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No.23ノンフィクション小説「ブロークンライフ!!」

ノンフィクション小説「ブロークンライフ!!!」No.22はこちら

僕と、イェンは、ホーチミン1区にある、レストランに向けて急いでいた。

「Hurry up!! Hurry up!!」

「I know!!!」

後ろで、イェンがけしかける。

(元はと言えば、イェンの準備が遅れたはずなのに(苦笑))

約束しているのは、あき、としこさん、しんじさん、ゆうじさん達だ。

既にイェンを紹介はしているが、
2月のテト(旧正月)を前に、お疲れ様会をするのだ。

レストランに着いた。

「We arrive on time...」

皆んなは、としこさん、しんじさん、ゆうじさんの姿が見える。

「こんばんは!何とか間に合いました!あれ、あきは?」

「いつも通り遅刻〜」

「ハハハ(一同)」

あきは、少し中心部から離れた所に住んでおり、集まりに遅れる事が多い。噂をしていると、あきの姿が見えた。

「いや〜、何とか間に合ったわ〜!
Hi イェン How are you?」

「I’m fine Thanks. and you?」

「イェンちゃんに逃げるな!間に合ってないから!ハハハ」

「あれ?そうか?俺の時計では on timeなんやけどな」

「What are they talking about?」

「I arrive here on time but they blame me! I don’t know why!」

「No you are liar!」

「ハハハ(一同)」

「イェンちゃんに言われたら、仕方ないわな(笑)」

一通り、あきを弄った僕らは、飲み物をオーダーした。

「じゃあ、皆んな、お疲れ様でした!」

「1.2.3.ヨー!!」

年長のしんじさんの音頭で、乾杯をする。

「皆んな、テト休暇の予定は?」

「私は、3週間位日本の実家に帰ります〜。」

「としこさん、長いですね!」

「うん、一年に一回の一時帰国だから、毎年ゆっくりする事にしてるんだ〜」

としこさんは、ベトナムホーチミンで働いて既に3年目で、この中で一番長い。
ちなみに、ベトナムのテト休暇は、約一週間強だ。旧暦に沿っている為、毎年1月の終わりから、2月の中旬位で前後する。ベトナム政府が、声明を出し、公的機関も、民間企業もそれに習って休みを取る。僕は初めての事なので分からないが、聞くところによると、ホーチミンは出稼ぎで出てくる人も多い為、多くの人々は田舎に帰省し、テト休暇中は、さながらゴーストタウン化するようだ。

「しんじさんは?」

「俺も帰省だけど、2週間位かな!一度東京の本社に寄って、その後に北海道に戻るよ!あきと、ゆうじは?」

「俺は、東南アジアを回る予定やわ。バスでカンボジア、タイ回って、タイからホーチミン帰って来るわ!」

「僕は、ベトナムの中部を旅行するつもりです!こういち君と、イェンちゃんは?」

「僕らは、イェンの実家にお邪魔するつもりです!」

「えっ!×4」

「そうだったんだ。凄い急展開…」

「ですよね(笑)まあ、遅かれ早かれ行くので、なら早い方が良いかと」

「ポジティブやな(笑)イェンちゃん I heard from Koichi that you will take him to your family?」

「…y...yes. But I’m nervous.」

「Good luck!! We wishes everything going well!! Plz let us know how the mtg was after TET holiday.」

「Ok Thanks!」

僕とイェンは、お互いの顔を見て、少し笑った。皆んなに励まされた事で、少し勇気が出た。実際、イェンの親御さんがどんな反応をするか、お互いにとても恐かったのだ。

「よっしゃ!じゃあ、ダーツ行こか!」

いつも通り、僕らの溜まり場である、
ICE BLUEに向かう。

チーム分けをして、今日は、
あき、しんじさんチーム
としこさん、ゆうじチーム
イェンと僕のチーム

になった。

あきと、しんじさんは、どちらも手堅くポイントを挙げていく。としこさんの乱調を、ゆうじがサポートする。イェンは完全な初心者なので、何とか僕がポイントを上げていく。

3ゲームやった結果、
あき・しんじさんチーム3勝0敗
としこさん・ゆうじチーム2勝1敗
イェン・僕チーム1勝2敗

としこさんと、イェンはお酒が飲めないため、ゆうじがテキーラショット2杯、僕がテキーラショット4杯を飲んだ。

4杯目を飲んだ僕は、もう使い物にならない。

「コウイチ、もう完全にアカンやん(笑)」

「Are you ok?」

イェンも笑っている。

「Yes Yes大丈夫。」

というが、イスに座り、目を瞑って下を向いたまま動かない。

「最後締めのフォー行こか!」

しんじさんの音頭に従って、皆んな続いていく。僕は、しんじさんと、ゆうじに肩を借りながら、フォーのお店に向かうのだった。

しんじさんがオススメしてくれたお店は、ビテクスコタワーの側にある。店内もあるが、路上にプラスチックのテーブルとイスを出すお決まりのパターン。

フォーを注文し、待つ間に僕は、イスにもたれ掛かって口を開けながら寝てしまう。

「コウイチ!寝るなや!(笑)ここ路上やで!」

「シーッ!!」

しんじさんが悪ふざけをし出した。フォーに入れる、葉っぱ類を、ちぎって僕の口に入れ始めたのだ。

それを見ていた周りのベトナム人達が、面白がって、しんじさんが口に葉っぱを入れるのに合わせて、

「モッ・ハイ・バー・ボン・ナム…」

と数えていく。関わっている全員が爆笑だ。イェンも腹を抱えて笑っている。しんじさんが、10(ムイ)を目指して続ける。

「サオ・バイ・タン・チン…」

チン(9)まで進んだタイミングで、僕が不意に、

「ふガッ!?(ムシャムシャ)」

と、起きると同時に口に入った葉っぱを食べ始めた。

「あーーーー!!(一同)」

と、周囲は、僕にとっては謎でしかない、残念そうな声を上げる。

「???どうしたんですか?」

「いや、何もないよ?(笑)」

「???What happen?」

「Nothing!!」

笑いながら、誰も教えてくれない。

「お!フォー来たやん!コウイチ、食べよか!」

ちょうどフォーが運ばれて来たのを良いことに、あきが言った。

「う、うん。」

(何だ?何だ?まあ、いいか!)

「頂きま〜す!」

仮眠を取った僕は、とても元気になり、
フォーを頬張りだした。

「よく寝起きに食べられるな〜」

「いや〜、何か酔いが醒めたらお腹減っちゃって」

「あんなに、葉っぱ食べたのに?」

「葉っぱ?…あっ!?そういう事か!」

「ハハハ(笑)」

イェンも笑っている。

テト中に、イェンの親御さんに挨拶に行くというビッグイベントを前に緊張していたイェンと僕は、友人達と過ごした時間に内心とても救われたのだった。

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