バイト中に考えること

 こういう、ブログみたいな事を自発的にやるのは初めての試みです。

 学生時代お世話になった劇団で役者紹介のブログを綴ったことはあっても、自分の話を公開するようなことは無かったので、そういう意味合いも兼ねて、初めてです。

 どういったテイストにしていくのか等いろいろ定まっていませんが、なんか更新されてたらちょっと読んでもらえると嬉しいです。



『バイト中に考えること』


 ここ2ヶ月ほどですが、“お金稼ぎ“をしっかりするように心がけています。何も予定が無い日は、自分に甘えずバイトを入れる、という事です。
 取り憑かれたように足を運んでは朝まで過ごしていた飲み会も制限して、慎ましく生活しています。これに持続性があればいいなと思っています。

 バイトは今、派遣の仕事をしています。工場でベルトコンベアから流れてくる荷物を、次々荷台に積んでいく作業がメインです。ジャンルで言えば、軽作業のお仕事です。
 拘束8時間ありますが、基本的には一言も発しません。というより、僕自身が喋りたくなくて、出来るだけ人と目を合わせないようにしています。ただただ自分の作業をこなし、退勤時刻までを耐え忍びます。誰かと話しながら作業できれば、時間が進むのも早いと思うのですが、なぜだかその気にならないのです。(社員さんから何か指示を受ければ、もちろん会釈くらいはします。)
 さすれば、頭の中で自問自答を繰り返す事になります。お笑いの事であったり、預金残高の事であったり、人生についてであったり。議論が白熱すればするほど、時間の進みが早くなります。その議論に夢中で、ただ無意識的に手は動いていて、気づけばかなり時間が経っている。この状態をゾーンと呼んでいて、入れたらほのかに嬉しくなります。

 12月は流通業の繁忙期という事もあり、派遣の作業員がかなり多く見られます。時給も格段に上がっており、先着に漏れぬよう、募集開始の通知に僕自身も常に気を張っています。今日の同じ作業場には、見たところ20歳前後の青年が3人、仲良く話をしながら荷物を積んでいました。恐らく大学生で、破格のバイト見つけたからみんなで行こうぜ、といった背景がありありと窺えました。
 そんな3人を横目に見ていると、僕の学生時代と重なりました。当時仲の良かったKという人物がいて、何かにつけては一緒にいるやつでした。お互いにお金がなかったので、羽田の方の工場まで行って、(噂によるとそこの忙しさは、流通の中で日本の3本の指に入るそうです。)夜勤の軽作業を何度もしに行っていました。辛く淡々とした作業でも友人がいるというのは素晴らしい事で、彼が忙しさにキレながら荷物を積む姿にさえ、僕は口の端を緩めてしまうのでした。「トイレに行く」と言って30分ほど帰って来ず、その間彼の分の作業が僕に乗っかり、ようやく戻ってきたと思えば「プロスピしてたわ笑」と発した時には、流石に不愉快でしたが。その後作業が終わると大学へ授業を受けに行くのですが、朝食を取る時間は十分にあるので、“おもしろ“という無敵の口実で必ず品川プリンスホテルのバイキングを食べる(3,500円だったと思う)という愚行に及んだことも、今となれば恋しく感じました。
 彼ら3人も僕たちと同じように、戯れあいながら作業をした後、3人の中の“愚行“にもしかしたら及んで、モラトリアムの最中を楽しむのかなと考えました。すると僕の孤独が浮き彫りになる一方で、彼らの青春を見届けたいような心持ちも確かにあり、さすがに適当に積みすぎだろという働きぶりも、少し愛らしくさえ感じられるのでした。





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