見出し画像

いい写真を撮るための ボケ感コントロール

前回の記事『お店の魅力を引出す 4つの撮影テクニック』、多くの人に読んでいただけて嬉しい限りです。ありがとうございます。

その中で僕がオススメした肝心の「ボケ感をコントロールできるカメラ」についてご質問いただいたので、今回はこちらをテーマに書いてみようと思います。

いい写真とは

主題に入る前に、ちょっと余談です。
今回のタイトルにも記載した、いい写真とはなんでしょう。

プロの作家さんが撮る「作品」としていい写真とは別に、ふだん一般の人がもう少し気軽に撮る写真において、いい写真といわれるものには、ぼくは3つのポイントがあると思っています。

1.  撮り手:撮り手の視点や構図のセンスがある。
2. 被写体:被写体に力がある、面白みがある。
3. 機材:機材の性能がいい、適切な設定を選んでる。

1と2は普段きっとみなさんも、いい写真を撮ろうと思う時に意識しますよね。特に個性も出るところですし、ここのセンス磨きや被写体選びは写真撮るときの楽しみのひとつだと思います。

ただ、その1と2をいかすために、実はとても重要なのが3の機材なんです。この機材の性能の良さ、適切な設定だけでも、いい写真が撮れる頻度がぐっと上がってくる。

もしいい写真と感じる基準のラインがあるのだとすれば、こんなイメージです。(実際はこんな単純ではないと思いますが、、)

もちろん、1、2があればいい写真になります。ただ、良い機材や適した設定で撮ることができると、平均的なクオリティが上がります。いいなと思える写真の数が増えてきます。

なので、そんな写真のクオリティを底上げしてくれる機材や設定についてお話しできればと思います。


伝えたいことを、より明確にするために

まず、カメラは大きく2種類に分けてご説明します。
このボケをコントロールできるものと、できないものです。もしくはできるけど変更しづらいカメラ。ざっくりいうと、前者が一眼レフやミラーレスカメラ。後者がスマホカメラやコンデジです。

後者のカメラがいい写真とするのは、「明るさや色味」が適切な写真。明るく色がきれいな写真を手軽に撮れることを最優先に、ボケ感や画像の荒さをはじめとした他の設定を、裏で自動で調整し変えているのです。これが多くの人にとって、ボケ感をコントロールすることが馴染みのない理由です。

でもぼくが思ういい写真は、ぼかし具合が適切な写真。
つまり、伝えたいこと、視点がより明確な写真。

ある対象物を撮った写真で、それが引き立つように背景のぼかしがうまく効いているのを見ると、多くの人がいい写真と感じるんじゃないでしょうか。逆に風景写真などは高精細にパキッと映っているといいなと思えたり。

このように撮影者の視点をより明確に伝えるために、このぼかしをコントロールすることは重要だと思うんです。

だからできればカメラ任せにせずに、このボカしをコントロールできるカメラで、自分で数値を変えながら意図した写真を撮影できるようになることをオススメします。


写真のクオリティを左右するF値

さて、もう少し踏み込んでみましょう。

写真のボケ感をコントロールできるカメラと書きましたが、ボカす仕事をしているのは、正しくはレンズになります。

そして、ぼかし具合を設定しているのは、レンズが持つF値という数値です。ボケ感はこの数値に左右されます。この数値が低いほどよりぼかすことができて、この数値が高いほどピントがぱきっと、被写体の前後、幅広く合う写真になります。

なので、このF値を目的に合わせて設定することが大事なポイントになります。

そして「背景のぼかしがうまく効いた写真を見ると、いい写真と感じる」と書きましたが、このぼかし具合にも僕の感覚では基準があって、F値4.0より下の数値で撮った写真は、より印象的になりやすいです。

F2.8前後の数字とか、よりフォーカスしている部分が強調され、人が普段見ている視界より、より印象的に視点が伝わるようになります。iPhoneのポートレートモードだと、F1.8なので使ったことがある方はよりこの数値を実感していただけると思います。

おすすめのレンズ

ただ一般のカメラで、低いF値で撮影できるレンズは、価格が高くなってしまいます。悩ましいところです。

そこでおすすめなのが、単焦点レンズです。
一般的なレンズは、自分が動かずともズームができます。ただこの単焦点はズームができない。その代わり、F値が低いものでも比較的価格が手頃のものがあります。

なので、ボケ感を効果的にコントロールしてみたい人は、まずはこの単焦点レンズを使ってみるのはいかがでしょうか。ぐっと写真の楽しみの幅が広がると思います。

それに先ほどのF値の図でいうと、このようにスマホカメラが苦手な領域を得意とするレンズでもあるんです。だからより、一眼ならではの描写や表現を楽しむことができると思います。

以上が、写真のクオリティを底上げしてくれる機材や設定についての基本知識です。
かなり要点を絞って、一面的に書いてしまいました。詳しい方から見たら各所、雑な説明だと怒られてしまうかもしれませんが、、僕が大事におもっているポイントを抽出してみました。


そして最後に。

スマホカメラと、いい写真

最近のスマホ写真の機能の向上には驚かされます。
多くの人が写真はスマホカメラで十分、ってなってきていますよね。

ぼくもそこは同意見。とても手軽に綺麗な写真が撮れる。
スマホで見ることが多い今、画質だけで比べたら、スマホと一眼、それほど体感として違いは感じにくいのも事実。そういう意味で数年前と比べて平均的なラインがとても底上げされました。

ただ、スマホか一眼か、どっちで撮ったかわからない写真はあっても、「あ、これはちゃんとカメラで撮った写真だ」とわかる写真がある

それは、写真の質の平均レベルは格段に上がったけど、表現できる幅や上限には、まだ差があるからだと思うんです。なんでもない写真で比べたら差はなくても、とっておきの一枚を撮れるかどうかでは差が生まれる。

このように、高品質な画像の精細さや色の再現性に加えて、自分の視点を表現するためのコントロールが可能なのが、やはり一眼やミラーレスの強みです。そこがぼくにとっての写真を撮る楽しみだったりします。

だから自分が求めるものにあった機材選びをしてみてください。今回は、よりいい写真を撮るために、一歩踏み込んだ撮影を前提にしていますが、絶対に一眼撮影がいい、スマホ撮影がいいというわけではありません。
自分が求める写真を理解した上で、上質さ、手軽さ、コスト、これら掛け合わせて、自分の撮影スタイルや機材を選んでみることをオススメします。


まとめ

よりいい写真を撮るための機材選び
・良い機材や適した設定で撮ることで、写真の平均クオリティを高める。
・F値をコントロールできるカメラを使う、実際にコントロールしてみる。
・F値が4.0より低いレンズを一本買ってみる。

ぼくのおすすめ
一眼レフカメラやミラーレスカメラでレンズ交換可能なカメラを選ぶ。カメラ購入時に付属の標準ズームレンズに加えて、f値2.8以下の単焦点レンズを購入し撮影してみる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?