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形式を守ることが身だしなみじゃない

ども、イシちゃんです。
長男が就職し家を出て1ヶ月、家族の中で一番寂しく感じているのは恐らく末娘です。

もうすぐ3歳になるんですけど、お兄ちゃんが家を出た寂しさに耐えられなかったのか、末娘は最初の1~2週間は四つん這いになって絶望の涙を流す毎日に、僕は

人って心から絶望すると本当に四つん這いになるもんなんか⁉

と娘の心境をよそに、漫画くらいでしか見たことが無かった人が四つん這いで絶望する姿に笑いをこらえるので必死でした(笑)

そんな長男はというと、

「仕事がめっちゃ楽しい」

と言える会社のようで、いわゆる就職ガチャでいえばSランクを引き当てたようです。

僕自身も「楽しいと思える事」を仕事にしてきたので、その気持ちは理解できるし、そのまま楽しいを突き進んでくれたら良いなぁと願う毎日です。


身だしなみって何だろう?

さて、我が家の長男に限った話ではありませんが、世間的にも新社会人となった人や、中学、高校、大学等に進学して新しい生活が始まった人は多いと思います。

最近では、「ブラック校則」なんて呼ばれて、そこでは身だしなみに関する校則も議論されているようですが、この手の議論はニュースサイト等でもよく取り上げられるようになりましたよね。

個人的には、ツーブロックがどうとか、前髪がどうとかそういう表面的な議論はどうでも良いし、本人の思うようにさせれば良いと思う派ですが、こうした議論でいつも思うのは、

本質を伝えず表面ばかり気にするのはマズいよな

ってことです。

身だしなみの本質を説く上である程度「型」は必要です。
しかし、大事なのは【本質】の部分であって、「型」そのものではありません。

にもかかわらず、多くの議論は「型」について議論されていて、その「本質」に意識が向かないわけです。

僕はここに違和感を感じます。

身だしなみは何のためにするのかというのは、よく言われることとしては

他者を不快にさせない

とか

善き人間関係のスタートライン

といったものです。

これは間違いではありませんが、これってどこか依存的です。

不快にさせない(させたくない)って、不快に思うかどうかは相手次第なわけです。

もっと言えば、不快にさせたくない裏側には「人から好かれたい」って相手にして欲しい願いが含まれていることも少なくありません。

僕も人から嫌われたいとは思わないですし、「人から好かれたい」ってごく普通の感情だと思います。

ただ、こうしたことの本質って、もっと主体的なものであるはずです。

例えば、欧米には

相手の靴を見ろ

という言葉があるそうです。

これは、決して

高級ブランドの靴を履け
と言っているわけではないし、

流行の靴を履け
と言っているわけでもないし、

新品の靴を履け
と言っているわけでもありません

自分のモノをどれだけ大切に扱う人物かを見極めろ

ということを言っているのです。

日本の治安が良く、欧米の治安が悪いというのはよく言われることですが、治安の悪い欧米だからこそ、自分の身は自分で守る、そのための訓えとして、「相手の靴を見ろ」と言っているわけです。

靴って比較的、目につきにくいモノですよね?
そういう目につきにくいモノに至るまで自分のモノを大事に扱えるような人であれば、心にも余裕があるので、他者を大切にする心のゆとりもあるだろうから、あなたのことも大切にしてくれるだろうということをこの訓えは語っているわけです。

