中川 泰郎 / ライター

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中川 泰郎 / ライター

|ライター & 実務翻訳| [lifework] 温泉と喫茶店と神社巡り [major] 『赤毛のアン』好きが高じてカナダ人教授のいた立命館大学英米文学専攻へ 専門はジェンダー論と文芸批評 [professional] ライター(介護・福祉・医療など専門記事) & 英語翻訳

最近の記事

「二十歳まで生きられない」と言われた親友が逝った話[1]

「二十歳まで生きられない」と言われた親友が逝った話[1] #親友 #病気 #医学 #文通 #趣味 #ジェンダー #フェミニズム #文学 #中山可穂  #たいろーぐ #エッセイ #ブログ

    • 40代と「中年の危機」あるいは幼稚園児の心で描く未来

      40代になって、色々と自分の人生を振り返ることが多くなった。 これまでの生き方に後悔はないのだが、人生の折り返し地点に来ていると感じて残りの人生を考えたり、これまで培ってきた知識やスキル、経験などが古くなっているのではないか、今後の人生を生き切るにはマッチしないのではないかなど、ついあれこれと立ち止まることが増えた。 親のライフステージは人生の教科書子どもの頃から「人生は70歳まで」という目標で生きると決めていた。 祖父母と同居していたこともあって、人が年を重ねていくこ

      • 岡本太郎の大きさを感じる一瞬の出来事|岡本敏子さんの思い出

        岡本太郎の養女だった最晩年の岡本敏子さんと、忘れられない思い出がある。 人生に迷う時代に熱中した岡本太郎大学生の頃、たまたま書店で出会った岡本太郎の本。 みすず書房『岡本太郎の本』シリーズの「呪術誕生」や、青春文庫「自分の中に毒を持て」などは何度読み返しただろうか。 自分というものがまだ確立せず、何者かもわからない20代前半にあって、「危険なことにこそ飛び込んでいくべき」と繰り返し訴えかける岡本太郎の言葉は、とても鮮烈だった。 青山のアトリエを利用した岡本太郎記念館や

        • アフターコロナのためのエチュード#06

          申の刻下がりからふり出した雨は、いまだに上るけしきがない。 そこで、下人は、何をおいても差当り明日の暮しをどうにかしようとして――云わばどうにもならない事を、どうにかしようとして、とりとめもない考えをたどりながら、さっきから朱雀大路にふる雨の音を、聞くともなく聞いていたのである。 芥川龍之介「羅生門」

        「二十歳まで生きられない」と言われた親友が逝った話[1]

          アフターコロナのためのエチュード#05

          ”いや、どこにも行きたくないと同じ場所に留まっている自分の一部があるのかもしれないし、すでに別の一部はすっかり未来に飛んでいってしまっているのかもしれない。”

          アフターコロナのためのエチュード#05

          アフターコロナのためのエチュード #04

          ”県外への移動は自粛、県外からの移動は歓迎”

          アフターコロナのためのエチュード #04

          アフターコロナのためのエチュード #03

          「変」っていうのは、 「おかしい」つまり「ズレてる」 ということと 逆に 「合う」ということも 変なんです。 大自然界というものは 「合う」ものなんかないわけです。 みんな平行してある種流れているんです。 それが「合った」ということは 「おかしい」んです。 やっぱり、 「変」なんです。 #桂枝雀 #緊張の緩和理論 #笑い #落語

          アフターコロナのためのエチュード #03

          アフターコロナのためのエチュード #02

          「狂人走不狂人走」 - 狂人走れば不狂人も走る - 清巌宗渭禅師 (一人の狂人が走り出せば、狂人でない人々も釣られて走り出す)

          アフターコロナのためのエチュード #02

          アフターコロナのためのエチュード 200928 #01

          「インフルエンザをとめたければ、文明が組織する戦争をやめるしかない。 科学にたいする信仰のもとで、そのうち薬ができるだろうと希望をもつこともできるでしょう。 でも、それは薬物を投与しながら戦争への動員をつづけるということにすぎない。 もともと近代医学は、軍隊のための医学という面があります。」 (『思想としての〈新型コロナウイルス禍〉』(河出書房新社編集部 著)より)

