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いいものにフラットに。 そして感度高く。

以前ご質問いただいたことがあったので、今回はぼくが写真を撮ることを通して行なっている、物事の感じ方や捉え方について、触れてみようと思います。普段みなさんが写真を撮るときのなにかインスピレーションになると嬉しいです。

とは言っても、、、
プロのフォトグラファーでもなく、語るに恐れ多いところもあるのですが、、、簡単にぼくと写真についても書かせていただきます。

大学生の時に独学でスタートした写真。
当時から旅にはまっていて、いろいろなところに出かけては写真を撮っていました。その後、どんどんのめりこみ、展示や少しお仕事をお受けするようになり、一時期はフォトグラファーを目指し活動していましたが、仕事の本軸をWeb業界に移します。仕事のメインは変わったものの、その後も毎週末のように写真を撮り続け、かれこれ10年以上写真が好きな想いは冷めることなく撮り続けています。

今ではWebと写真をかけ合わせて、ぼくができることを形にしていきたいと、Around Tokyoという写真でおすすめスポットを紹介するメディアや、FROM SOMEWHEREという旅写真の販売サイトを立ち上げ運用しています。


さて、写真を撮るときの物事の感じ方や、捉え方ですが、まずベースのスタンスとして、ぼくが風景を撮りたくて出かける時は、これといった具体的な被写体を決めて取りに出かけることはありません。

それよりは、その場所の持つ雰囲気や、空気感、環境や光景、そうしたものに惹かれて訪れることが多いです。そこを歩いたり、体験をともなう場所へ。
なのでジャンルを問わず、街にも行くし、海にも行くし、山や森、島にも、惹かれたところがあればいろいろなところに出かけます。気持ち良さそうとか、ワクワクするとか、そうした感覚を優先して場所を決めるんです。

あとは現地で気の向くままに歩き、何かを感じ足を止めた風景を撮る。
そのスタンスが、風景と自然に向き合うのに自分にとってしっくりくるのです。

だから、その場所を訪れ、実際にどう物事を感じるか、捉えるか、といった意識や心の持ちようを、より大事にしています。

そしてそんな中で、特に意識している2つのことがあります。
それは、「いいものにフラットに」、そして「感度高く」ということ。

いいものにフラットに

これは、最初の話にも通じるのですが、観光スポットととして有名かや、なにか対象物が明確にあるかなどは関係なく、〇〇だからいい、という先入観のようなものに縛られることなく、単純に引かれるものにフラットに反応できるようにするということ。例えばそれが、なんもないひらけた場所であったり、森を歩く中で見かけた木々であっても、自分が惹かれたものであれば、ちゃんと反応できるようにすること。

自然における美しいものは、
偶然的で、かつ移り変わる。瞬間的で、予想できない美しさ。

だから光や風、人や天候、偶然の重なりによって今、目にすることがでできている美しい光景を、撮り逃すことなく反応できるように自分ひらき、フラットにあること、これをとても大事にしています。

感度高く

そして感度高くは言葉の通り。
目にしたり、肌で感じたり、自分の五感をとおして反応できたものが、インプットされるとしたら、それを感じる感度は高くありたい。

ただ、この感度というのには種類があるのかもしれないと最近思う。
例えば、どれだけ物事を深く感じれるかという深度的な感度と、ちょっとした些細な美に気づくことができるかといった繊細さ的な感度。

ぼくで言うと、深く感じるというよりは、いかに繊細に感じることができるかを意識している。深く潜り情緒的に語れるようにというよりは、些細な変化や美しさに反応して、それを写すことができるか。

だからきっと、文章でその良さを書くと、全然表現できていない文章になってしまうと思う。語るに必要な深いインプットができない。でも瞬間的で些細な美しさに反応はできる。そういう意味で、写真と相性がいいのだと思う。写真として切り取ることで、その良さを写真自身が語ってくれる。

その偶然的な美しさを写したい。
写した瞬間、瞬間的な美は姿をひそめるけど、そこに残るものが見る人になにかを与える力になって、そこにとどまっていてくれたら、それはとてもいい写真だと思う。
そうして、そっと琴線に触れて、心地よく感じるような光景をお届けできれば、それが一番ありがたいこと。


もちろんこうした意識の話とは別に、撮った後のこと、つまり写真のレタッチや見せたかもとても大事なこと。そのお話はまた別の機会に。

抽象的な話になってしまいましたが、ぼくが写真撮るときに意識していること、ものごとの感じ方について書かせていただきました。
ぼくが撮影した写真の一部は、FROM_SOMEWHEREでもご覧いただけますので、よかったらぜひご覧ください。

FROM_SOMEWHERE >

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