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【備忘録】BtoB向けWebライティングのやり方

転職活動で企業からBtoBライティングの課題をいただいた。
実際にやってみて気づいたことをまとめます。

■BtoB向けのWebライティングとは

以下、引用です。

To Cと呼ばれる「消費者向け」の商品は、「知識のない人」が「喜怒哀楽の感情」を機に「衝動的」に買うことを想定する。

To Bと呼ばれる「企業・業者向け」の商品は、「知識のある人」が「信頼」を土台に「稟議」を経て買うことを想定する。

■書き始める前に考えること

・メディアの読者の属性は?
・メディア運営の目的は?
・販売する商品・サービスは?
・メディアのスタンスは?
・競合メディアはどこ?
・です・ます調(敬体)か、だ・である調(常体)か

【調査】


どんな情報が求められているのか
・上位10記事
・Yahoo!知恵袋、動画、SNS

【上位記事ではなく信頼性のある情報を確認】

・官公庁、それに準ずる組織が公表する情報
・製品やサービスの販売元が公表する情報
・当該分野の最大手組織が公表する情報

・比較
・ベネフィット
・活用事例

【Knowおよびdoクエリに最適化】

BtoB向けのコンテンツは検索意図の4分類(Know、do、buy、go)でいえば「Know」「do」に属するものが大半。
buyは少数で、goは特殊なケースのみ。Knowおよびdoクエリに最適化したライティングが好ましい。

  • ロジカルに信頼性を高める
    権威性の高い検索上位群と戦うために、可能な限り信頼性の高い情報を根拠とする必要がある。信頼性の高い情報は、ごく少数のソースに集約。そのため、情報ソースだけで差をつけることは難しい。そこで「公平性」「客観性」「論理的な正しさ」などを考慮したライティングをし、独自性を打ち出していく。情報ソースは「1次情報」であることが好まれるが、1次情報がすべて正しいとは限らない。2次情報の集合であっても「自社独自の見解&論理的に正しい」なら検索ユーザーは納得して信頼性を高めてくれるはず。

  • 自社の事例と見解で権威性を高める
    自社の取り組み、事例などを積極的に活用し、コンテンツの独自性を高めていく。
    出し惜しみするよりも積極的にコンテンツの材料としたほうが有益。

  • ペルソナは「上長に提案、説得する立場にある担当者」
    検索ユーザーのペルソナを「提案・説得する立場にある者」としたほうが結果につながりやすい。もちろん、業界や商材によって違いはある。しかし「本当の意思決定者は検索ユーザーの後ろ(上位)にいる」という点は共通している。上長に提案したり説得したりする材料を提供するほうが効果的。したがって、過度な訴求よりも「知識(ナレッジ)」を提供しつつ、「提案(オファー)」や「支援(サポート)」を促す書き方が好まれる。

  • サマライズコンテンツで比較、検討の労力を削減する
    BtoBで扱う商材は専門性が高く、複雑になりがち。そのため、複数の業者を比較するだけでも非常に多くの時間と労力がかかる。この労力と時間を短縮してあげることで、検索ユーザーからの評価を高められる。
    ・まとめる:要約と言い換え
    ・簡素化:フレーズ化、箇条書き
    ・可視化:図解、表とグラフ、動画など
    ・話し言葉:可読性を高めるために、強調したい部分はあえて
    ・補足、要約、反復:認知負荷を下げる

  • 統計結果などの数値を出す場合は、出典を添える

  • 曖昧な表現や不確かな臆測は避ける

  • ライターの個人的な意見(●●だと思う、など)を含めない

  • 面白おかしさよりも信頼感を重視した文章を執筆する

  • 誤字・脱字、文法の誤りに注意し、軽薄な流行語などは避ける

■BtoB向けWebライティングの手順

【材料集め】


【問題提起】上位10記事、Yahoo!知恵袋、SNS、動画、本・雑誌
【商品について】
【体験できること】

✔︎ 文章のこだわり(どうしたら)
・多くの読者に情報を届けることができるか
・サービスをわかりやすく・魅力的に紹介できるか
・読者とサービスをマッチさせることができるか

✔︎ 対象読者
商品購入を検討する法人に向けて書いた記事は、その読者自身が決裁者(商品の購入・見送りを決める人)とは限らない。
誰が読んでも一定以上の関心をひけるように「感情に訴えかけることにこだわらず、事実をベースにしたロジカルな文章」を意識し、端的に書き進める。

✔︎ 書く項目(なければ書かない)
①リード文
②〜とは(説明)
③商品導入目的
④メリット(問題点の解決策になるように)
⑤選び方のポイント
⑥商品紹介(〜である調)

①リード文


共感や期待を誘う内容である必要はなく、記事を読んで解決できる問題を手早く伝えることが重要。
1.いまから紹介する商品が解決する問題を提起
2.商品を導入することでもたらされる結果を明示
3.再度、この記事が解決する問題を提起

②〜とは(商品説明)

・背景
・問題点
・解決策、できること
・利用目的、メリット、期待できること(得られる未来)
・背景、なぜ必要と言えるのか

③商品導入目的

・具体的にできること
・他の視点でできること
・さらに深掘りして、得られる未来予想

④メリット(問題点の解決策になるように)

・問題提起 → 解決策もあり
・具体的な商品の紹介もあり

⑤選び方のポイント

・結論、搭載機能
・メリット
・具体例でできることをいくつか

⑥商品紹介(である調)

サービス名(会社名)
・一言で表現
・搭載機能、特徴
・得られる未来、期待できる効果

⑦タイプ別に分ける場合

・主な●●(〜にも強み、〜に特化、など)

⑧まとめ

・もう一度、問題や課題
・もう一度メリット
・いろんなタイプがある、目的による選び方
・ポイント、期待できる効果、得られる未来予想(深堀り)

まとめ文の役割:本文の情報を整理し、要点を伝える。
記事ボリュームが大きくなるほど読者は最初に読んでいた内容を忘れる。
あらためて要点を洗い出し「この記事を通じて伝えたいのは〇〇でした」と思い出してもらう。
読者へ「ここでこの記事は終わりです」と伝える役割も兼ねている。
まとめ文は正解がないものの、一般的に広く使われている形はつぎのような3ステップにより成り立っています。
1.「今回は〇〇をご説明しました」と締め始める
2.記事の要点。伝えたいメッセージを再掲
3.読者へアクションプランを提示する

■実際にBtoBライティングをしてみた気づき

・ブログで有効だった一次情報(写真や体験談)が使えない
・体験談 → 実際にダウンロードできるものは使ってみる
・書籍が出ていない → 雑誌wedge、Kindle Unlimited
・BtoBライティング → 難しそう、市場はある
・一般的なビジネススキルが必要
・書く対象の業界の知識や状況の理解
・企業がどのようなロジックで動いているのか
・新聞記事のようなきっちりした取材に基づく大人の文章
・「ネットで検索して得た情報を適当に組み合わせて、少しだけ文章を変えていっちょ上がり」というわけにはいきません。ライターに求められる原稿の難易度が「こたつ記事」でOKのクラウドソーシングよりぐっと上がるわけ
・デメリットや口コミを書かない
・商品がたくさんありすぎて、どれを選べばいいのかわからない → 読者の問題
・リサーチ力(ググる力)、読む力、書く力(語彙力、論理的思考力)

以上です。

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