え、新しいビジネスを誰もが起こしやすくなったため、非常に複雑な時代になってきています。
昔に比べると、一度に捉えなければならない情報量が膨大に増えてきているわけです。

そのような状況において、分析・論理の思考だけで事業判断や経営判断を行うということが難しくなってきており、機能しなくなってきたのです。
何千という事象が動いている中で、その全てを分析し、論理的にまとめ、一つの答えに帰結させるということは到底不可能なのです。

分析・論理の思考だけでまかなえるケースというのは他社がやっていることをそのままパクる時のみです。
なぜなら、他社が膨大な情報の中から一つの答えを導き、大きなリスクを取って築き上げた道を追従するだけならば、その方法が自社においても成り立つかどうかを分析・論理展開するだけで済むからです。

しかし、創造的でイノベーティブな新しいことをやろうと考えたら、膨大な情報に真っ向から立ち向かわなければいけません。
そうなった時には分析・論理展開では太刀打ちできません。

ですので、瞬時に物事のあり方を見抜く力=美意識が必要とされているわけです。


「美しさ」とは、人類の全ての経験の歴史から生まれる

「美しい」という事象は論理的に導くことができません。
AIがどれだけ高速で分析を行っても人間が「美しい」と感じる事象を一瞬で描くことなど到底不可能です。

なぜなら、「美しい」という事象は、人類が生まれてから現在におけるまでの、全ての経験の歴史が積み重なって生まれているからです。

私たちは日々五感を使って膨大な情報を脳内で処理しています。
その膨大な情報の流れの中で、さらに洗練され研ぎ澄まされて、残り続けた事象を「美しい」と感じるのです。

ここでいう美しさとは見た目の華やかさではないでしょう。
そういうものよりも洗練という言葉が合うでしょう。デザイナーであればシンプルといっても通じるかと思います。

この複雑な世の中で、絶妙のバランスを保ち続け、洗練され残り続けてた事象を私たちは「美しい」と感じるのです。

美意識を鍛えるということは、物事のあり方を一瞬で見抜き、新しい姿を頭の中で構築・創造する「能力」なのです。

この能力が今の時代に求められており、世界のエグゼクティブはいち早く美意識を磨くということを行っているのでしょう。


創造的イノベーションの答えは美意識の中に隠れている

現代の日本では美意識と経営はまるでつながりがないことのように考えられています。

戦後パクリばかりを続けてきてしまった日本企業では分析・論理の思考ばかりがもてはやされてしまったからです。

1日でも早く美意識と経営が密接に繋がっていることに気がつき、これまでとは全く違う判断基準を設ける必要があります。

「美しさとは何か?」という一見抽象的に聞こえる問いの中に、実は創造的イノベーションを生むための合理的な答えが隠れているのです。

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鳥越 康平

デザインとテクノロジーの融合。ZEPPELIN代表。企業HP「ZEPPELIN」→https://www.zeppelin.co.jp/ 個人ツイッター→https://twitter.com/koheitorigoe

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