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抜け道

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叶わぬ恋、をしていたころの、おはなしです。 「スキ」が多いのでまとめてみました。
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記事一覧

いつしか忘れる前に

 覚えておきたいことも、いつのまにか忘れてしまうことがある。メモを見たり写真を見たりした…

よっしぃ
2年前
3

あの人の名前

ああ忘れていた。 確かあの時の名前。 本当の名前ではなかった。 でもそうだっけ。 ふと、…

よっしぃ
3年前
16

歌うことと囁くことと

カラオケに行くと決まって録音をしていた。 今でいう 「声フェチ」 だったのだろう。 当時…

よっしぃ
3年前
23

指先で水平線に重ね合わせて

 昼間に会えることになった。  遠くに出かけたいけれども、夕方には子どものお迎えと相方が…

よっしぃ
4年前
26

近づくたびに遠くなることの始まりとは

まだ、近くに畑や民家が多く、各駅停車しか止まらない街に、そのとき私は数年ぶりに降り立った…

よっしぃ
4年前
24

セックスはいつも先に仕掛けられた 部屋を暗くすることが条件 響き渡る声と愛 溢れる思いと…

よっしぃ
4年前
21

もう、あの口笛は吹けない

日々のnote巡りで、カラオケの話題があり、ギャップの話がちょこっと出てきた。そこでふと思い出した曲があった。 そんな思い出を少し 英語で歌って 覚えて歌って そんなこと言われて覚えてくれた曲 拙かった口笛もよい思い出 今日はうまく吹けた 笑って吹き出したこともあったっけ お互いに ヒットした頃にまったく聞いていなかった曲なのに なぜかカラオケに行ったときに歌った 「何で知っているんだろうね」 お互い笑いあったこともあった 他にもたくさん歌は歌ったけ

触れなかったこと

「旅行に行きたい」 「そうだね」 一番言ってはいけないことを伝えてしまった。 「スケジュ…

よっしぃ
4年前
21

まてるか。

私は待てるのか。 そんなことを頭の中で考えていた。 「もう少し立ったら落ち着くから」 何…

よっしぃ
4年前
11

メンソールとくちづけ

煙草をやめてから数十年経つ。 あのときは、イライラをおさえるため、リラックスるするため、…

よっしぃ
4年前
27

それを何と呼ぶ

「声に出した瞬間、嘘に感じる」 そんなことを言われても、言葉にするしかできなかった。いつ…

よっしぃ
4年前
29

終電の後で

あの人からの電話 必ず終電の後だった 「どうする」 と聞かれたら 「どうしたい」 と聞き…

よっしぃ
4年前
17

コトバの予約

叶わない恋をしているときは、コトバの予約をして、気持ちを安定させておかないと不安になるの…

よっしぃ
4年前
22

居場所の効能

「きみはきっと大丈夫だから」 いつも言われていた言葉。当時は何が大丈夫か分からないので、 「何を言っているんだろうか」 と思いながらうなずき肩を寄り添わせていた。 今思えば、あなたの「大丈夫」はきっと私があなたから離れていかないという大丈夫という言葉だったのかもしれない。 叶わぬ恋の別れのときに泣きながら聞いた。 「あなたの大丈夫って何が大丈夫だったの?いつも私に言ってたよね」 「きみの居場所は私だから、それが分かっていたから大丈夫って、言い続けたんだよ」 別れ