好きになれない

私は好きになれなかった。いつもどこかで、自分を好きになれなかった。私が私を愛してあげなきゃ。自分を愛してない人は人を愛せない。
そんな内容の本を読んでも、だめだった。
時折、感じる自分だけが世界のピースに当てはまっていない感覚は、説明してもわからないだろう。と思う。

私には、ありのままでも愛される感覚がなかった。小さい時から、いつもどう立ち回り、どのような言葉を使えば、周りが私を可愛いと思ってくれるのかを考えていた。どうしたら、喜んでくれるのか。どうしたら、自分のわがままを聞いてもらえるのか。それがうまくいっても、それは、私が喜ばすことをうまく出来たからだと思った。私が、自分を好きだと思える時は、相手が、自分を好きだと言ってくれる時だった。

そうなると、私が私をいつも好きでいる事は難しくなった。自分の好き。を相手に委ねてしまうので、誰かが私を好きじゃない時、私も私を好きじゃなくなってしまう。勿論誰からも好かれる事は出来ない。誰にでも好きになってもらえるように振る舞う事も出来ない。
嫌いな人は、嫌いでも構わない。そう思いながら、それでも私は私だ。という強さを持ちきれなかった。

大人になっても、疑っていた。失敗をしたら嫌いになるでしょ?って、私は周りにいてくれる人を信じていなかった。だけと、曲を作りライブをし、感情を表に出すことで、愛されている事に気づいた。伝えたくて必死になっている時、ありのままでも愛されるのかなんて、考えていなかった。

沢山の失敗を繰り返し、それでも側にいてくれる人がいる。それを信じられた時、自分を信じることが出来た。今まで、少なからず何処かで苦しんでいた気持ちを、捨てる事が出来たのは、私にとって一生の財産になる。

私は私を好きだと言ってくれる人の為だけに、私を好きでいようと思う。私は私の好きな人に優しくしようと思う。こんな単純な事に、気づかせてくれて、ありがとう。
だから私はこれからも、アイドルでいようと思う。そんな私を好きになれたから。


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