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2023年 特に印象に残った日本酒11選



はじめに


いよいよ2024年がスタートしました。

賑やかな年末シーズンから新年の穏やかな空気へと変わり、皆様も久しぶりにゆっくりとした時間をお過ごしかと思います。

私は昨日より実家の山口県に帰省し、ゆっくりと
した時を過ごしています。

先日、このnoteで2023年に最も印象に残ったワイン10選を発表させていただきましたが、その続編と致しまして、今回は最も印象に残った日本酒をご紹介致します。

まさに、2023年にテイスティングした中のベスト日本酒10本。やや入手が困難なものもありますが、現在手に入りやすいものも多いので、ぜひ参考にしていただければと思います。



日本酒を選んだ経緯


昨年と今年、ワイン版の記事を執筆させていただきましたが、ワインのみでなく日本酒も専門としている身としましては、やはり日本酒のまとめも発表したいと考えました。

日々ワインのテイスティングをすると同時に、それと近いくらい日本酒を飲む機会も多く、毎年日本酒のペアリングディナーイベントも開催しており、スクールでのセミナーや食事会、プライベートで日本酒を飲む機会も年々増えてきています。であればやはりまとめとして記録し、皆様にお伝えしたいという気持ちが湧いてきました。

当初は最も印象に残った5本に絞って発表しようと考えていました。ワインと比較して比較的価格帯も高くない日本酒は、そこまで多く選出することはできないのではないかと考えたからです。

しかし、ワインとはまた違う日本酒という飲み物を、価格帯の上下を一切外して見ていくと、その数に絞りきるのは難しい。ではワインと同様に10種を選ぼうとチェックしていった結果、11本になったため、そのまま掲載することにしたのです。



2023年 最も印象に残った日本酒11選


前置きが少し長くなってまいましたが、今回選んだ11本の日本酒を順不同でご紹介していきたいと思います。


その1 秋田の銘酒


新政 異端教祖株式会杜


この「異端教祖株式会社」は、市場価値数万円とも言われる新政最高峰の3本「Astral Plateau アストラルプラトー」のうちの1つ。なかなか出会うことのできない、まさに幻の銘酒。

無農薬米の「酒こまち」を使用し、すべてがおろしたての新桶で仕込まれ、酵母無添加。「亜麻猫」の最上級版として構想されたが、また別のものに変貌を遂げていくことになります。

樽の中で長期間、酵母と触れさせるなど実験的技術が詰め込まれ、その個性はまさに異端であり別格。完成後2年以上の熟成を経てリリースされます。

もう一つの大きな特徴として、使用する麹に焼酎用の麹である「白麹」を主体に用いていること。通常日本酒造りに用いられる「黄麹」はほとんど用いられていません。

この「白麹」の最大の特徴は、クエン酸を生産することであり、この麹を用いると、お酒自体の酸味のレベルがかなり高くなります。

 新政の定番酒である「亜麻猫」も、この白麹を用いて醸されていますが、「異端教祖株式会杜」は、より高い酸味を求めて造り出されており、使用する麹のほとんどが白麹となっています。

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