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ほんとにあった!呪いのビデオ 80

2019年、早速今年の『ほん呪』最新作がリリースされました!
幸先いいですね!

『ほんとにあった!呪いのビデオ 80』(2018年1月9日 発売)86min
演出:川居尚美、福田陽平
構成:福田陽平、川居尚美、新津徳也、美濃良偲
演出協力:菊池宣秀、美濃良偲、藤本裕貴、細沼孝之
演出補:山本屋歩、寒川聖美、舞木ひと美、大力、星まおな
演出補応援:大塚裕司

〈収録映像〉
1.海辺
2.トンネル (☆おすすめ)
3.見知らぬ女の子
4.水面
5.続・縁恨 前編
6.熱唱
7.シリーズ監視カメラ 散乱
8.積乱雲
9.続・縁恨 後編

映像のパターン:☆☆(「トンネル」のトリッキーさ◎)
観ている時の自分のテンション:☆☆☆(『79』を楽しみすぎた)
おすすめ度:☆☆
(『79』と続けてどうぞ)
※5段階評価 ☆→1 ★→0.5


最新作『ほん呪80』の感想を一言でまとめると……

いつものほん呪


と、いった感じでしょうか。
『ほん呪』は10年くらい前のハロプロにすごく近くってですね、「これは一体どう楽しめば良いんだろうか……」と、受け身を試されることがままあります。
以前、そんなハロプロ体感についてタワーレコードの嶺脇育夫社長に話したところ、「作品が悪いんじゃない、楽しめてない自分が未熟なんだ!」という、深すぎるハロプロカルマを説いてくださいまして、襟を正す思いでした。
つまり、「自分で楽しみ方を見つけろ!」ということです。さざなみが来た時ほど、どうサーフするか。腕の見せどころってやつです!
前作『79』に比べて評価低めに見えるかもしれませんが、むしろ前作が砂金だったっていうだけなので!


【前回との答え合わせ】

前回の記事を読んでいただくとわかるんですが、僕がまぁ〜〜ドキドキワクワクしてるんですよね。恥ずかしいほどテンションが高いです。傑作『ほん呪55』を引き合いに出したりなんかしてね。
最新作ですからネタバレしすぎなようにするため、結果だけを報告すると、早とちりではありましたね(笑)。「続・縁恨 後編」では、「警告」からの「カウントダウン」こそありますが、『55』的なことは起きませんでしたし、何なら前回触れた「(すごい展開の前触れのように)あえて静かにしている感じ」も、嘘みたいになくなっていました(笑)。中村さんのナレーションもめちゃめちゃ饒舌ですしね。逆に前回なんでああしたの!体調悪かったの?
ただ、好きな部分はたくさんありましたので、紹介したいと思います。


【見どころ】

「トンネル」

大学生の投稿者の男性が、友人を誘い、2人で廃トンネルを訪れた。薄暗いトンネルの半ばに差し掛かったところで、カメラを回している投稿者が友人を問い詰める。彼が自分の彼女と浮気をしている証拠を見つけてしまったのだという。口論になる2人。そのとき、友人がトンネルの出口付近に女性とおぼしき影を見つけ、パニックに陥る。影が見えていない投稿者が、カメラでトンネル出口をズーム撮影していると、すぐそばで物が落ちる音が聞こえる。音がした方を振り向くと、友人が持っていたペットボトルだけが落ちており、友人の姿が消えている。再びトンネル出口の方を振り返ると、出口付近にこちらに背を向けている友人のシルエットを見つける。近寄っていく投稿者。すると突然、友人の首が不自然な方向に曲がり、首がもげて地面に落ちる。慌てて投稿者が駆け寄ると、友人は気を失って倒れているが、幸い首はついている。近隣の森では、かつて、恋人に裏切られた女性が自殺していた。

以上の概要を読んでいただければ、おわかりいただけるかと思いますが、かなりトリッキーな1本です。首もげましたからね。ちょっと『ほん呪』っぽくないというか、「『ほん呪』以外っぽい」というニュアンスでしょうか。でも、映像の緊張感はなかなかなものです。じりじりとトンネル出口に出現する女性の影が不気味です。