          アフターコロナのためのエチュード 200928 #01

          コロナ禍のために 200928

          「だから国家から逃げだして山に住むことは非文明的で野蛮とされてきたけれど、本当は伝染病で全滅するとわかっていたから逃げていたんですね。死んでも働きますか? 逃散だよ。スコットはそれを自己野蛮化と呼んでいた。密集すると全滅の危険があるから山に入って定住しない。むしろ分散していく。」 (『思想としての〈新型コロナウイルス禍〉』(河出書房新社編集部 著)より)

          コロナ禍のために 200928

          James C. Scott "Two Cheers for Anarchism: Six Easy Pieces on Autonomy, Dignity, and Meaningful Work and Play"より

          " the adage of Mikhail Bakunin: “Freedom without socialism is privilege and injustice; socialism without freedom is slavery and brutality.” " "ミハイル・バクーニンの格言 : 社会主義のなき自由は特権的で不正ばかりだが、自由なき社会主義は奴隷的で、蛮行そのものである。" #バクーニン #bakunin

          James C. Scott "Two Cheers for Anarchism: Six Easy Pieces on Autonomy, Dignity, and Meaningful Work and Play"より

          「生き残ること以外に価値がひとつもない社会」で、

          "死者──われわれの死者──は、もはや埋葬の権利すらない。 大切な人の身に何が起こったのかさえはっきりしない。 近隣の人間関係は消去された。 教会がこの件について沈黙しているのは興味深いことだ。 どれほどの期間つづくのかも分からぬまま、こんなしかたで生きることに慣れてしまった国において、人間関係にいったい何が起こるだろう。 生き残ること以外に価値がひとつもない社会とはいったい何だろう」。" - アガンベン "思想としての〈新型コロナウイルス禍〉"(河出書房新社編

          「生き残ること以外に価値がひとつもない社会」で、

          自然災害か人災か、

          "未知のインフルエンザ株が現れたりして地球を席巻し、何百万もの人命を奪うことがないとは言い切れないものの、私たちは将来そういう事態を、避けようのない自然災害と見なすことはないだろう。 むしろ、弁解の余地のない人災と捉え、担当者の責任を厳しく問うはずだ。 ユヴァル・ノア・ハラリ著『ホモ・デウス(上)』(柴田裕之訳)より"

          自然災害か人災か、

          大澤真幸『思想としての〈新型コロナウイルス禍〉』#2

          「マイケル・サンデルがテレビで放映された講義でも話題にしたトロッコ問題があります。 ブレーキが故障したトロッコが暴走していて、そのまま線路を走っていくと、その先にいる五人が死ぬ。 それを回避して、別の線路へとトロッコを誘導することもできるのですが、そちらの線路の先にも一人がいて、死んでしまう。 誰も死なせない道はない。 このときどうすればよいのか。」 (『思想としての〈新型コロナウイルス禍〉』(河出書房新社編集部 著)より)

          大澤真幸『思想としての〈新型コロナウイルス禍〉』#2

          大澤真幸『思想としての〈新型コロナウイルス禍〉』#1

          「いま、手洗いをしましょうとか、マクスをつけましょうとか、隣の人との物理的な距離を大きくとりましょうとか、そういう行動の上での心がけだけが強調されています。 もちろん、それは、当面、ものすごく大事なことです。しかし、そのことだけをいっていると、私たちの心がけだけで問題はすべて解決してしまうかのように錯覚してしまう。 確かに、このコロナの問題だけだったら、その効果は大きいでしょう。しかし、ことは、人間自然の関係の全体だとしたら、行動についての心がけということは問題の矮小化で

          大澤真幸『思想としての〈新型コロナウイルス禍〉』#1

          ”人間の顔をした野蛮”

          ”公然たる野蛮にもまして、わたしは人間の顔をした野蛮を恐れる。 つまり生き延びのためになされる一連の容赦ない措置、悔恨をにじませ、同情した様子をさえ誇示しつつも、専門家たちの見解によって正当なものとされるそうした容赦ない措置こそが恐ろしいのだ。” スラヴォイ・シジェク(哲学者) #人間の顔をした野蛮 #アフターコロナ

          ”人間の顔をした野蛮”