反対に、自分のモノすら大切に扱えない、雑に扱うような人は人との接し方も雑で粗暴なものだから注意しなさいということなんですね。

もっと言えば、これは「自分が大切に扱えるものだけを持ちなさい」ということでもあるわけですが、この「相手の靴を見ろ」の中に身だしなみの本質が隠れています。

モノを大切にする

って、「大切にしたい」と自分から思わないとできません。
つまり、そこに主体性があるということです。

大切にするというのは、「手入れ」をするということです。

Yシャツやスラックスのアイロンがけを適切にする
とか、

靴をキレイに磨く
とか、

そういう手入れを人任せにしないで、自分でするということです

クリーニングに出すとか外注するにしても、

大切だからプロの手を借りる
のと、

めんどくさいから外注する
のでは、

マインドが全然違います。

めんどくさいから外注する人って、

そういうことは妻にさせれば良い

って昭和の亭主関白のような人が奥様に丸投げするのと根っこは同じで、依存心が強いからです。

こうしたことが、どうして他者を大切にすることに繋がるかというと、

他者を大切にするまでには段階がある

からです。

簡単に言うと、以下の3つの段階です。

1.自分を大切にする
2.心に余裕ができる
3.他者を大切にする

自分を大切にすることで、心に余裕が生まれます。その生まれた心の余裕を使って、人を大切にするというわけです。

逆を言えば、人を大切にできない人ほど、自分を大切にしておらず、心にも余裕が無いということです。

「先ずは自分を大切にする」それから、「人を大切にする」

というわけですが、こう言うと時々、

それって自己中心的だとか
それって自分勝手な人だとか

そんなことを言う人が出てきます。が、それとは全然違います。

自己中心的な人や自分勝手な人というのは、

自分のこと "しか" 大切にできない人

のことだからです。もう少しツッコんだ事を言えば、自分のこと "しか" 大切にできない人って、本質的には自分のことを大切にしているわけではなくて

自分のこと "しか" 見えていない心に余裕が無い状態

だから、結局のところ自分を大切には出来ていないんですよね

つまり、主体的な身だしなみの本質とは、

自分を大切にし、他者を尊重する表現手段

であるということです。

「私はいま心にゆとりがあるから、あなたのことも大切にできます」

というメッセージを装いで表現するというわけですね。

だから、身だしなみに関する校則にしても、ツーブロックがどうとか、前髪の長さがどうとかそういう表面的なモノはどうでもよくて、

自分を大切にしていることが装いから伝わるか

という視点が必要なのです。

ツーブロックを認めたところで、スタイリングもしないボサボサの状態ならツーブロック云々以前に、自分のヘアスタイルくらい自分で整えろって話ですし、

どんな下着の色だろうと、どんな制服の着こなしだろうと、親が手入れするくらいなら、自分でキチンと手入れしろって話です。

どんなに身だしなみに関する校則をキッチリ、真面目に守ったところで、体裁だけ整えて、上靴を洗っていないとか、シャツにシワがあるようなら、それは身だしなみが整っているとは言えません。

校則だから、ルールだから、社会人としてのマナーだからといったことは表面的な話に過ぎません。

それも大事ですが、それ以上に

自分を、自分のモノを、大切にする心のゆとりがあるか

これを見る方がよほど大切だということです。

自分を大切にできる人から、他者を大切にしていく

わけですし、他者を大切にできれば、人間関係のトラブルも格段に減るわけです。

そして、自分を大切にする、自分のモノを大切にするには精神的、時間的なゆとりも必要です。

その為には、主体的にゆとりを作り出す工夫が必要ですし、それを考える思考力も必要です。

だから、

身だしなみは生きる基本

というわけなんですね。

主体性を築く土台となるからです。

主体性のある人同士が繋がりあえば、本当の意味で良いコミュニティができます。

「自分を大切にする」ことの大切さが分かる人が繋がりあえば、相手にとっての「自分を大切にする」ことも理解できるからです。

相手にとっての「自分を大切にする」が理解できれば、譲り合いもできるし、助け合いもできる、そういうコミュニティが本当の意味で良いコミュニティであると思います。

そうやって人と人が繋がりあうことで、人は生きていけるのだということを身だしなみを通じて教えていくことが大事なんです。

オシャレに興味がない、自信が無いという人も少なくありません。だからといって、身だしなみにまで興味がないというわけではないと思います。

むしろ、身だしなみの本質を理解し、身だしなみの理解を深めることで、結果的に

お洒落に見える

ようになります。身だしなみにおける「型」にはビジネススーツといった形状やデザインだけではなく

着こなし方

というのも含まれるからです。

着こなしというのは、着ている服をキレイに見せる身のこなしなわけで、それはつまり

自分の服を大切に扱う

ということに繋がります。さらに、その身のこなしからは洗練さとか、上品さとかがにじみ出るものなので、見ている人の印象も高めてくれます。

一言で、「身だしなみを整える」と言っても、それだけ奥深いということです。

少なくとも僕が仕上げる際にスタイリングを伝えるのは、お客さんにお客さん自身のことを大切にして欲しいという想いで伝えています。

なので、お客さんのスタイリングの仕方が伝えたものと違っていても気にしないですし、むしろそこからその人の好みへの理解を深めています。

大事なのは、「スタイリングをしている=自分を大切にしている」ことだからです。

身だしなみという基礎基本が土台としてちゃんとあれば、オシャレに磨きがかかります。

オシャレに磨きをかけたい、いつまでもオシャレを楽しみ続けたいという人は、一度、身だしなみの基礎基本を見直してみると良いかもしれません。

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