僕が好きだったのはやっぱり、投稿者と友人の口論のシーンですね。やたらと近寄って、口論という名の「あ?あ?」「は?」「○○じゃねーし」の応酬。「謝れよ」「すいませんでした〜」という不毛なくだり。やっぱり大人になると、こういうタイプの人となかなか出会わないですからね。いないこともないですけど。この、次元の低い口論を遠い目で見ていました。

「続・縁恨」(前後編)

アイドルのMVを監督していた渡辺さんの頭部が消失している映像が撮られた。渡辺さんには異変が無かったが、渡辺さんの仕事仲間で助監督の羽鳥さんが突然亡くなった。関係者に取材を進めていくうちに、仕事の回り方などにおいて、この2人の立場が入れ替わったような印象を受けるとの証言が得られた。(『ほん呪79』収録「縁恨」)
その後、この投稿映像と類似する、「体の一部が消失した映像」が複数届いていることがわかった。投稿者の飯塚さんは、肺ガンで闘病中の妻の体が透けた映像を撮影後、妻とその友人の間に入れ替わりが起き、妻は回復、友人が肺ガンで亡くなったという。
別の投稿者・田丸さんは友人と一緒に撮影したTikTokの動画内で片足が消失。田丸さんは一度怪我をするがすぐに完治。代わりに友人が原因不明の怪我で靭帯損傷してしまう。
3件の類似する投稿には、「体の一部が消失」以外の共通点がないと思われたが、取材の中で、「ネット上のある動画を観た」という共通点があることがわかった。その動画は、あるガン患者の闘病生活を綴ったブログにあがっていたものだという。その元となる映像(ドキュメンタリー映画)を撮影していたのは、亡くなった羽鳥さんだった。
ベッドで、闘病生活を振り返って語る女性が映っている問題の映像。劣化しているのか、映像にも音声にもかなりノイズがのっている。
スタッフは映像を解析する中で、不可解な音声ノイズを見つけた。ノイズ部分を切り取りつないでいくと……。

こうやって内容をまとめて書いてみたら、自分が想像しすぎていただけで、巻をまたいだスケールの大きい話だし、因果がめぐる面白い1本だなと思いました。
紹介される映像は、今回の諸々の発端となるような動画。「警告」からの「カウントダウン」後に映像を見ることになります。なかなか怖いというか、ノイズが不快っていう意味で、見ているのがキツい映像でした。

僕が好きだったのは、「演出補応援」大塚くんのくだりです。ここまでのシリーズを未見のかたのために、大塚くんを簡単に説明すると、ときどき強めにひっぱたきたくなるタイプの後輩(でも憎めない)という感じでしょうか。ミスはするけど、ご飯をおごったりはしてあげたくなる存在ですね。これの真反対が、ときどき強めにひっぱたきたくなるタイプの後輩(ほんとにやだ)なんですが、大塚くんは割と狭間の存在だと思います。つまり、まだどっちに転ぶかわからないんです。
今回も、実は大塚くんが問題の動画を過去に観たことがあり、その理由も、身内に闘病している方がいたので、参考に自分もブログを読んでいたから、という献身的な一面が垣間見えた一方で、登録して毎日見ていたそのブログが消去されていることがわかり、「もう一回探してみますね」(一瞬カット)→「やっぱないっす」というくだりで、後ろに映り込んでいる時計がちっとも進んでいなかったので、コイツ全然探してねえということがバレバレだったりしました。今回の大塚くんのリザルトとしては、プラマイゼロですね。今後も大塚くんの動向に注目です。


最後に、そのほか『ほん呪 80』の好きなポイントを5つ。

○「シリーズ監視カメラ 散乱」が『ほん呪』的『万引き家族』。

○「続・縁恨」すごく物腰のやわらかい投稿者飯塚さん。

○ついに投稿映像にTikTokが。

○「熱唱」はカラオケをしている模様の映像。著作権関係ですげえ細かくピー音を入れているものの、事象には音が一切関係ないので、全部ミュートしてもよかったのに。ピー音が細かすぎて聴力検査かと思った

○「続・縁恨」問題の映像を解析をしたのが、おそらく演出補・寒川ちゃんの自宅。音声の解析にはPro Toolsを使い、デスクの隣には電子ドラムが組んである。音楽をやってるっぽい感じは以前からしていましたが、機材がどんどんアップデートされているようですね。次に部屋が映る時に作業環境がどうなっているのかにも注目です。

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