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No.25ノンフィクション小説「ブロークンライフ!!」

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2017年1月29日(旧正月元旦)

翌日。

僕は、朝9:00にイェンの実家に着いた。

(ふう…さて、どうなる事やら…)

イェンに電話をすると、

すぐに家から出て来て、僕を招き入れる。

「Good morning. How are you today?

(おはよう。元気?)」

「I'm good. And you?

(いいよ。君は?)」

「I'm good thanks.

(私も元気。ありがとう。)」

「ふう…×2」

二人のため息がシンクロした。

どちらも同じ心境のようだ。

出来れば、ダナン観光を楽しんで、

帰ってしまいたい所だが…どっこいそうはいかない。

僕は、イェンに向かって、ニヤッと笑いかける。

イェンも、笑い返す。

何も言わずに、二人で家に入っていく。


それから何時間経ったのだろうか。

あるいは、何分も経っていないのか。

手に汗を握りながら、

イェンのお母さんと、お兄さんからの質問に答えていく僕には、

スマホで時間を確認する余裕もなかった。

お母さんと、お兄さんからの質問を、

お兄さんの奥さんと、イェンが協力して

僕に通訳をする。そして僕が答える。

これの繰り返しだった。

「I'm really serious about the relationship with her.

(僕は、彼女との関係についてとても真剣です。)」

「But did you tell your parents about that?

(あなたの両親には話したの?)」

「I told to my mom. She agreed to me.

(母には伝えました。母は賛成しています。)」

「How about your dad?(父親はどうなの?)」

「I will tell him when I come back to Japan.

But he never disagree with my opinion.

(日本に帰った時に話すつもりです。

でも、父は、一度も僕の意見に反対した事はないです。)」

冷静に、一つ一つ丁寧に答えていく。

「How about the religion?

(宗教についてはどう?)」

「I can respect your family's religion.

I don't join but I can learn about that if it is needed.

(ご家族の宗教については尊重します。

僕は入りませんが、必要な事は学びます。)」

冷静に、誠実に一つ一つの質問に答えていくと、

徐々にお母さん、お兄さんの態度が和らいで来た。

そして、最後に、

「They said you are good person and they approve 

relationship.

(あなたは、良い人だし、二人の関係を認めるそうよ)」

それを聞いて、ようやくホッと胸を撫で下ろした。

「Thank you so much. I'm happy to hear that.

(ありがとうございます。それを聞けて嬉しいです。)

ようやく全員が笑顔になり、改めて握手をした。

特に、イェンの父親代わりだった、

お兄さんは、とても喜んでくれた。

時間を確認すると、既に11:00AMを回ろうとしている。

「Ok Let's have a breakfast!!

(じゃあ、朝ごはんを食べましょう!!)」

昨日の重苦しい空気が嘘のように、

「1.2.3ヨー!!」

と元気な声で乾杯をする。

普段あまりお酒を飲まないらしい、

お兄さんも、今日は朝から一緒に

飲んでくれた。

上機嫌でお酒を飲んでいると、

玄関の方で、ガヤガヤと声がし始めた。

イェンの親戚が、新年の挨拶に来たのだ。

ご家族同士で、挨拶を済ませた後に、

イェンが、僕を、最年長である、

イェンの祖母に紹介をする。

僕は、

「シンチャオ」

と言いながら、手を差し出した。

彼女は、握手をしながら、ふと僕の手を見ると、

イェンに向かって何か言った。

「What did shi said?

(彼女、何て言ったの?)」

「She said your hand is like a girls'.」

(ギクッ…苦労していないと言われているような感じだ…)

笑顔を浮かべるが、きっと引きつっていただろう。

一通り食事を終え、洗い物をすると、

昼寝をするように勧められた。

(お〜ベトナムスタイルだな〜)

昼寝の部屋は、

しっかりとイェンと別に設けられた。

イェンの家は、規則がかなり厳しい。

結婚前は、性交渉も認められない旨、

午前中の話し合いの中でも聞いた。

(ベトナムには、古き良き日本の姿があるって

聞くけど、確かに感じる部分あるよな〜)

ベトナムの中でも、家庭によるようだが。

午前の戦いを終えた僕は、

昨日たっぷりと寝たにも関わらず、

すぐに寝息を立てて寝始め、

家を出る約束の時間になっても

起きて来ないため、イェンに叩き起こされるのだった。

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